表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たち双子は、世界を救わない。 ~料理人と錬金術師の異世界スローライフ~  作者: 京野きょう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/33

第26話・BUSINESS!異世界の商人と攻防戦?

「いやはや、驚きました……!」


 マードさんは興奮した様子で身を乗り出す。


「ヤードから話は聞いていましたが、まさかここまでとは……!」

「話……?」


 思わず聞き返すと、マードさんは「ああ」と頷いた。


「最近、不思議な兄妹に住宅を斡旋したと。異世界の話など大変興味深く……」

「その節はヤードさんにお世話になりました」

「いやいやいや、弟も仕事ですから。それよりも!」

「はい??」


 挨拶合戦もそこそこに、声を大きくするマードさん。


「このトマトソース! 実に見事な……味もさることながら、パン……いやいやいや、仰る通り何にでも合いそうですな」

「そっすね! 鶏肉なんかもすげー美味いっすよ!」

「おお、それは……! こちら、譲っていただけないでしょうか? 是非試してみたい」

「いいっすよ──ん?」


 快諾しようとしたら、華蓮から肩を捕まれストップが掛かる。

 あ、これ俺は黙ってろってことな。


「お気に召していただけて嬉しいです。……ですが、こちらまだ価格が決まってないのです」


 あれ? 確かルーグさんには銀貨3枚だったような。


「ふうむ、なるほどなるほど……」

「調理法は企業秘密ですが、メイン食材はトマトです。ですが手間の掛かる製法でして」

「安価なトマトをここまで……調味料にもさぞ秘密がありそうですな」

「うふふ……」

「ほほ……」


 バチってる。

 俺でも分かる、商人同士の戦い。

 トマト一山が銀貨5くらいで、二~三瓶出来るから……ん? どうなるんだ?

 えーい、めんどくせぇ!!


「マードさんはいくらなら買ってくれるんすか?」

「兄さん……」

「おやおやおや……せっかくカレンさんが交渉してらしたのに」

「いやまぁ、そーなんすけど。でも華蓮も、ヤードさんの兄貴に吹っかけるつもりなんかないだろ?」

「それはまぁ……ね」


 高く売りたいって気持ちもあるにはある。

 でも華蓮はそこまでがめついわけでもないし、世話になった人を無下にする奴でもない。


「マードさんも値踏みする感じは出してたけど、本気じゃなさそうだったし……」

「いやいやいや……ソータさんも本質を突ける方なんですな」

「人を見る目はあるほうっす!」

「いやいやいや、お見逸れしました。すみません、私も商売人としての癖がつい……」


 マードさんの表情が一気に優しくなった。

 やっぱりヤードさんとすげー似てるな……。


「もう、兄さんたら」

「ごめんて。でも先輩商人と仲良くなっといて損はねーだろ?」

「まぁ……」

「つーかお前、交渉が楽しくなってきてんだろ」

「何のことかしら?」


 そっぽ向いて口笛を吹く。

 うわ出た、吹けないのに口笛吹くマネ。

 誤魔化せてねーんだよ……。


「マードさん、失礼しました。……でも価格が決まってないのは本当なんです」

「なるほどなるほど……私ならば、という観点で良ければアドバイス差し上げましょうか?」

「え……良いんですか……!?」

「ええ、これも何かのご縁です。アドバイス料を払えとは言いませんので」


 さすがに悪い気がする。

 むしろヤードさんには俺たちが世話になってたし、その上マードさんにまで……。


 そーだ!


 視線を向けると、華蓮が小さく頷く。

 同じ考えみたいだな!


「マードさん、これから時間あります?」

「ええ、店に戻るだけですが」

「でしたらうちへ来てください!」

「構いませんが……ここでも大丈夫ですよ?」

「俺の飯、ご馳走させてください! アドバイスはその後にでも。な、華蓮!」

「ええ、マードさんが良ければぜひ」

「いやいやいや、是非ともお邪魔させていただきます」


 俺たちはテーブルから立ち上がり、自宅へと向かう。

 すると華蓮はふと足を止め、進路を変えた。


「兄さん、私はヤードさんを迎えに行ってくるわね」

「分かった、準備しとく!」

「よろしく」

「いやいやいや、弟までよろしいのですか?」

「もちろんっすよ! さ、行きましょー!」


 昨日のビーフシチューもまだ残ってる。

 あとはトマトソースに合いそうなものをいくつか作って……。

 その出来次第で、もらえるアドバイスも変わってきそうだ。


 トマトソースの良さ、思いっきり見せてやる!

読んで頂きありがとうございます!

応援して頂けると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ