雨の止まない街!?③
「やったー! 私たちの勝ちーっ!!」
サリスは両手を高く掲げて歓声を上げた。
沢恩はあらかじめ四部屋を予約していた。
「今日は本当に色々ありすぎたよぉ……もうクタクタ……」
サリスは眠そうに目をこすりながら呟く。
「じゃあねー」
「おやすみ」
二人がそれぞれ部屋へ戻ろうとした、その時だった。
びしょ濡れになったササス・サスサが勢いよく飛び込んできた。
「わわわっ!? ササス・サスサお姉ちゃん、大丈夫!?」
サリスは驚きながら駆け寄る。
「ははっ! ちゃんと準備してたからね!」
ササス・サスサは得意げに、買ってきた薬を掲げてみせた。
「なんていうか……うーん」
サリスは何とも言えない表情になる。
「風邪を引いた時の薬を先に用意するくらいなら、そもそも雨に濡れない方法を考えればよかったんじゃない?」
「それが出来たら苦労しないよぉ。ほら、一時間経ったのに、雨は逆に強くなってるし」
ササス・サスサは困ったように肩をすくめた。
「確かに……何か魔力の影響を受けてる気がするな」
沢恩はそう推測する。
「あーっ! もういいや!」
ササス・サスサは大きなあくびをした。
「そういえば崢拓は?」
辺りを見回す。
「そうだ。今になっても、まだ返事が来てない」
沢恩もようやく思い出した。
その一言で、場の空気が一気に重くなる。
「……」
「……」
コツ、コツ……
四人は自然と身を寄せ合い、おそるおそる周囲を見回した。
「ただいまー!」
その瞬間。
崢拓が勢いよく扉を開けて入ってきた。
「ぎゃああああああああああっ!!」
ササス・サスサは絶叫したあと、すぐに真顔へ戻る。
「何なのもう! 本気でビックリしたじゃん!」
思い切り説教する。
「まぁまぁ。無事ならそれでいいじゃん」
サリスはいつもの調子で笑った。
そうして一同は安心し、それぞれ自分の部屋へ戻っていった。
◇
深夜。
◇
ギィィ……
扉がゆっくり開く音がした。
「きゃああっ!? な、何してるの!? 女の子の部屋に勝手に入ってきちゃダメでしょ!」
サリスは慌てて枕を抱きしめる。
「……」
沢恩は何も言わず、スマホのチャット画面を見せた。
『ちょっと来てくれる?』
沢恩は必死に笑いをこらえていた。
一方のサリスも、今にも吹き出しそうになっている。
「それで? こんな夜中に呼び出して何なの?」
沢恩が聞く。
サリスは胸元のペンダントをそっと握った。
「このネックレス……私たちを守ってくれた偉大な魔法使いが残したものなんだよね。でも、結局これが何なのか、まだ全然分からなくて」
「確かに……謎だらけだな」
沢恩も静かに頷く。
「きっと、このネックレスには何か秘密があるんだよ」




