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魔法×テクノロジー!?未来異世界コンチェルト(銃が普及した未来異世界。それでも魔法は廃れず、勇者は今日も魔王討伐へ向かう。)  作者: 紫沐時


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災厄現る、魔王の侵攻②

「ブゥゥゥン……」


バイクのエンジン音だ。


沢恩は二人を起こそうとしたが、時計を見るとまだ午前四時。二人はぐっすり眠っている。


「……放っておくか」


そう呟いた、その時だった。


「ブゥン! ブゥン! ブゥゥゥン!!」


エンジン音が急激に近づいてくる。


「……」


沢恩はテントの外へ出た。


「ガァァッ!」


一匹の猛攻獣が頭上を飛び越えたかと思うと、次の瞬間、一台のバイクがその体を思い切り跳ね飛ばした。


地面を転がった猛攻獣はすぐに立ち上がり、再びバイクを追い始める。


「……夢?」


沢恩は一度テントへ戻り、もう一度外へ出る。


「夢じゃなかった!」


ようやく現実だと理解した。


遠くでは黒煙がゆっくりと流れている。


「環境汚染、ひどそうだな……」


沢恩はリングを銃身へ装着した。


「air cannon, attack!」


引き金を押し込み続けると、銃口から絶え間なく気流が噴き出す。


その反動で、沢恩の身体は高速で前方へ滑り始めた。


「便利だなこれ……サリス、意外と頭いいじゃん。」



「くそっ!」


バイクを操る青年は歯を食いしばっていた。


背後では猛攻獣が徐々に距離を詰めてくる。


「……やるしかない!」


青年は急ハンドルを切り、思い切りブレーキを踏む。


慣性で車体が少し前へ滑り、足を地面につけて姿勢を保った。


猛攻獣は止まり切れず、そのまま二百メートルほど駆け抜けてしまう。


その隙に青年はバイクを反転させ、一気に引き返した。


「おい! どけぇ!」


進行方向には、茶色い服を着た、どこかやる気のなさそうな男が立っている。


(どうする……!?)


止まれば追いつかれる。


だが、この速度では曲がり切れない。


その男が何かを叫んだ。


次の瞬間。


紫色に輝く弾丸が青年の頬をかすめ、背後から獣の断末魔が響く。


「す、すげぇ……」


振り返ると、猛攻獣はすでに倒れていた。


「……あんた、何者だ?」


「占以沢恩。君は?」


「崢拓だ。……さっきの、何だったんだ?」


「魔法だけど? 見たことないの? ……あぁ、なるほど。」


「何がだよ。」


「君、無魔法地区の人なんだろ?」


「そうだけど。」


「ここへ来た目的は?」


「お前には関係ない!」


「怖っ。」


「ガアァァッ!」


「今の、お前が叫んだの?」


「違うわ! 占以なんとか恩!」


「……え?」


「……え?」


次の瞬間。


沢恩は本日二度目の"空を飛ぶ感覚"を味わうことになった。


崢拓が片手で沢恩を持ち上げ、そのままバイクへ放り乗せたのだ。


「お前、仕留めてなかったのか!?」


「こんなにしぶといと思わなかったんだよ!」


猛烈な風が二人の顔面を叩きつける。


「うわああああぁぁぁ!!」


沢恩の悲鳴が森へ響く。


「ガアァァァ!」


猛攻獣は疲れを知らないかのように追い続けてくる。


「カチッ。」


沢恩は引き金を引く。


しかし、何も起きない。


「しまった……弾切れだ。」


「…………」


「…………」


崢拓は何も言わず、アクセルをさらにひねった。


「……で、どうする?」


「猛攻獣が疲れて死ぬのを待つ?」


「どれくらいかかる?」


「三日?」


「その前に俺のバイクが死ぬ。」


一瞬だけ考えた崢拓は覚悟を決める。


壊れかけた高速道路を飛び出し、そのまま深い森へ突っ込んだ。


「ブゥゥゥン……」


立ち込める黒煙を引き連れながら、バイクは森の奥へと消えていった。

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