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第八層 episode.7

お待たせいたしました!!

episode.59

これが私が君と初めてから出会ってからの思い出の一つかな。もっと詳しく聞きたいかしら?」


「……いや、全部思い出した。マサキ、ツムギ、ユカリ」


「……思い出したみたいね。ごめん、でも思い出してもらわないと困る事だったの」


「…大丈夫。忘れてる方がみんなに悪いから。思い出せて良かった」


 彼女に関する消えていた記憶が全部蘇った。それと同時に自分が軍にいた時の記憶はほとんど蘇った。ただ、自分が自爆してからの記憶が曖昧だ。あの自爆でよく助かったものだ。


「……人型と戦った時、自爆したと思うんだけど」


「あぁ、それね。脳みそだけ新しい身体に入れ替えたの。元の身体はもうダメになっちゃってたからねぇ…おまけに改良された身体だったからパワーアップもしてるから安心して良いわよ!。大丈夫!ちゃんとあんたの細胞から作り直した身体だから拒絶反応も一切なかったし…」


 どこか気まずそうに早口で捲し立てる彼女。酷く呆れた視線を向けると彼女は口笛を吹きながら目を逸らす。なんだかソワソワして来た。自分の体はすでに吹っ飛んでいて、別の身体になっていると……。死を覚悟でやった攻撃のせいでこうなっているのだが、やっぱり少し落ち着かない。


「……恐ろしいことをするなぁ。ちなみに自爆機能はこの身体にも……?」


「…えぇ、付けてるわ。今度のはアンタの脳みそも粉微塵に吹っ飛ぶくらいの強力な奴をね。流石に死者を…まあまだギリギリ生きてたけど。非人道的なことを私はしてしまった。だからお詫び…って言っちゃうと変に聞こえるかもしれないけれど…」


「次はちゃんと死ねるってことだな」


「……うん」


「ありがとう。まあ死ぬつもりはない。せっかく生き延びたわけだし。最後の手段として使わせてもらう」


「えぇ、当たり前よ。そんなに簡単に使わないでちょうだい」


「…わかった」

 

「……んじゃ、私はアンタが上層に戻るための手配してくるからここで待ってて。後隣の子…エルちゃんだっけ?その子の避難民の申請しとくわ。すぐまた戻ってくるから」


「何から何までありがとう。本当に助かる」


 背を向けてドアから出る彼女に礼を言う。リュウと一言言葉を交わした後、彼女はへらっと笑って手を振りながら出ていった。


「……良い人ですね」


「うん、良いやつだよ」


 ようやく長い旅が終わる。この先どうなるかは分からないが、自分がやらねばならぬことは終わった。ゲートの破壊。これだけが目標だった。その目標も終わり、エルも人がいるところまで連れて来れた。

 これからはどうしよう。まだ思い出してないことも多い、これからゆっくりと思い出していくのもいい。また下層に戻って仲間達の遺品を集めてもいい。軍に帰って残党を駆逐するのもいい。

 そんなふわふわとした未来への展望を思い描いていた。


「今だ、やれ」


 コロコロと何か硬い何かが転がる音が聞こえた。何か落としたかと思い、テーブルの下を覗き込む。トイレットペーパーの芯より少し短い円柱が転がってくる。この形は……スタングレネード?

 頭の単語がよぎる前に身体が動いていた。エルの耳を塞いで彼女の前に立つ。次の瞬間爆音と光が部屋を包んだ。あまりの衝撃に一瞬ふらつく。しかし、不思議と正気は保てている。これぐらいならまだ動ける。いったい何があったのかよく分からない。襲撃か?分からないまま後ろを向くと数人のえらくガチガチの装備を着込んだ兵士が数人侵入してきた。


「エル!逃げるぞ!」


「は…はい!」


ここからちょいと話が終末旅行系からのサイバーパンクな話に変わるのですが…ぜひ彼らの旅路を最後まで見ていただけたら嬉しいです!!

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