第44話・DAILY!異世界の新しい日常が始まりました
「ソータ! カレン! たっだいまー!」
元気よく玄関ドアを開けると同時に、フィンさんの大きな声が響いた。
その後ろから、ルーグさん達もぞろぞろと姿を見せる。
「みんな、おかえりなさい!」
「おう、ただいま!」
数日前、俺と華蓮は正式にルーグさん率いる「白い狼」に加わった。
とは言っても、俺達は冒険に出るわけじゃない。
いつかは行きたいけどね!
冒険前にはトマトソースを筆頭に、携帯食になりそうなものを渡した。
とは言え、ルーグさん達が冒険に出たのは加入した翌日。
十分な準備期間なんてあるはずもなく、追加で渡せたのはサンショの実やバジリカ草を粉末にした味変用の調味料のみ。
パーティに加入したからには、携帯食の勉強もしないとなぁ……。
「あと仕上げだけなんで座ってて下さい!」
「良い匂いです……」
冒険前にリクエストされてたハンバーグ。
今回は野菜と目玉焼きを挟んだハンバーガーにしてみた。
ソースはケチャップ。
……と言ってもトマトソースに甘味を足して、限りなくケチャップに近い「なんちゃってケチャップ」だけど。
いつかはテリヤキバーガー食いてぇ……。
さらに皮付きじゃがいもをくし切りにして油で揚げ、塩を振ってフライドポテトにした。
これでバーガーセットの完成!
コーラがあれば完璧なんだよなあああ!
「お待たせしました! ハンバーガープレートっす!」
「おっ、美味そうだな」
「いっただきまーす!」
美味いのは分かってる。
が、どうしても皆の反応が気になり、つい目で追ってしまう。
一応パーティの料理人として所属した以上、皆の健康管理は俺が気を付けないとだからな……!
というのは建前で……。
俺達が加入して初めての帰還後の食事。
別に審査されてる訳じゃないのに、やたら緊張する。
ケチャップも、野菜を挟むバーガーも新作みたいなもんた。
気に入ってもらえなかったらどーしよう……。
「野菜がたっぷりで嬉しいです……」
「トマトソース甘いー! おいしー!」
「パンに乗せるだけとは違うな!」
好評……かな?
レインさんは無言……でフライドポテト食い続けてる?
「レイン、おいも気に入ったのー?」
「……まぁまぁだ」
「あはは、そんなこと言ってもうないじゃんー!」
「レインさん、おかわりありますよ」
「……頼む」
「うす!」
良かったあああ!
心の底からホッとした俺はようやく食べ始めた。
うん、美味い!
華蓮は言わずもがな、黙々と食い続けている。
超笑顔で。
俺達がいた田舎は、ハンバーガーが食いたかったら一時間掛けて店にいかなきゃならなかった。
だから家で簡単なハンバーガーを作ることが多くて、今食べてるハンバーガーはそれに近い。
ある意味、思い出の味かもしれない。
家だとトッピング自由だしな!
……決して、店のハンバーガーが食えない負け惜しみじゃないよ?
「それにしても、冒険終わりに美味い飯が食えるなんて最高だな!」
「ご飯屋さんのも美味しいけど、ソータの方が美味しいよねー!」
「食堂だと落ち着いて食べられませんしね」
「ね、レインー!」
「まぁ……な」
ここまで褒められると、さすがにむず痒い。
つーか、恥ずい!
本心で言ってくれてるのは分かるから、めっちゃ嬉しいけどさ!
「次のご飯も楽しみー!」
「だな! 二人とも、これからも頼むな!」
「こちらこそよろしくお願いします。ね、兄さん」
「……おう!」
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