第43話・PARTY!異世界で仲間が出来ました
照れる俺をよそに華蓮は食べ続ける。
そんな華蓮の方を見て、ルーグさんが続ける。
「もちろんカレンもな。二人揃ってソータの料理なんだろ?」
「あ、ありがとうございまふ……」
お礼を言いつつも食べるのを止めない華蓮。
でもちょっと照れ隠しも入ってるな。
俺達二人のことを考えてくれるのはありがたい。
でも、なんで俺達にそこまで良くしてくれるのか分からない。
「あの、冒険に行ける料理人は他にもいますよね?」
「そりゃまあいるな」
「なら俺達よりも……」
「そうだなぁ……。一言で言っちまえば、ソータの料理に惚れたんだ、俺達は」
「!」
フォークに刺したハンバーグを持ち上げながら、わははと笑うルーグさん。
「そーだよー! いつでも食べたいー!」
「ええ、本当に……」
「レインだってねー! いつも無言か不味いなのに、トマトソースある時は良く食べるんだよー!」
「黙れ、フィン」
食べる手は止めないものの、ルーグさんに同調するメンバー。
否定しないってことは、多分レインさんも……。
「それに……」
一足先に食べ終わったルーグさんが、少しトーンを落として話し始める。
「今回のハンバーグを作ったのがソータだと知れ渡ったら、この先狙われるぞ」
「へぇっ!?」
思わず変な声が出てしまった。
「ね、狙われるって……?」
「まぁ俺達みたいにパーティの誘いだけならまだ良し。それこそどこかの貴族にでも、お抱えにならないかと打診されるんじゃないか?」
「う……確かに"されてもおかしくない”ってマスターに言われました」
「だろう? とりあえずどこかに所属しておけば断る名目としても、考える時間稼ぎにも使えるはずだ」
「な、なるほど……」
人に振る舞うのは好きだ。
けど親しくもない人のお抱え料理人になるのは、さすがの俺も嫌なんだよなぁ……。
「それにさー! 魔獣肉以外にも、料理に使えそうな収集品も持って帰れるよー!」
「私達がロマリー草を食べて以来、冒険のたびにこれは何かに使えないかと思ってしまうんですよね……」
「な、悪い話じゃないだろ?」
「確かに……」
でも冒険に出やしないのに、分け前をもらうのも気が引ける。
だってお世話になったルーグさん達になら、仲間にならなくてもいつでも料理を振る舞いたいと思うからだ。
正直、俺達にとってメリットばっかりな気がして言葉に詰まってしまう。
受けたい気もするけど、申し訳なさが強いんだよなぁ……。
華蓮を見ると、話を聞いてるのか聞いてないのか、構わず食べ続けていた。
あ、食べ終わった。
「ルーグさん。皆さんも、よろしくお願いします」
「お、おい、華蓮!?」
黙って食ってたくせに、いきなり即決するようなことか!?
せめて相談するとかあるだろ!
「どうせ兄さんは、『俺は料理しか出来ないのに』とか考えているんでしょ?」
「そりゃまぁ……」
「でも兄さんの料理の価値は、皆が認めているんじゃないかしら」
「いやでも……」
「それともなーに? お抱え料理人になりたいの?」
「ち、ちげぇよ!」
くっ……。
ハンバーグに夢中かと思ってたのに。
しっかり話は聞いてるし、俺の心も読むし。
ふと周りを見ると、俺達のやり取りを微笑ましく見てるルーグさん達。
「お前達がこの世界に来た時、初めて会ったのが俺で良かった。これからもよろしく頼むな」
そう言って、ルーグさんは俺に右手を差し出した。
華蓮を見ると、笑顔で頷かれ後押しをされる。
考え過ぎてもしゃーないか!
俺も右手を差し出し、その手を握った。
「……よろしくお願いします!」
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