第45話・REWARD!異世界の戦利品ゲットだぜ!
「ご馳走様ー!」
「いやー、美味かったな!」
「お腹いっぱいです……」
満足そうに椅子へもたれ掛かるフィンさん。
他の皆も食後のお茶を飲みながら、一息ついていた。
「さて……と」
ルーグさんが足元に置いていた大きな袋を持ち上げ、ドカっとテーブルの上へと置く。
「今回の戦利品を見てもらおうか」
「おぉっ!」
俺は思わず身を乗り出す。
冒険には行ってないけど、冒険の成果を見るのは初めてだ。
一体どんなものがっ!?
「まずは魔獣肉だな」
「おおっ」
「更に魔獣肉だ」
「おおっ……?」
「そして──魔獣肉だな」
「……あの」
テーブルの上に並んだものは、全て魔獣肉。
なんていうか、その、戦利品と呼ぶにはちょっと……ねぇ?
何かの思惑が働いたとしか思えないラインナップなんですが。
「これってその、皆で分ける戦利品……じゃないっすよね……?」
「すまんソータ、フィンとレインが調子に乗ってな……」
「あははー! レインなんか傷付けないように、氷魔法しか使わなかったよー!」
「いや、適正を考えたらそうなっただけで!」
「嘘はいけませんよ、レイン。この二匹は氷より炎の方が適正だったはずです」
「ちっ、うるせぇ……」
これはあれだな、シチューとかハンバーグとか、他の新メニューか何かか。
俺が料理して、皆の胃袋を満足させるとこまでが戦利品、ってことなんだよな?
いや、料理人だしやるけどさ!?
でも皆はそれで良いのかと、小一時間くらい問い詰めたい気持ちが沸いてくるぞ。
華蓮はブレずにキラキラした目で魔獣肉見てるし。
それでも俺は言わずにはいられなかった。
「あの……戦利品はこれだけっすか……?」
お、俺は悪くないぞ!
だって肉だけって!!
冒険の戦利品って、そういうもんじゃないはずじゃんっ!?
「も、もちろんあるぞ?」
「とは言っても、今回は討伐依頼だったので小さい魔石が一個ほどしか……」
「おおっ、魔石!?」
「こいつはギルドに売ってから分前にする」
「初めて見たけど、綺麗っすね」
魔石がどんな風に使われるのか分からんけど、いつかは使ったりしてみたいなー。
相当稼がなきゃ厳しいだろうけど……。
「今回は運良く一個だけ取れたんだ」
「魔石って全部の魔物から出るんじゃないんですね」
「ああ、魔石は全ての魔物が持つわけじゃない。上級魔物や希少種からしか採れないと言っても過言では無いんだ」
「へぇー」
そんな貴重なものを見れただけでも感動物なのに、華蓮は魔獣肉から目を離さない。
マジでブレねぇな、こいつ……。
「あとねー! これも持ってきたー!」
テーブルの上にコロンと出された木の実。
見た目は黒紫色で艶があって美味そう。
実の部分を持つと、今にも弾けそうなくらい柔らかい。
「なんか、ぶにぶにしてるっすね」
「……すぐ割れるから気を付けろ」
「うす。でもこれって木の実なんすか?」
「ああ。まぁ、市場には出回らないがな」
「へぇー……って毒じゃないっすよね!?」
「そんなもん持って帰るかよ」
「で、ですよね」
なんか……何とも言えない違和感がある。
必要以上に何も言わない皆。
華蓮が興味ありげに実をぷにぷにし続けていると──
ばちゅんっ!
実が弾け飛び、中から黒紫の液体が零れ出した。
な、なんだこの匂い!?
渋……っ!?
慌てて顔を背けるも、強烈な渋い香りが鼻を突く。
「あははー!」
「なんっ、なんすか!?」
「すまんすまん!」
笑うルーグさんとフィンさんをよそに、申し訳なさそうな顔でセラさんが口を開く。
「全く、ルーグとフィンは……お二人共すみません。……この実、美味しそうに見えるでしょう?」
「は、はぁ、まぁ……」
「見た目は美味そうだから、子供が一度は口にして泣く実って言われてんだ」
「なーるほど……?」
「匂いの通り、味も酷いぞ」
そう言って、ククッと笑うルーグさん。
俺が食べて悶えるのを待ってたってことか……。
……そういうことならばっ!
「お返しにルーグさんとフィンさんのステーキソースにはこいつ掛けてやりますからねっ!」
「なっ、なにい!?」
「えーん、やだやだ! ソータ、ごめんよー!」
「もう二度とせん! このとーり、悪かった!!」
二人は途端に慌てふためき、ごめんのポーズをする。
料理人を怒らすと怖いんだぞ!
と、身をもって実感してくれているようだし許すけど。
……それにしても、そんなにヤバい味なのか。
つーかそんなもん食わそうとすんなっ!
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