↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たち双子は世界を救わない。~自由気ままな異世界グルメスローライフ~  作者: 京野きょう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
54/56

第54話・POTION!異世界の定番に冷水かけんな!

 釜の中のミンミン草は光ったまま。

 それを無言で混ぜ続ける華蓮。

 しばらくすると。

 徐々に液体のようなものに形を変えていくのと同時に、光を失っていく──


 光が消えてからじっくり覗き込んでみる。

 釜に満タンに入れたはずのミンミン草は、釜の半量にいかないくらいの液体になっていた。


「……出来た、のか?」

「わ、分からないわ」

「この後、どーすりゃいいんだ?」

「そういうのは兄さんの方が詳しいでしょ?」

「詳しいったって……俺だって制作過程なんてよく知らねーよ?」

「私なんかもっと知らないわよ?」

「いや、そりゃそーかもしんねぇけど……。とりあえず小瓶に入れてみるか……少し買っといたよな?」

「十本セットのうち八本残ってる」

「二本どこやったんだよ」

「醤油を入れて一つはルーグさん達に。もう一つは念の為に営業用にカバンに入れてるわ」

「いつの間に……まぁ五本分くらいだろうしいいけどさ」


 華蓮のちゃっかりした話を聞きつつ、小瓶に漏斗を差しお玉ですくって流し込む。

 これ、もっと良い方法はないんか……?

 ぶっちゃけゲームとかだとさ!

 ポーションが瓶に入った状態で「成功!」みたいな感じで終わりだし、こんな地道な作業なんかはスルーするじゃん?

 現実だとこんなもんなのか……。


「この本数だからいいけど、地味に手間ね……」

「それなぁ……」

「もっと量を作るとなるとしんどそう……」

「途中で瓶を倒しそうだよな」

「やっぱりもう少し、錬金術の勉強した方が良さそうね……」

「だなぁ。近々、道具屋で聞いてみるか?」

「そうねぇ……っと、出来た!」

「おぉー……!」


 小瓶に入ったポーションらしきモノを改めて見ると、透明な液体で綺麗な薄緑色をしている。


 これぞポーションって色だ。

 ……うおおお!!

 テンション上がる!!!

 個人的には米が食えた時よりも上がってるかもしんねぇ!!!!


「すげぇ、すげぇ! マジでポーション出来ちまった!」

「確かに綺麗だけど、そんなに興奮すること……?」

「ばっか、おめー! ゲームと言えばポーション! ポーションと言えばファンタジー!」

「……何を言ってるのか全然分からない」

「……俺もちょっと分かんなくなってた」


 華蓮の冷ややかな目のおかげで、少し落ち着いた俺。

 てゆーか、強制終了させられた感。

 いいじゃんか、たまにはテンションぶち上がったって!!

 てゆーか、お前もテンション上げろよ!

 ポーションが出来たんだぞ!?


 華蓮にとってポーションが出来たことはそんな大事ではないらしい。

 まぁ、華蓮にしてみれば《異材精製(アナザーブレンド)》の方が感動するか……。

 でも……でもさー!!


 そんな俺を尻目に、華蓮がポーションを一つ手に取ってまじまじと眺めながらぽつりと呟く。


「ねぇ、これはどこで売るのがいいのかしら?」

「うーん、そうだなぁ……。ゲームだと道具屋とかで売ってるけど、ルーグさんかギルドで聞く方が確実だよな」

「ルーグさん達はあと二、三日は帰ってこれないし、ギルドの方がいいかも」

「隣町まで護衛つってたしな、それがいいかも」

「準備したら行く?」

「行きたいけど、正直まだ身体がしんどいんだけど……」

「ポーション飲む?」


 手にしたポーションを、ずいっと差し出す華蓮。

 試してみたいって顔に出てんぞ。


「いやこれスタミナポーションじゃねーしさ……」

「……そもそも回復薬(ヒールポーション)と活力薬(スタミナポーション)って、実際どう違うの?」

「え? それは、えーと」


 あれ? そう言われると俺も分からん。


「ゲームだと傷を負ったり、HPが減ったら回復薬。なんだよな」

「活力薬の方は?」

「スタミナ……を回復させる? レインさんも疲れには活力薬って言ってたよな」

「HPとスタミナは別物ってこと?」

「まぁそりゃゲームの話だしなぁ……レインさん帰ってきたら、その辺も聞いてみっか」

「そうね……どちらの方が売れやすいかとかもチェックしなきゃ」

「お、おう」

「じゃあ、少し休憩したらギルドに行ってみましょう!」

「お、おう……」


 俺のしんどさはスルーすることに決めたらしい。

 動けないほどではないからいいけどさ……。

読んで頂きありがとうございます!

応援して頂けると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。