決意の物語2
1時間目 理科
今日の理科は久しぶりに理科室での授業だ。何をするのかは分からないが、どうやら教卓の上にはビーカーとマッチがおいてあるようだ。
「何か燃やすのかな?」
「じゃあ、俺はお前を燃やしてやる」
「そんなことしたら、火事だぞ」
などなど理科室内は楽しみにしていた生徒が複数いるようだ。そして、しぐれは安定のおねんねタイムである。
「はいはい、静かに静かに!あんまり騒ぐようだったら実験止めるからね!そしてしぐれ君!あなた何やってるの!起きなさい!」
理科室では静かにというのがこの学校のルールではあるが皆あまりの好奇心のためこのルールは破られがちだ。
しぐれに関してはルールを守ってはいるが態度がなぁ…。そんなこんなで実験を始める際はだいたい理科の先生に怒られて始まる。
「今日は前の授業でやった気体の性質を掴むために実験をやります。はぁい、ところでしぐれ君空気中で一番多い気体って何かな?」
「Zzz…ッハ!?今この我に対しなんか質問があった気がするぞ!いや、気のせいか。よし寝よう!」
「しぐれ!質問に答えなさい!」
「ヒッ!?おぉ、理科の女神よ怒りをおさめたまえ…。よし、ここからは真面目に答えましょう。えぇと空気中で一番多い気体?……空気と言えば酸素。酸素と言えばO₂。とはいえ、O₂は二番目だった気がするから、一番少ないのは酸素原子O。次がO₂。最後がO₃でオゾン。つまり一番多いのはオゾンだ!」
すると他の生徒が
「先生!オゾンってなんですか?」
すると先生は大きなため息をついて、
「しぐれ君にする質問じゃなかったかもね…えぇとオゾンっていうのはね………」
とオゾンについての説明を仕方なくやっていたようだった。で、説明の後
「しぐれ君のせいで実験の時間が少なくなったじゃない。えぇい!もうこうなったら、物凄く簡単な説明しかしないから、皆よく聞いて実験をやってください!」
実験の内容は酸素の割合が多いビーカーと二酸化炭素の割合が多いビーカーがあり、その中に火をつけたマッチをつけたらどうなるかというものだ。
驚くべき事に本来なら寝ている筈のしぐれが珍しく起きており、
「今から面白いものを見せてやろう。」
と言いながらマッチを三本取り出し、それぞれに火をつけていくではないか!
「総員退避ッ!」
しぐれは班の皆を離れさせ酸素の多いビーカーにマッチ全てを入れ込んだ。当然先生も青筋を浮かべながら来るわけだが時すでに遅し。
凄い爆発音と共にビーカーはひびだらけになってしまった。
「この馬鹿!なにをやってるの!?これで皆が怪我したら、どう責任とるつもりだったの!?しぐれ!」
しぐれの度を過ぎだ行動に流石の先生も大激怒。そんな中しぐれは
「まぁ、責任は取りきらんから、先に皆を逃がした訳だ。あとは、先生の簡潔な説明の中にこの危険性を示すようなことはなかった。だから、これを我が身を以て実行したまでよ。」
そんな言い訳が通用するわけもなく、しぐれは先生に外に連れ出され、説教の時間だ。
そんな中代わりの理科の先生に来てもらい、無事にしぐれを除いたクラスメイト全員は実験を終えることができた。とはいえ、火をつけたマッチを酸素のビーカーに入れた時はどの班もしぐれまでとはいかないが少なからず爆発音はしていた気がする。
なら、強ちしぐれのやっていたことは実験としてはあっていたのだろうか。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
しぐれはムスッとしながら、教室に帰って来た。
そんなしぐれを見て俺はしぐれに話し掛けた。
「全く馬鹿だなお前。いくら奇想天外なことをしているとはいえ、あれはやり過ぎだって考えてみれば分かることだろ?」
「…………うるせぇ。オメェ人を労る気持ちはねぇのか?」
「お前あれで被害者面すんのかよ…。あれは先生が正しかったろ。」
「ハッ!オメェと話してても埒があかねぇ!次の時間なんだ?」
「えっと…外国語みたいだぞ。」
そう言うと俺達二人は外国語の準備に取り掛かり始めた。




