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魔法×テクノロジー!?未来異世界コンチェルト(銃が普及した未来異世界。それでも魔法は廃れず、勇者は今日も魔王討伐へ向かう。)  作者: 紫沐時


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巨獣との決戦①

廃墟には、四人の駆ける足音が響いていた。


「おい、バイクあるなら乗ればいいだろ! なんで押して走ってるんだよ!」

沢恩が崢拓に叫ぶ。


「お前らを待ってるんだよ!」

崢拓は呆れたように返した。


「ゴゴゴゴ……」


魔法障壁の内側では、光がさらに強さを増していた。


「とにかく、今は離れるしかない……あのお姉さん、大丈夫かな……」

サリスは何度も振り返り、不安そうにつぶやく。


「知らないっ!」

沢恩は必死に走り続けた。



――魔法障壁の内部。


女魔法使いは静かに魔女帽子を脱ぎ、蒼い瞳で巨獣を見据えた。


「あなたが見たことのない魔物だったとしても……私は、勇者たちの新たな力を傷つけさせたりはしない。」


その声は穏やかで、それでいて揺るぎなかった。


彼女が手を掲げる。


掌から真紅の光が噴き上がると、空には炎でできた数羽の不死鳥が現れ、巨獣へ次々と斬撃を浴びせた。


しかし巨獣は、ただ前脚を軽く振るうだけ。


炎の斬撃はすべてぶつかり合い、火花となって散っていく。


土煙が舞い上がる。


攻撃を受け終えた巨獣は、その勢いのまま地面を叩きつけた。


「ドォンッ!」


衝撃波が廃ビルを粉砕し、魔法使いの足場は一瞬で崩れ落ちる。


「……っ!」


彼女の体が淡く光り、安全に地上へ転移した。


着地すると、そのまま掌を大地へ押し当てる。


「ガララララッ!」


地面が裂け、無数の鋭い岩槍が地下から突き出した。


巨獣へ向かって一斉に突き刺さる――だが、次々と砕け散り、石くれになるだけだった。


「グルル……」


煩わしそうに唸った巨獣は、何の前触れもなく巨大な爪を振るう。


「っ!?」


予想外の速度。


魔法使いは反応しきれず、そのまま地中二十メートルまで叩き落とされた。


同時に、戦場を覆っていた魔法障壁も消滅する。


「ぁ……!」


全身の擦り傷を押さえながら、彼女は歯を食いしばって立ち上がる。


転移魔法を使おうとするが――


限界まで酷使された身体は言うことを聞かず、その場へ再び崩れ落ちた。


「グオオオオオッ!!」


巨獣は地面を掘り返し、彼女の体を空高く跳ね上げる。


「……もう、これしかない!」


彼女は首に掛けていた二つの首飾りのうち、一つを外した。


それは、莫大な魔力の源であり、自らの命を支える魔導具。


首飾りを握り締め、落下速度を緩める魔法で巨獣の背へ降り立つ。


そして、その首飾りを力いっぱい巨獣へ押し付けた。


眩い光が爆発する。


幾重もの巨大な魔法の鎖が現れ、巨獣の全身を拘束した。


「これほどの代償を払っても……十六時間しか封じられないなんて……」


魔法使いは静かに俯いた。



「……かなりまずそうだね。」


沢恩とサリスは並んで腰を下ろし、不安そうに戦場を見つめていた。


四人の間に重い沈黙が流れる。


「……私、助けに行きたい。」


サリスが俯いたまま、小さく呟く。


「!」


「!」


「?」


三人の反応に、サリスは急に自信を失った。


その時、沢恩がそっと彼女の肩へ手を置く。


「あの魔法使いはさ、命懸けで俺たちを助けてくれたんだ。

その想いを無駄にしちゃダメだろ。」


「……うん。」



沢恩にとって、あれほどの魔獣と戦うのは初めてだった。


過去の戦いの記憶は失われている。


それでも、ときどき断片だけが勝手に脳裏へ浮かび上がる。


――昔。


彼は一番初級の魔法リングを銃身へ取り付けていた。


現れた魔法陣は、灰白色の、歪で不完全なもの。


その目の前に現れたのは、高さ五メートルほどもある、ゴリラのような凶暴な残暴獣だった。


――その先だけは、どうしても思い出せなかった。

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