表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たち双子は世界を救わない。~自由気ままな異世界グルメスローライフ~  作者: 京野きょう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/51

第46話・DISCOVERY!異世界でパーティ解雇されそうです!?

 改めて冷静になると……臭っ! マジで臭っ!

 鼻もげるって、これ。


 って、この匂いとルーグさん達のいたずらに意識がいってたけど……。

 華蓮がこの実を潰したんだよな、指で。


 そう、指で。


「か、華蓮……?」


 華蓮を見ると、潰したポーズのまま固まっていた。

 俺の呼び掛けにも答えず、意識を失っているかのようだ。


「ちょ……おいっ! 華蓮っ!」


 ──実は本当に毒があったんじゃ?


 そう思うくらい反応のない華蓮の両肩を、俺は慌てて揺さぶった。


「おい! 華蓮!」

「はっ」


 何度目かの揺さぶりに、ようやく反応した華蓮。

 よ、よ、よ、良かった……!


「え? なに?」

「何じゃねーよ、お前! 全然反応しねーから心配するだろっ!」


 皆が心配そうに見守る中、すっとぼけたことを言う華蓮。

 まぁ、無事ならいいんだけどさ……。

 あー、マジ焦った。


「ほら、指洗ってこいよ。ここは俺が拭いとくから」


 未だに指に付いた汁を眺める華蓮を促し、俺はキッチンへ向かう。


 すると突然、華蓮が親指をぺろりと舐めた。


「み゛っ!」


 顔をぐしゃりと歪める華蓮。

 当たり前だろーがあああ!


「おまっ、何してんだよっ!?」

「ど、毒じゃないが、この悪臭の中でそれを舐めるか……?」

「カレンさん……?」

「美味しい匂いもしてないのにー……!」

「カ、カレン…… 水飲むか?」


 ほら見ろ、皆もドン引いてるじゃねーか!

 あのレインさんですら狼狽えてるぞ!


「だ、大丈夫……」


 表情を歪ませたままの華蓮が、大丈夫のポーズを取る。

 全然大丈夫そうじゃねーって……。


 そして華蓮は、俺に汁が付いたままの人差し指を差し出した。

 そのまま更にとんでもないことを言い出す。


「兄さんも舐めて」

「はい?」


 ナニイッテルノカ、ボクゼンゼンワカンナイ。


「ほら、早く! 洗いたいんだから!」

「待て待て待て! お前な! 自分だけ嫌な思いするの嫌だからって俺にまでそんな……!」

「いいから!」


 な、何なんだよぉ……。

 俺が何したってんだ、ちくしょー。


 差し出された指を、恐る恐る舐める。

 匂いが近い近い臭い近い!!


 ぺろ。


「ギッ!!」


 俺も華蓮と同じく顔を歪ませ、叫びにならない声を上げる。


 苦い苦い渋い臭い苦い臭い渋い!

 臭い臭い渋い苦い……渋……?


「……ね、分かった?」


 華蓮が俺の顔をじっと見つめる。

 俺は華蓮の言わんとすることが理解でき、こくんと頷いた。


「……醤油……だよな?」

「そう……!」

「醤油……」

「そう、醤油よ、兄さん!」

「醤油……醤油……」

「しっかりして兄さん!」

「醤油!!?」


 そう、醤油!!

 この悪臭と味のどこかに、醤油を感じさせる何かがあった。

 いや、味も匂いも醤油とは似ても似つかないんだけどね。

 でもこう、なんかふわっと!


「うおおおおっ!!?」

「ねっ、ねっ!?」

「やったああああっ!?」


 俺達は手を取り合い、その場でピョンピョンと飛び跳ねる。


 本当は出汁と味噌も欲しいとこだけど!

 でも最初にゲット出来たのが醤油だなんて!

 諦めてたあれもそれもこれも!

 色々作れるし、食べられる!

 これが喜ばれずにいられるかあああ!!


 そんな俺達をポカーンと見つめるみんなから声が掛かる。


「ねーねー!ショーユってなにー?」

「多分……ソータさん達の故郷の何かでしょうか?」

「こんなもんを食材にしてんのか……?」

「やっぱり異世界人ってやばいんだな……」


 コラそこ聞こえてるぞ!

 まぁ今は何を言われても気にしないけど!


 ごほん、と咳払いをしルーグさんが口を開く。


「あー、盛り上がってるとこ悪いが……そろそろ説明しちゃくれねーか?」

「す、すんません、嬉しくてつい!」

「故郷の思い出のものなら仕方がないですよ。ですが……」

「まさかこれが食材だなんて言わねーよな……?」


 そのまさかなんです。


 とは言いにくい空気。

 まぁ、この悪臭放つ実を食うなんて信じられない気持ちは分かる。

 俺も珍味系のくさやとか苦手だし……。

 そもそも俺だって、この実をそのまま食材にする気なんて一切ない。

 そんな勇気もない。


「もちろんそのままじゃ使わないっすよ!」

「……ってことは、使うのには間違いないと」

「ええー……ボク美味しいのが食べたいー!」

「わ、わたくしも珍味は苦手でして……」

「やっぱりこいつらパーティ入れたの間違いなんじゃねーか、ルーグ」

「うーむ……」


 ああっ、信用がなくなりかけてるううう!?

読んで頂きありがとうございます!

応援して頂けると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ