第八層 episode.2
はい、遅くなりました。就活が…就活が忙しい!面接が怖い。試験がめんどくさいなどなど大変ですが休憩がてらちびちび書いていきます。
episode.54
「許可が出た、この許可証を首からかけろ。じゃないと不法侵入者で豚箱行きだ」
どこか不機嫌そうな様子の兵士が許可証とやらを手に引っ提げてやってきた。
「…豚箱?」
「刑務所だよ刑務所。わかんねぇのか?これが本当に人類の英雄様かよ…」
「刑務所のことか」
「ついて来い。言っとくが勝手に動くんじゃないぞ。お前が擬態したアグレッサーの可能性もある。俺が指示したこと以外の事をしたら発砲してもいいって許可が出てるからな」
「…わかった。悪いんだがアンタの名前を教えてくれないか?」
「あん?テメェに名乗る名前なんてねーよ」
「俺の名前だけ知ってて自分の名前は言わないなんて不公平じゃないか」
「……ちっ、リュウだ」
「よろしくな。リュウ」
リュウに連れられて基地の中に入る。ほとんどの人間が出払っているようで静かだ。先ほどのアグレッサーの攻勢に対処しているのだろう。できれば協力したかった。拘束されてしまった以上余計な事をしたら豚箱とやらにぶち込まれるので余計なことはできない。
彼は基地の奥にあるプレハブに入っていく。随分と簡素な作りだ。確かに最前線は急遽建てる必要があるのかもしれない。今まで気にしたこともなかった。
ずんずん遠くまで歩いていく。すると、鉄格子が外側に付いた窓がある部屋に連れて行かれた。
「ここで待て。お前に会いたい人間がいる」
「……もしかしてここは基地じゃなくて刑務所だったのでは?」
「そうなのか?」
「えぇ、ここは刑務所の面会室にそっくりです。基地にあるので尋問室でしょうか」
透明なパネルを挟んだ机と椅子。パネルには小さな穴がポツポツと開いている。
「……よく知ってるな。俺は基地に居たけどこんな場所知らなかった」
「一般の兵士はなかなか来ることはないと思います。督戦隊はよく利用するかもしれませんね」
「そうなのか…。督戦隊か、あんまり見た事ないな」
「ヒューマノイドが人類に対して反乱を起こさない様に督戦隊は人類のみの精鋭だけで構成されてたりします」
「ほぉ…」
エルは物知りだ。自分は戦闘のことしか分からないので非常に勉強になる。督戦隊か。この先出会う事もあるかもしれない。
しかし、遅い。かれこれ20分近く待っている。
エルのポシェットに入っているおもちは飛び出て机の上だ。狭いところにいたのが堪えていたのか、縦横無尽に走り回っている。エルは走り回るお餅を眺めたり突いたりしながら遊んでいる。
しばらくすると、基地も騒がしくなってきた。先程の迎撃部隊が帰還したのだろうか。
「やぁ、ごめんね。遅くなっちゃった。久しぶりね、ショウマ」
待ちくたびれて机に突っ伏し、机の冷さを楽しんでいた所に唐突に現れたのは白衣を着た白髪の女性だった。髪は床まで伸びておりボサボサだ。記憶はないはずなのにどこか懐かしい。まるで夢の中で何度も会ったことがある人のような懐かしさを感じる。
「よく戻って来れたね。正直厳しいと思ったよ。最下層でシグナルロストしたから本当にダメかと思った!」
「えっと…申し訳ないが今記憶が消えてて…君のことも覚えてないんだ…」
「え…うそ。私の事覚えてない?アンタを強化人間にして人類の反撃に貢献したこのサヤカを!?」
思わずのけ反ってしまうほどの勢いで捲し立てる彼女。
その様子にエルとおもちは部屋の隅っこでしなしなになって怯えていた。
「えぇ…まあいいわ。話せば長くなるけど思い出すでしょ。結構長くなるけどいいわね?まあ断っても話すけれど」
「…よろしくお願いします」
「うわ!敬語とか使わないで、本当に気持ち悪い。前はもっと私の事雑に扱ってたのに今更乙女扱い!?」
昔の自分への扱いに憤る彼女。そんなに雑な扱いを女性にしてたのか。昔の自分は女性への扱いがなってないみたいだ。
彼女は勢いをそのままに俺の過去を話し始めた。
やあああっとサヤカが登場しましたね。高校生の時から考えていたキャラがまさかの数年出ずにようやく登場です。




