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第八層 episode.1

お待たせしました!ようやく後半に入りました。ここまで数年かかったのに終わるのは一体いつになるのか……そしてこれをもう一回整理して書き直す時には義務教育が全て終わるぐらいになるかもしれませんが、気長に読んでいただけたら幸いです。

「何処に行った!?」


「見つけ次第殺せ!一緒にいた金髪の少女もだ!」


 大量の足音がすぐそこで鳴り続ける。怒号が駆け巡り、辺りを荒らしながら俺たちのことを探す兵士達がそこらじゅうを走り回っている。

 今は二人で建物の路地裏に隠れている。エルは震えて俺の服の裾を強く掴んでいる。

 


「ど、どうしてこんなことに…」


「…わからない。取り敢えず殺すとか物騒なことを言っているし、隠れておいた方が身の為だと思う」


「……そうですね」


 一体どうしてこの様な状況になっているか。まずはエレベーターから降りたところから始まる。




 ようやく人類が取り戻した層までやってきた。

 まずは人を探そうとエレベーターから降りて人気のある方へと向かった。

 アグレッサーが多々居たが、隠れつつ慎重に向かう。

 前線が近づくとアグレッサーの数はどんどん増していく。


「これじゃ味方のところまで行けない…」


 多すぎる。いくらなんでも多い。パッと見ただけでも数百はいる。なぜこここまでの数が集まっているのか。答えは単純だ。人型が多数のアグレッサーの前に立っていた。これから最前線へ向かい、敵を蹂躙するつもりなのだ。

 そんなことはさせたく無いが、自分一人でこの数を相手にできる訳がない。せめて身体強化が使えたらと考えてしまう。無理やり敵中突破も視野に入れて動けたかもしれない。全部無理にとは言わず、緊急時にだけ使っても今より上手く味方のところまで辿り着ける気がする。

 相変わらず何度こめかみを指で叩いてもうんともすんとも言わない。

 遠回り…しても良いがここまで来れたのも運に恵まれたからで、敵の支配地域を会敵せずに通るのは至難の業だ。


「……仕方ない。こいつらが進撃するまでしばらく待とう」


「…そうですね。また無茶をするのかと思いました」


「もう無茶はしない。というかこの数はいくらなんでも無理だ」


 流石にそこまで愚か者じゃない。自分の力量は弁えている。実際、自分が人類最強だとは思えないし思わない。ここに来るまで何度敗北し、何度助けられたか。

 単純に引けない時、負けられない時に多少の無茶をしてきただけだ。結局、無茶でなんとかなった回数と助けてもらった回数を比べると後者の方が多いのは無茶のしがいがない気もするが。

 ジト目で見つめてくるエル。


「……なに?」


「…別に」


 なんなんだ。彼女の本意が見抜けない。今まで見抜けた事など無いが。

 元々表情の変化が薄い彼女の心の内など俺にはわかるまい。


「私がどうにかしてみましょうか?」


「どうにかって……」


「……天使の力を使ってみます」


「あぁ…でもあれはどうやって使うのかわからないって言ってなかったっけ?」


「やってみないとわからないじゃ無いですか」


「ダメ。何が起こるか分からないから」


「……わかりました」


 あの力がなんの代償も無しに使えるとは考えにくい。何か悪いことがあるはず。そう考えての「待った」だ。別に頼りにしてないとか信用してない訳ではない。むしろあの力は自分が今出せる力の数十倍は強いし頼りになる。


「しばらくしたら進軍するだろうから、それまで待つ。味方と交戦を始めたら少しだけ遠回りをして味方の場所まで行く」


「わかりました」



 数時間経過しただろうか?辺りは暗くなってきている。層と層の間の空間から日差しが差し込み、街全体をオレンジで染め上げていた。

 そんな夕日の中、敵は遂に動き始めた。

 ゾロゾロと大量のアグレッサー達が群れとなって上層へのエレベーターに向かい進軍する。

 俺たちも隠れつつ進軍してるアグレッサーの斜め後ろをビル2、3棟挟んで動く。

 奴らが交戦に入った瞬間一気に遠回りをしつつ味方の所まで突破する作戦だ。

 本当は敵のすぐ側を通るつもりだったが、あまり近いと敵と勘違いされる可能性がある為遠回りになった。

 大分遠回りをしたから敵も人も全然いない。戦闘音も随分と遠くから聞こえる。

 ビル群を抜けて少し開けた場所までやってきた。少し遠くに高い柵と鉄条網が見える。誰かの話し声が聞こえる所までやってきた。

 幸い地雷などは埋め込まれてないようで簡単に近づけた。

 基地をぐるっと回って入り口を見つけた。

 監視塔に2人の兵士が雑談をしながら立っていた。


「おーい!」


 声をかけると談笑をやめ、こちらを向いた。まるで奇怪な生き物を見るような視線を送る。


「ありゃなんだ?市民か?」


「そんな事あるか?この層は敵に完全に掌握されていたはず……おい!お前まずは名前を言え!」


 監視塔の2人は顔を見合わせ、何かを話し始めた。残念なことにここからじゃ何を言っているか分からない。でも、あまり好意的には捉えられていないみたいだ。それはそうだと思う。現段階じゃ俺たちが敵のスパイである可能性も捨てきれない。


「ショウマだ!こっちはエル。最下層で見つけた民間人だ!支援が欲しい」


「……少し待て」


 しかし、これでようやく人類に支配地域に足を踏み入れる事ができる。長旅も終わった。ここまで来れたのは自分だけの力じゃない。助けてくれた人が沢山いた。お蔭で生きてここまで来れた。この機会を逃すわけにはいかない。


本当は冒頭シーンまで書くつもりでしたが、書ききれませんでした。次は!次こそは書き切りますので何卒宜しくお願いします。

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