第八層 episode.5
はい、長らくお待たせいたしました。申し訳ないです。物語がついに後半に突入し、話が急に変わった感じがしますが、ぜひ最後まで読んでいただければと思います!
episode.57
それから俺たちは強化人間打撃群として目覚ましい戦果を上げ続けた。人型アグレッサー何体も討伐し、敵を退けることに成功した。
基地に造られた小さなカフェで二人用の席に独りで座りながら自家栽培されたコーヒー豆を焙煎し、廃墟で見つけたコーヒーミルで粗く挽いたコーヒーを啜る。うん、美味しい。ネルドリップというフランネルという織物でドリップする手法で淹れられたコーヒーは毎回味が変わる。今回は大当たりも大当たり。深い香りとほんのりと酸味を感じるコーヒーだ。砂糖もミルクも貴重品でここにはないからブラックでしか飲めないが、その方がコーヒーの熱や味わいがダイレクトで伝わり自分好みである。どこからコーヒー豆を採ってきたのか知らないが、ありがたいことだ。
「へいへい、調子はどうよ兄弟。しかし、いいカフェだな。戦地で拾ってきたものでカフェを再現するなんて面白いことを考えるなユカリは」
マサキが自分の前にあった空いてる席にドスンと座った。振動がボロボロのかろうじて元の白色を保っている薄いプラスチック製のテーブルに伝わって揺れる。
ただでさえ斜めに立っていたパラソルがガシャン!と音を立てて倒れた。別に日差しは階層の横からしか入ってこないためパラソルなどおいても無意味だが、ここのオーナーのユカリはカフェにパラソルは必須と言って壊れかけのものを漁って持って帰ってきて設置している。
「ユカリは大のコーヒー好きだからな。この基地にコーヒー豆を自家栽培してるって聞いて小躍りしてた。ミルクと砂糖も自分で見つけてくるって作戦のたびに廃墟を漁ってるけどなかなか見つからないみたいだ」
倒してしまったパラソルを立て直す。グラグラしてなかなかしっかり立たない。ようやく立てることができたが、これじゃまたすぐ倒れてしまいそうだ。
「俺もそれ手伝った。俺の時は砂糖だけあったけどミルクはなかったな」
「まあ、ミルクは難しいだろうな」
「まあコーヒーの話もいいが、次の仕事の話もしようや」
「次は六層の南部戦線だったか。人型アグレッサーが大暴れしてるみたいだ」
「だな、今まで人型とは何度もやってきたがつえー奴らばっかりでびっくりだよ。バッテリー切れ寸前でぶっ倒れてギリギリ勝ったやつばっかりだ。このバッテリー増やせないのか?」
「じゃあ戦闘前にバッテリー薬をいつもより多く飲めばいいだろ」
「あれバッテリー満タン以上に飲むと気持ち悪くなるからあんまり沢山飲みたくないんだがな」
「カロリー爆弾だから仕方ない。ガソリンよりも高いカロリーをあんな小さな薬に詰め込んでるんだ。しかし、カロリーを電気に変換なんて今まで聞いたことなかったが、サヤカはよく考えついたもんだ」
「……まあそうだな。異界の特殊な生物が作る油を使っているらしいが、ちと不安になるな」
「体内バッテリーも異世界産の金属を使ってるらしいしな」
「へぇ。サヤカから聞いたのか?」
「あぁ、正直さっぱりだったよ。『これでこの世界のバッテリーの常識はひっくり返った!』とかなんとか。戦闘以外はからっきしだ」
「ふーん…」
「その金属で作られた弾薬があるってさ。今開発中らしいけど、ウチに最初に試させてくれるんだって」
「お、来たなカフェイン中毒」
「失礼だな。君だけコーヒー禁止にするよ?」
「ごめんなさい」
「よし。なんの話してたの?」
「今後の社会についての憂いとかだよ」
「バカのくせに難しい事話すわけないじゃん」
「普通に酷い」
慰めてくれと抱きついて来る。それを頭を鷲掴みにして押し返す。なかなか力強い。右に押し出し放り投げる。椅子から転がり落ちて盛大に転けた。
『やぁやぁ、なんだか楽しそうな話をしている中申し訳ないけど、次の仕事よ。そろそろ準備しておいてちょうだい。そっちに人員輸送車を送ってる。あと30分程度で着くわ。それからこっちに来たらブリーフィング。オッケー?』
無線機からくぐもったサヤカの声が聞こえてきた。次の指令だ。
「「「「了解」」」」
なかなか書く時間がががが。え?ブルアカ?えぇ最近始めましたとも…。最終編が自分の書こうと思ってた内容と少しかぶっていたので内容を変更した方がいいかと思案中です…




