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その九十七

 三千七百十八

 メールでも郵便でも、他人と言葉を交わし他人が思っている事を隠さず表明してくれると嬉しいです。そして全く同じではないものの、私と同じ様な事を感じているのだなと知ると、私は不思議に落ち着いた気持ちになるのです。そうです。落ち着いた気持ちに、です。

 他人に何一つ求めていない人間がそんな気持ちを感じるでしょうか。間違い無く、それも強く、求めているのです。


 三千七百十九

 霧が霽(は)れる様に自分の人生の道筋が見える事を望みますか。私なら違います。私が望むのは、ずっと霧の中の行くのであっても揺るがない覚悟です。そちらの方がより深く、強い力だと思うからです。

 御幣を振って吾身の幸運を望んでも、正に虚しいだけではありませんか。そんな事ではなく、現在の自分の状況に於いて抱いておくべき覚悟、その獲得をこそ切望して下さい。


 三千七百二十

 両親を介護している私の知り合いが言いました。

「今迄休みの日によく行った近場の都心の繁華街さえも、ずっと遠い所の様に思えます」

 気持ち、分かります。私も父の介護の時、その気持ちを感じました。本当に、何処(どこ)に何をしに行く事も出来ないですから。

 けれどその時、人は試されているのです。その次に来るその人の人生の展開に堪える事が出来るのか否かを。運命は其処(そこ)を視ているのです。そして堪えられないなら、その人の次の展開は永遠に来ないのです。その事を胸に覚えて、日々の戦いを続けて下さい。その戦い、決してあなた一人だけがしている事ではありません。


 三千七百二十一

 会社を定年退職したら、体力的にも精神的にもきつくない、そんなに豊かではないにしてもひっそりとなら生きて行ける平和で心穏やかな暮らしが待っているでしょうか。そんな事を本気で予想する事を愚かというのですね。人が生きているのです。会社に勤めなくなったから平和で何も深刻に悩む事が無くなるなどという事があり得ましょうや。既に定年を迎えて久しい人間から馬鹿扱いされますから、間違ってもそんな夢想は口にすべきではありません。

 却って覚悟しないといけないのです。来ます。自分が一生の間何をして来たのかを問う、決して已(や)む事の無い問い掛けが。自分の一生の真価を思い知る時が。


 ブログは毎日更新しています。

https://gaho.hatenadiary.com/

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