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第八層 episode.8

失踪したと思ったな??あれは嘘だ。まだ描きます。今まで様々な小説を中途半端に投げてきましたがこれだけは描き切ります。

「何処に行った!?」


「見つけ次第殺せ!一緒にいた金髪のガキもだ!」


 そして今に至る。周りでは自分らを探し出して排除するために軍人が走り回っている。

 なぜこのような状況なのか自分もよくわかっていない

 取り敢えず基地のプレハブと外壁の間に隠れてやり過ごしているが、ここが見つかるのは時間の問題だ。


「どうして…こんなことに…」


「…わからない。でも取り敢えずここを抜けて上層に行く目的は変わらない。そして上に行くには何個か選択肢がある。一つ目、このまま隠れながら無理やり上層に向かう。二つ目、なんとかここの人たちを説得して上に行かせてもらう。三つ目、サヤカを見つけてみんなからの攻撃をやめさせる。ぶっちゃけ選択肢は一つしかない」


「…無理やりですか」


 彼女の言葉に頷く。急に攻撃してきた以上、説得や和解は不可能だと言える。攻撃してくる理由も分からないのに和解など出来るはずもない。とすれば選択肢は一つ。無理やり上層へのエレベーターに突入するしかない。


「無茶はしないと私と約束しませんでしたか?」


「…無茶するなというのが無茶な時もある」


「また屁理屈を…」


「そろそろ行こう」


「流石にそれは無理があるんじゃないか?」


「それはわかって…ん?」


 エルの声じゃない。男の声だ。どうしてだろうか、自分の声に似ているような気がする。


「やあ。君たち困っていそうだな。俺が助けてやろうか」


 そこにはフードを被って顔のよく見えない男が立っていた。

 いつだ?いつから立っていた?気配を一切感じなかった。敵か?

 俺はすぐにエルを後ろに回して拳銃をフード男に向ける。


「待て待て待て。俺は敵じゃないよ。味方だ」


「…信用できるか」


「ったくしょうがない…こんなもんだったかなぁ。まあいいや、取り敢えず着いてこい。安全な所…というか上に連れてってやる。助かりたいなら着いてこい」


「この方…なんだか…悪い人ではないような気がします」


「そう!そこの金髪の嬢ちゃんの言う通りだ。俺は悪いやつじゃない。むしろお前の1番の理解者とも言える。さ、行こう」


「…エルがそう言うなら信じる」


 拳銃を下ろして彼に着いて行くことにした。

 彼はスルスルとプレハブや倉庫の裏、テント群などをスルスルと進んでいく。

 敵を見つけると即座に拳銃の銃床で殴って気絶させる、そして隠すを繰り返して先へ進んでいく。


「何者なんだ…?どうして味方してくれるんだ…」


「今は彼に頼るしかありません。なんとしてでもここを抜け出さないといずれ見つかってしまいます」


「そうだが…」


 どうも納得がいかない。

 エルはフード男に何を感じているんだろうか。胡散臭い男にしか見えない。何が一番の理解者だ、適当を抜かして…。

 それからなんと基地を抜け、だいぶ遠くまで離れてきた。時々数人の兵士を見かけるが、斥候だろうか?それにしては


「着いたぞ。ここからなら上に行ける。あ、エレベーターは無理だからな。ここから先に俺たちの基地がある。おっと、その基地はあそこの兵士達じゃないぞ。あいつらは正規兵だ」


「正規兵じゃなかったらお前はなんなんだ?」


「俺か?俺は…まあ浮浪者みたいなもんだ」


「浮浪者…?」


「まあ所属はある。といっても形骸化してるがな」


「その組織の基地がここから先にあるのか?」


「そういうことだ。話のわかるやつだなやっぱり」


「さっきから知ったような口を聞くが俺のこと知ってるのか?」


「ん?んー…まあ知ってるな。人類の希望を託された哀れなクソガキってことも知ってるぞ。まったく、ヒューマノイドも一緒に行ったってのに手柄は全部お前にいっちまったんだからひでぇ話だよな。何が『人類は勝った』だよ。ヒューマノイドが救ったようなもんなのにな」


「…何処まで知ってる?」


「ん?まあ…なんだ。取り敢えず知ってるってだけだ」


 彼はまるで俺の全てを知っているかのように話す。なぜ知っている?彼は一体何者だ?様々な考えが頭の中でぐるぐると廻るがどれも完結しない空虚な妄想ばかりだ。


「よし、着いた。おい開けろ俺だ」


 彼は乱暴に廃れた家のボロボロの扉を叩く。

 ここは栄えてるエレベーター付近とは打って変わってとても静かな住宅街だったらしい。周りには見慣れた家達が並んでいる。


「合言葉は?」


「…合言葉なんて決めてないだろ」


「さっき決まった」


「テメェふざけんなよ!蹴りあけるぞコラ!」


「わかったわかった。冗談の通じねーヤツだな…」


 扉から低い男の声がした。

 扉がキィ…と音を立てて開く。中からは筋骨隆々な肌の黒い男が出てきた。

 彼は一瞬こちらを見るとため息をついた。


「また拾ってきたのか…」


「保護と言えよ。失礼だろ」


「お前はいつもこうだ…いや、待て。そのガキは…」


「おっとまだ言ってないから内緒だ。まあそういうことだ。時が来たら俺から言うから他のやつには言わないように言っといてくれ」


「なんでまた…さっさと言っちまえよ、ノクス」


「ダメだ。俺はこいつとは違うからな。コイツに俺は全部託した」


「…そうかよ。まあいい、とにかくよく来たなガキども!。ここは孤児やら奴隷やら脱走ヒューマノイドやらを集めて保護もどきをやっている傭兵集団「シャードリンク」だ!歓迎するぜ!」





高校生から書いていた小説を社会人になっても描き続けてるのはなんだか感慨深いですね。

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