その八十一
三千二百五十一
強烈な寒波が北海道に来る度に、私は昔何度も北海道を襲った冷害を想起します。私が直接に経験した訳ではありませんが、作物の全滅は勿論の事、家族の命が危険に曝され、時として本当に一家で命を失う事になる事態です。恐ろしいものです。北海道の近代の歴史を読むと、私は心底から真面目になります。浮ついた希望が全部吹き払われる様で。
しかしその厳しい、厳し過ぎる自然の中で、昔の人は生きたのです。そして其処に喜びや笑顔を作り出したのです。厳しい自然と、常に眼前に困難を前に見ながら真直ぐに生きる人間と。北の国には、深刻なまでに真剣な人間のドラマが幾つもあったに違いありません。私はそういうものに、強く強く惹かれるのです。
三千二百五十二
立派な人間になれたらそれは良いでしょうが、中々そうは問屋が卸しません。だから必ずしも立派な人間にはならなくても可いでしょう。
しかし素直な人間にはなって下さい。此方も難しいですが、それでも此方は『ならなくても可い』訳ではありません。ならなければならないのです。その一番の理由は、自分の大切な幸福を失わない為です。
三千二百五十三
自分を愛してくれる人が居るのは本当に幸いな事ですね。それが得られない人がどれだけ多いでしょう。しかし自分が心から愛し尽くせる人がいる事の幸いに、それは及びません。多分、間違い無く。
前者は自分を孤独から救い上げます。しかし後者はそれのみならず、自分に使命をくれるからです。此処が両者の決定的な違いです。人には、この二つが必要なのです。
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