『2年生勉強会編』 『動揺』 3
「・・・どうしたのかしら?」
ひとりで遠くまで去っていくテーセラの後ろ姿を不思議そうな目で追いかけるサティス。
「サティス? テーセラは居たの?」
そんなサティスを追いかけるように『図書館』から出てきたのはファセール。
「ファセール。 えぇ、居たわ。 居たのだけれど、なんだか調子悪そうに帰ってしまったわ」
ファセールに振り返って心配そうな顔をするサティス。
「そうだったんだ。 『体育祭』で頑張ってたし疲れが取れてないのかもしれないね?」
「・・・それなら、良いのだけど」
「一応フロロースに教えに行こうか」
「そうね。 そうしましょう!」
サティスとファセールの2人が『図書館』に戻ると、フロロースは真剣な顔で参考書に向き合っていた。
フロロースの前にはセミージャが座って嬉しそうに色々と教え込んでいた。
セミージャの隣ではレティセンシアが静かに参考書と向き合っている。
たまにフロロースがセミージャに聞かれたことに考えを巡らせてから正解を答えると、頭を撫でられて嬉しそうにしていた。
頭を撫でるセミージャも柔らかい笑みを浮かべていて、その良い雰囲気に割り込んでまでテーセラの事を伝えるのに、少しのためらいを感じたサティスとファセールは、後で伝えることにして席に戻った。
「テーセラは帰ったのか?」
戻ってきたサティスとファセールを見ていたフェリスは、テーセラが隣に居ない事に気付いていた。
「えぇ、なんだか調子が悪そうだったわ」
答えながらフェリスの隣に腰を降ろすサティス。
「『体育祭』での疲れが残ってるんだろうから休みたいんだろうし、追いかけなかったよ」
サティスの前の席に座るファセールがそう付け足す。
「そうだったのか。 少し心配だな」
フェリスはそう答えてすぐに参考書に視線を戻した。
右手に握ったペンで雑紙に色々と書き込むのも再開させていた。
「サティス? どうかしたの?」
ファセールも参考書を開いたが、座ってから動かなくなってしまったサティスに気付いて問いかけた。
「・・・気のせいならいいのだけれど。 さっき、テーセラが誰かと話していたような気がしたのよ」
その言葉にフェリスが手を止める。
「そうなのか?」
「えぇ。 話しかける直前までテーセラの後ろに誰かが居た気がしたわ。 だけど、テーセラに声をかけたら最初から誰も居なかったみたいに消えてしまったのよ。 私の見間違いかもしれないけれど」
「・・・サティスが見間違うなんてことあるか?」
「う~ん。 サティスに限ってそんなことあるとは思えないけど」
「それと、テーセラに話しかけたら、彼、ふらついたのよ。 疲れて力が抜けたのなら良いけれど、もし誰かに何かをされていたのだったら」
「・・・心配だな。 明日話でも聞いてみるか」
フェリスがそう提案するとファセールが頷く。
「そうだね。 サティスも心配だからそれを話したんだよね?」
サティスは頷く。
「えぇ。 様子が変だった気がしたのよ。 どうしても疲れだけとは思えなくて。 ・・・やっぱり追いかけたら良かったかしら」
「今からだともう遅いし明日にしよう。 なに、テーセラの事だ、なんともないさ」
「・・・そうよね! 明日、話を聞いてみるわ!」




