表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たち双子は世界を救わない。~自由気ままな異世界グルメスローライフ~  作者: 京野きょう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
38/40

第38話・MISSION!異世界の食堂を改革せよ!

「……ところで、お前の料理の腕を見込んで一つ頼みがあるんだが」

「俺を見込んで……!?」


 おいおい、まいったなぁ。

 華蓮じゃなく、俺を見込んでだって?

 なんだよもー、初めから言ってくれよ!

 怒られるだけだと思って無駄にビクビクしてたわ!


「俺に出来ることならいくらでも!」

「おっ、さすがはソータだな」


 俺が拳を作って胸を叩くと、マスターはニカっと笑いながら腕を組んだ。


「それで何すればいーんすか?」

「ああ、実はな。冒険者ギルドの食堂のことなんだが──」


 冒険者ギルドの食堂。

 存在は知ってたけど、冒険者じゃない俺達は使ったことはなかった。

 つーか強面の人が多すぎて、そこで飯食うの怖かったんだよね。


「トマトソースがあっという間に広がっただろ?」

「ええ、まあ、はい、すんません」


 悪くないのについ謝っちまう小心者の俺。


「ギルド食堂でもいわゆる流行りっていうのか? そういうモンが欲しくてな」

「はぁ……」

「冒険に行く前、帰還した後。ギルド食堂で食うやつが多いんだが……」

「トマトソースが広まったから、利用者が減ったということですか?」


 静観していた華蓮が口を開いた。

 その問いに大きく頷くマスター。


「まぁ昨日の今日で早計かとは思うんだがな……」


 そしてチラリと副マスターを見る。

 ということは、言い出したのは副マスターってことか?


「午前中に様々な店を見て回りましたが、どこもトマトソースを使った料理を提供していました。ですが、そのほとんどがパンや肉にかける程度の使い方です」

「まぁそれが無難な組み合わせっすからね」

「どの店も今後トマトソースを使った独自の料理を増やしていくでしょう」

「あくまでソースだから、それをどう使うかは料理人次第っすけどね」

「ええ。ですから冒険者ギルドとしては、いち早くトマトソースを使った独自の料理を編み出したいのです」


 書類を見ながら眼鏡をくいっと上げる副マスター。


「なるほど……?」

「そこでだ」


 ギルドマスターはニヤリと笑った。


「今度はうちの食堂にも力を貸してくれねぇか?」

「トマトソースを使ったレシピを考えろってことっすか?」

「その通りだ。もちろん報酬は払う」

「もちろん良い──」

「待って、兄さん」


 快諾しようとした瞬間、華蓮に口を抑えられた。

 なんだなんだ、今度は何企んでるんだよ。


「内容は分かりましたけど……掲示板の依頼とは異なりますよね?」

「ああ。掲示板は依頼人は様々だが、この件に関してはギルドマスターからの依頼と思ってくれ」

「……となると、冒険者ランクには関係ない依頼ということですか?」

「ああ、そうなるな」

「そうですか……」


 なるほど、華蓮の考えが読めた。

 掲示板の依頼に関しては、未だに薬草採取しかしたことがない俺達。

 初心者用依頼だから、ランクだって全然上がっていない。

 だからこれを依頼掲示板と同等にしてくれって言いたいんだな。


 よーし、それなら兄として一肌脱ぐか!


「ぼ、冒険者ランクが上がると、俺のやる気も上がるなぁ!」


 棒読みすぎた。

 噛むより恥ずかしいわ、これ。


「なるほどな」


 意図を察してくれたのか、くくっと笑うマスター。


「そうだな、成功した暁にはランクを上げる……ってのはどうだ? もちろん金も払う」

「ありがとうございます、頑張ります。兄さんが」

「うん、まぁ、頑張るけどな」


 そこは「二人で頑張ります」で良かったんじゃないですかね。


「どんな料理かは、俺に任せてもらっていいすっか?」

「ああ。それともう一つ条件として、魔獣肉を使ってくれ」

「はい?」

「冒険者ギルドは買い取りもしてるからな」

「いや、そーじゃなくて。魔獣肉ってそこそこ高級で、尚且つ扱いにくいやつですよね」

「お、なんだ、知ってるのか?」

「いや、まぁ……」


 魔獣肉は美味かったけど、臭み消しとか大変なんだよな……。

 ヨーグルトはさすがにないだろうし……。


「いやてか、後出しずるいっすよ!!」

「お前、最初に『出来ることなら何でも』って言ってただろ」

「……ぐっ!」

「兄さん、頑張って!」


 ちょ、調子乗るんじゃなかったああああ!

読んで頂きありがとうございます!

応援して頂けると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ