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努力畢生~人生に満足するため努力し、2人で『無敵』に至る~  作者: たちねこ
第四部 青年期 『2年生編』
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『体育祭2年生編』 『打ち上げ』

 リレーが終わり、結果発表も終え、片付けまで終わる頃には日が落ちていた。


 『剣術実験場』。


 そこでは、打ち上げと称して『東』の生徒達が集まり飲食をしていた。


 「負けたわ!」


 ダンッと音を立てて葡萄酒が入っていたコップをテーブルに置くサティス。

 その顔は少しだけ不満そうである。


 「もう、危ないよサティス。 リレーは勝てたんだよ?」


 敗北の悔しさから少し荒れているサティスを嗜めるファセール。

 しかし、サティスは顔を伏せる。


 「リレーで勝ったのは嬉しいわよ? でも、せっかく皆で頑張ったんだから勝ちたかったわ」


 「それは、ボクもだけど」


 「それはそうだ。 俺だって悔しいよ」


 サティスの隣に座っているフェリスも葡萄酒を飲む。


 「私達も」

 「全然」


 「「だめだったぁ」」


 ファセールの隣で並んでぐったりするアミとミーゴ。


 他のテーブルも、なんとなく悔しそうな雰囲気である。


 と、フェリス達から少しはなれた位置に居るテーセラが、隣のフロロースに声をかけた。


 「すみません。 リレーで勝てませんでした」


 その言葉を受けたフロロースは首をかしげる。


 「謝るのなんで? 私、楽しかったよ?」


 「え?」


 「だって、みんなと一緒だった! みんなで頑張ったのはじめて!」


 立ち上がって両手を広げるフロロース。


 「嫌なこと言われない! みんな笑顔! 負けちゃったけど、それでも、楽しかった!」


 笑顔のままで、くるくる回る。

 その様子に視線が集まる。


 「私、嬉しい! 友達たくさん! 楽しい一緒!」


 回転を止めて全員に聞こえるように言う。


 「ありがとう! また、一緒にやろう!」


 小さなフロロースの、嘘偽り無い純粋な言葉に全員の表情が緩む。

 

 変えようの無い事実として結果は敗けだった。

 あと少し、届かなかった。


 だが、楽しかったのも事実なのだ。


 皆でひとつになって、ひとつの目標に向かって頑張った。

 それが、すごく楽しかったのだ。


 フロロースの言葉でそれに気付いた者達が1人ずつ声を出していく。


 「あぁ、そうだ。 楽しかったよな!」

 「えぇ、楽しかった!」


 「あれすごかったよな! シオン相手に立ち向かったテーセラ!」


 「あなたも助けてくれてありがとう!」

 「それを言うならこっちだって!」


 「あそこであぁできてれば!」

 「でも、あれは良かったよな!」


 少しずつ雰囲気が明るくなっていく。

 その雰囲気を見たクラボが立ち上がり、全員に声をかけた。


 「あぁ、楽しかった! 私は今年、皆と共に戦うことができた事を誇りに思う! そして、今年の『体育祭』は一生忘れない、良き思い出となった! 心から感謝する!」


 それが最後の一押しとなり、活気が戻り、楽しい打ち上げの雰囲気へと様変わりした。


 サティスもその様子を見て表情が和らぐ。


 「・・・ふふっ。 そうね。 楽しかったわよね」


 隣のフェリスは頷く。


 「あぁ。 楽しかったよ。 リレーで勝てたのは本当に嬉しかったし」


 「あれ、本当に胸が熱くなったよ」


 ファセールがフェリスの言葉に賛同する。


 「そうよね! 去年すっごく悔しかったから嬉しかったわ!」


 サティスが笑顔で握りこぶしを作った後、その拳をゆっくり下ろす。

 サティスは微笑んだまま隣のフェリスを見て首をかしげる。


 「今年は、フェリスの期待に応えられたかしら?」


 その問いにフェリスは微笑みを返す。


 「もちろんだよ。 今回だけじゃなく、サティスはいつも応えてくれてるよ。 むしろ、俺がサティスの期待に応えられているのかが心配なくらいだ」


 「なに言ってるのよ! フェリスだっていつも応えてくれてるわよ! 応えすぎなくらいだわ!」


 「ははっ! なんだよそれ!」


 サティスの返事にフェリスは笑う。

 そんな2人の様子を嬉しそうに見つめるファセール。


 その後も打ち上げは楽しい雰囲気の中で進んでいったのだった。

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