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俺たち双子は世界を救わない。~自由気ままな異世界グルメスローライフ~  作者: 京野きょう


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42/51

第42話・SCOUT!異世界で再び勧誘されました

 あれから数日──


 ギルド食堂では、例の新メニューが予想以上の反響を呼んでいた。

 昼時ともなれば食堂は冒険者達で賑わい、厨房では料理人達が慌ただしく動き回る。


「ハンバーグ追加してくれ!」

「おい、こっちの持ち帰りまだか!?」

「今日も美味かったなー!」


 そんな威勢のいい声が食堂中に響き渡る。

 俺達はというと、その様子を少し離れた席で昼飯を食べながら眺めていた。


「すごいことになってるなー……」


 ほうけてる俺とは対照的に、華蓮はハンバーグを頬張りながら食堂の様子をちらりと見る。


「ハンバーグって美味しいもの、仕方ないわ……」

「美味いけど、他に感想ねぇのかよ……」


 新メニューに関しては、俺は基本の作り方やアレンジを一通り教えて役目を終えた。

 日替わりでソースや味付けを変えたのは、ギルド食堂に勤める料理人達のアイデアだ。


 今まであるようでなかったハンバーグは「肉肉しくもジューシーでとにかく美味い!」と口コミで広がり、おかげで連日大盛況。

 冒険者だけでなく、商人や街の人もこぞって食べに来てるらしい。


「これだけ大盛況だもの、報酬も期待出来るわね」

「それはホントそう!」

「おっ、ソータとカレンじゃねーか!」


 報酬の話で盛り上がっていると不意に声を掛けられ、そこにはルーグさんが立っていた。

 側にはパーティメンバーのフィンさん、セラさん、レインさんもいる。


「お久しぶりっす!」

「珍しいな、こんなとこで会うなんて。お前らもハンバーグ目当てか?」

「お前"ら"ってことはルーグさん達も……?」

「そうだよー! ボクたちは三回目なんだー!」

「えーと、俺達は視察というか華蓮に引っ張られて来たというか……」

「視察?」

「兄さんが考案したんです、ハンバーグ。正確には私達の世界の定番料理ですけど」


 最後の一口をごくんと飲み込んだ華蓮が言う。

 ルーグさんは呆気に取られた表情をしたのち、ぽつりと呟く。


「……やっぱりか」

「やっぱり?」

「前にソータが作ってくれた魔獣肉のシチューと同じ感動があったんだよ、俺達」

「そーそー! すっごく美味しそうな匂いしてたから食べたのー!」

「いつもはギルド食堂で食べることはないんですけどね……」


 そう言いながら、ルーグさん達は俺達のテーブルの空いている席へ腰を下ろし、手早く注文を済ませる。


「なぁソータ。新しい魔獣肉が手に入ったんだが、また頼まれてくれないか?」

「もちろんいっすよ!」

「やったー! 次はどんなのだろー?」

「わたくしはもう一度シチューを食べたいです……!」

「確かに食べたいー!」

「ハーイお待たせしました、ハンバーグ五人前ですっ!」


 ご? ルーグさんのパーティは四人じゃ……。

 そう思って見渡すと、華蓮の前にも置かれるハンバーグ。

 ちゃっかりしてんな、こいつ……。


 そして俺を除く五人は、早速ハンバーグを食べ始める。

 俺はもう食い終わってるし、そろそろ帰ろうかと思ってたのに……。

 そう思っていると、華蓮が口を開いた。

 ルーグさんの奢りなんだな、そのハンバーグは……。


「それでルーグさん、お話とは?」

「ああ、そうだった。前にも言ったが……俺達のパーティに入らねぇか?」

「へ? いやでも……」

「冒険には付いて来なくてもいい……簡単に言えば料理人として入らないか?」

「えーと、どういう……?」


 以前も同じように誘われたことがあった。

 当時は冒険に割く時間がなくて断ったんだけど……。


「冒険には行かずとも、携帯食や街にいる間の食事、戦利品を料理してくれればいい。もちろん分け前は少し減るがな」

「……それってルーグさん達にメリットあるんすか?」

「ソータのご飯食べれるのは大きなメリットだよー!?」


 フィンさん達も揃ってうんうんと頷く。


 て、照れるんですけどー!

読んで頂きありがとうございます!

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来週より毎週土曜日の更新に変更します。

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