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魔女祭り32 ホトの尋問

(妙だな・・・)


近衛騎士団団長のレオはスケルトンナイト(骸骨騎士)達と剣を交わしている部下たちの光景を見つめながら違和感を覚えていた。宮廷前の戦場に着くや否や彼は劣勢に陥っている部下達に向かって叱咤激励をすると自らも剣を抜きやっと近衛騎士団の態勢をようやく纏めつつあるところであった。


「団長、この魔物達はある一定の地域より前へ進もうとはしないような気がしますが?」


 そんなレオの懸念を察したように副団長であるギレが近づいてきてそう尋ねる。


「うむ、俺も今そう感じておったところだ」


 レオは、そう答えながら一体のスケルトンナイト(骸骨騎士)に視線を伸ばす。


(あの一体だけ、別格の強さを漂わせている・・・。それにしてもこの魔物達の太刀筋はどう見ても騎士として研鑽を積んだ太刀筋だ・・・これはどういうことなのか・・・)


 その時であった、レオやギレが注目していた首領格と見られるスケルトンナイト(骸骨騎士)が組んでいた腕を解くと悠然と歩みを進め始めた。


「レオ団長!」


「ああ、解っておる」


 ギレの注意喚起に答えるとレオもまた前に進み始めた。


 存在感が一際目立つその長身の骸骨騎士はレオがこちらに来るのを予想していたように立ち止まる。

 レオもまた対峙するようその骸骨騎士の前で慎重に距離を取って立ち止まるのであった。

 二人が黙ったまま相手の様子を覗うように睨み合いを続けるうちに周りで戦っていた近衛騎士団とスケルトンナイト(骸骨騎士)達も気が付いたように矛を収める。


「お前が、この騎士団の団長か?」


 少し、こもった口調の声でその骸骨騎士が声を発した。


 レオは、対峙する骸骨騎士が話をできることに少し驚いた様子であったが


「いかにも、私は神聖ローマ帝国近衛騎士団団長だが、お前のような骸骨騎士が話しができるとは正直言って驚いている」


「フッフッフ、ハッハッハハハ・・・。そうか、フフフ、まあ、驚くのも無理はない。俺自身もこの姿でまさかこの場所に召喚されるとも思っておらぬかったからな」


「お前達は、何の目的でこの場所に?」


「目的なんぞ知らん、我等は主である人物によってこの場所に召喚されたにすぎぬからな・・・。ところで」


 その骸骨騎士は、レオを瞳のない目で凝視すると


「お前は、近衛騎士団団長と言ったが名はなんと言う?」


 レオは、不審そうにしばし考えていたが


「レオ・ガイアーだ」


「レオ・ガイアーだと・・・、ガイアーと言えば・・・そうだ、ヘスト・ガイアー・フォン・シュヴェッツベンブルグはお前の知り合いか?」


 レオは、驚いた表情で


「ヘスト・ガイアーは私の祖父の名だ、何故お前が知っておる?」


「祖父だと!!!、そうか・・・お前はヘストの孫か・・・」


「孫かとは、どういう・・・」


「いやあ、アハッハッハ。そうか、そうか、ハッハッハ・・・」


何がおかしいのか、こもった口調で笑う骸骨騎士に気色ばむレオは


「我が祖父を愚弄するか」


 と言うと、剣の柄に手を掛ける。


「面白い!ヘストの孫がどれくらいの腕か、試してやろう」


 その骸骨騎士はそこで初めて剣を抜いた。







(さすが、ヘル爺・・・)


 エルヴィンはホトがソティリオを拘束の魔法で捕らえたのを確認すると、急ぎ足で晩餐会会場から離れると1階のお手洗い場の外の壁に近い柱の下に身を屈め手早く魔方陣を描く。そして立ち上がり小声で念話を始めた。


「マテウス、今どこだ?」


「おおっと!、すまんエルヴィン、今、家に着いて洗濯物の取り込み中・・・」


「そ そうか・・・。マテウス帰ってきて早速だが至急王宮に来てくれ」


「そんなに、切羽詰まってるんですね?分かりましたすぐに向かいましょう。ただ王宮に着くまでここからだと少し時間が掛かりますよ」


「ああ、だからゲートの使用を許可する」


「ゲートですか!!!、そ そんなに緊迫していると?」


「ああ、ご機嫌なパーティーになっててな、急ぎで頼む。ゲートは王宮の1階手洗い場の外の壁近くの柱付近だ」


「ああ、了解しました。久しぶりにゲートの魔法・・・少し心配ですけどね・・・」






「ソティリオとやら、そちの主サザーランドとか申す者からの挨拶、しかと受け取った」


「はい」


「そして、余の返事はこうじゃ。おぬし達の企て・・・断固として潰すとな」


「・・・」


「まあ、そうは言ってもそちは余の大切な家臣を手に掛けたこと、その上、今晩の晩餐会においての狼藉のため参加者達に非常な不快な思いをさせたことによって厳罰を与えるため余からの返事は持って帰らせる訳にはいかぬがの」


「ハインリッヒ王の返事は、我が主サザーランド尊師様にお伝えしなければなりませんので今晩はこれにて私も戻ることに致しましょう」


「おぬしは、今の自分の状況を把握しておらぬのか」


 ソティリオの言葉にホトがあきれたように問うと


「確かに、ホト殿の拘束魔法は強力ですね。但し、今の私には至高なる御方からのご加護があるのですよクックック」


「何じゃと?」


 いぶかしむホトを見てソティリオはほくそ笑むように続ける。


「明日の夜は、この地はヴァルプスギルの夜と呼ばれる日だとか。世界各国からの魔女が集う日らしいですねえ」


「それが、どうした」


「何故、この日にそんな集いができるかホト殿はお考えになったことはありませんか?」


「な、なんじゃと・・・、ま まさか!」


「ええ、お気づきになられたようですね、クックック・・・。そうです、ヴァルプスギルの夜は魔力の量が一年の中で最も集まり易い夜なのです。そして今晩はその前日、明日の夜ほどでなくとも魔力の量は増大できるのですよ、ホト殿」


 そう言うと、ソティリオはその狂気に満ちた目を天井に向けると叫ぶ!


「至高なる我が尊師様!忠実な僕たる我にお力を!!!」









































骸骨騎士の正体も気になりますが、ソティリオの行動・・・目が離せれません・・・。


そろそろエルヴィンさん活躍してほしいものですが、来週はどうでしょうか(笑)


さて、最後はいつも通りご挨拶です。


この物語を楽しみにしていただいている全ての皆様にお礼を申し上げます。


本当にありがとうございます。


では、また来週この時間にてお会いしましょう^^



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