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第七層 episode.9

はい、お久しぶりです。創作意欲タイムです。何日か続けば嬉しいなぁ(他力本願)

 次は第八層、アグレッサーと人類の最前線に異動らしい。

 十層にかけ作られた様々な物を生成している生成プラント群を取り返した人類は取り返す前までとは程遠い勢いで階層型都市を取り戻している。 しかし、無理やり戦線を広げて奪還しているのもあって被害は尋常ではないらしい。

 第九層は次の層へのエレベーターまで取り返せたらしく、最前線はどんどんと広がり続けている。九層は残党が抵抗を続けている。九層防衛戦線防衛隊はその駆逐に忙しく、そのために第八層への援軍は厳しいとの事なのでほぼほぼ敵の駆逐が完了し、復興に従事している第十層への支援要請が来たという訳だ。


「えぇ…もう行っちゃうんですか?早いですよぉ。もっと一緒に居たかったのにぃ」


 タクミが机に突っ伏して文句を垂れる。

 本来であれば俺には復興の手伝いをしなければならないが、今回は特例で前線からの応援要請が来ている。俺はその特例の応援として第八層へと赴く事になった。


「まあ、戦争を早く終わらせるためだ。仕方がない。戦争が早く終われば終わるだけお前らは戦争から解放される。少しでも早く終わらせたいんだ」


「……気持ちはすごく嬉しいんすけどね。初めて仲良くなれた人間ですから居なくなって欲しくないんですよ。タクミは」


「そっか、頼もしいから2人には一緒に居て欲しいけど第八層は人型が数人確認されている。九層は1人だけだったけど、どうなるかわからない。そんな危ない所には行かないで欲しい。それに、復興だって重要な仕事だ」


「……分かってますよ。仕事ですから」


 彼等に別れの挨拶を告げ、八層への応援組と合流してエレベーターへと向かう。


「あーちょいちょい待った待った!」


 呼び止められた方向を見ると白衣を着たボサボサのボブカットの女性がこちらに向かって来た。


「アンタ八層の応援に行くんでしょ。ほんじゃこれ渡しとくから」


「……何だこれ?」


「コンタクトレンズ型のコンピュータみたいなもん。色々便利だから渡しとく。使い方は…まあ触ってれば覚えられるでしょ。今度会った時またちゃんと教える。消費電力もそう多くないから気にしなくていいわ」


「……これは付けても大丈夫なやつか?この前の劇薬みたいに白目剥いてぶっ倒れたりしないだろうな?」


「あれは本当に申し訳なかったよ。だってまさか男だけ劇薬だとは思わなかったんだもの。私が試して大丈夫だったんだから大丈夫だと思って……。でも今回は大丈夫、それについては私だって付けてるんだから」


「……今自分で試してみて失敗した例を聞いたんだけど。まあ、今回は機械だから男女は関係なさそうだな」


「でしょ。アンタには死なれたら困るからね。初めて強化人間手術に成功した人間なんだから」


「……だな」


「運が良かったのよアンタは。大抵のやつはダメになっちゃうから」


「マッドサイエンティスト…」


「なんとでも言いなさい。私は自分の手で英雄を生み出したいだけよ。アイツを見返してやるためにね」


「そうだったな」


「それじゃ、いってらっしゃい。死ぬんじゃないわよ」


「分かってる分かってる」


 俺の他に八層に降りるのは十数人。この層の数ある戦線から選りすぐられた優秀なメンツらしい。応援部隊の体調が皆を整列させた。

 他は全員どこかで観たヒューマノイドばかりだった。なるほど、どいつも筋肉隆々で正に選ばれた精鋭ばかりらしい。

 皆でエレベーターに乗り込んで下層へ向かう。

 エレベーターでは誰も話さない。妙な沈黙がエレベーターを支配する。

 それもそうだ。今から行くのは人類とアグレッサーとの軍事境界線。生きて帰れるかどうかなんて分からない。


「……到着するぞ。取り敢えず、各戦線に貴様らをトラックで運送してくれるように八層の奴らには頼んでおいた。特にショウマ、お前の配属される戦線はまさしく最前線だ。死ぬなよ」


 そんなこんなで八層に到着した。エレベーター付近はすでに八層の連中が制圧していて安全らしい。ここからトラックで移動だ。

 トラックの荷台に皆で乗り込む。悪路を征くためトラックはひどく揺れた。皆慣れっこなので気分も悪くなるやつは誰もいなかった。

 様々な場所を巡り、乗員はどんどんと減っていった。そうして、隊長すらいなくなって1人になった。なんだか仲間がどんどん居なくなるのは寂しかった。別に彼らが死んだわけではないし、ただ別の場所に行っただけなのだ。でも、なんだか仲間がどんどん死んでいくのに似ていて寂しい。

 エレベーターで降りたところとは随分と違う匂いがして来た。硝煙の匂いと…敵の匂い。血の匂いや汗、土埃。様々な匂いがして来た。

 トラックから降りてドライバーと迎えに来てくれたこの大隊の隊長と一緒に俺の所属する隊に案内してもらった。

 そこで2人と別れて隊と合流した。事前に聞いていた隊長の名前はカズト。人柄が良くて面倒見がいいらしい。口数は少ないが、思慮深い男で情に熱いと聞いた。

 隊の皆んなの前に立つ。

 暗い表情だ。希望がない、明日がない、夢がない。そんな顔だ。終わらせなければならない。ヒューマノイドだけに押し付けてしまったこの戦争を。

 

「ショウマです。大隊長から第三班の指揮を任されました。以後よろしくお願いします」




 

 


 

 


話を広げすぎて畳むのが難しい…。登場人物たちが勝手に動いちゃうから困ります。

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