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第七層 episode.8

はい、まじで下書きみたいに雑にですが楽しく書いているので間違いとか目を瞑ってくれると嬉しいです。

「斥候の報告を伝える。敵総数は約700程度、北西からこちらの前線へと進軍してきている。敵はゴブリンとコボルドの混成部隊。人型も確認されているが準主力程度の戦力と予想されている。そこで、北と西の塹壕とトーチカに立て籠っての防衛戦を敢行する!

 トーチカ内の機関銃と塹壕からの射撃で前線到達前までに出来るだけ数を減らしてから塹壕内での近接戦闘で敵を撃滅する。近接戦闘用の拳銃と武器を忘れるなよ!ちなみに俺のお気に入りはスコップだ!あれはいいぞぉ、敵の脳天をかち割ってやるには丁度いい重さと大きさだ。北は第一と第二小隊が担当、第三と第四小隊は西を担当だ!出来れば塹壕到達前に仕留め切りたい。頼んだぞ!」


 皆それぞれ準備を始める。

 幸い北部戦線と西部戦線は塹壕がある上にいつもより少し数が少ない。それだけが希望だが、こちらに新人が多いというのもあって苦戦を強いられそうだ。

 人型もいるらしい、敵としては一番当たりたくない部類だ。奴らの持つ空中に展開できる障壁のようなものはこちらの銃弾を遮断する。塹壕からの射撃と機関銃が実質無効化されるので人型より先に取り巻きを攻撃するべきだろう。


「よし、第一小隊点呼!」


 各々が準備を完了し、整列する。班ごとに並んでおり、隊長が最前列。その後ろに部隊員が一列に整列している。

 スコップを持ち込んでいる者も多数いる。本当に持ってくるとは真面目な奴らだ。

 全員の点呼が終わり、皆がいることが確認できる。


「よし、それじゃあ作戦区域まで移動するぞ。皆、トラックに乗り込んでくれ」


 いつも使っているオンボロなトラックに乗り込む。このトラックは俺がこの大隊に所属する前からあるらしい。この大隊では一番長生きの大ベテランだ。

 兵站を担当する兵士がトラックに乗り込む「俺たちは戦場に出られないけど補給は任せてくれ」といつも少し申し訳なさそうにしている彼らだが、戦場では補給は戦場では一番大事な事だと俺は思っている。彼らは前線に赴くことは少なくとも、大事な戦友だ。

 うるさいエンジン音を立てながら走るトラックに揺られながら到着を待つ。

 トラックの中を見渡すと皆の緊張している顔が見える。

 何人生きて帰ってこれるか。ベテランは少ない。出来るだけ新兵には射撃だけに集中して貰って、撃ち漏らしや近付いてきた敵はベテランが担当しようか。そんな事を考えていたらすぐに作戦区域である北部戦線に到着した。


「オペレーターへ伝達、第一小隊、TO(作戦領域)に到着。これより作戦に着手します」


「了解、これより指揮権を第一小隊小隊長に移譲する」


「了解、第一小隊長から第一小隊各位へ、オペレーターは第一小隊に指揮権を移譲した。これより小隊の指揮を取る」


 ヘッドセットからノイズと一緒にオペレーターからの指示が入る。

 いつもの事だが、指揮権を委譲するため俺が全ての指揮を執る事になる。俺たちのオペレーターは自分は戦術は分からないし、自分の間違った指揮で部隊員を死なせたくないとの理由で全てをこちらに任せる。

 戦術もわからない人間を雇うほどオペレーターは不足しているのだろうか?と思ってしまう。

 まあ、こちらとしては別に変な口出しをしてこないのでやりやすいと言えばやりやすいのだが。


「各位、聞いていたな?これから俺が指揮を執る。第一小隊は西側のトーチカの担当だ。急ごう、あと15分で会敵だ。トーチカの機関銃はベテランが担当してくれ。そっちの方が速く敵を殲滅できる。新人達は射撃練習はさっきしたし、ライフルなら使い方がわかるはず。第一小隊と共に塹壕から射撃する」


 各々は素直に指示に従い、塹壕へと入っていく。北と西は食糧生産地区だったらしく、地面がコンクリートではなく、土でできている。そのお陰で塹壕を簡単に造ることができたらしい。南と東は廃墟に潜み奇襲がメインの作戦になる。建物の中に入り攻撃することにより撤退する時に建物からわざわざ降りて撤退するため被害は塹壕がある北、西部戦線よりも多くなってしまう傾向がある。

 もうすぐで敵が見え始める。

 北西から敵が進軍してきているのが双眼鏡を覗くと見えた。距離は約600。もうそろそろ狙撃銃と機関銃の出番、アイアンサイトで狙えるギリギリの距離だ。


「総員、射撃開始」


 こうして戦闘の火蓋は斬られた。

 けたたましい銃声がそこらじゅうで上がる。

 第二小隊も射撃を開始、総勢約50人での射撃が敵を襲い始める。平坦な北、西部戦線は守りが圧倒的に有利であるが故に敵はあまり攻撃してこなかったが、敵には作戦があるのだろうか?そこが少し気がかりだ。

 順調に射撃は行えている。敵も被害を……。おかしい、敵の数が減っているように見えない。急いで双眼鏡で確認する。

 敵の命を刈り取らんと敵に飛んでいった弾丸は弾道を違えることなく射撃通りに飛んでいる。射程外でもないはずなのに…。

 弾かれている……?まさか、そんな大きな障壁を貼れる敵が居るものか。

 そう思いたかったが、どうやら当たりのようだ。敵は敵部隊全員を防護する障壁を貼っていた。これではこちらの射撃は全て弾かれる事になる。

 通りで北、西部戦線を攻撃してきた訳だ。

 今回の人型は戦力として来たのではなく、アグレッサーどもを戦線まで突破させ北、西部戦線を突破するために来たのだ。そしてギリギリ射撃は出来るが近接戦闘などやったことすらない新兵を主力級の数を生かして皆殺しにするつもりだ。

 なるほど、前回の作戦でやたら必要以上に追撃して来たのはこれが理由か。出来るだけ敵であるこちらの戦力を新兵だけにし、新兵でも出来る塹壕からの一方的な射撃戦ではなく新兵が最も苦手とする経験が物を言う近接戦闘にもつれこませるためにこちらの補充のタイミングを見計らって攻めてきた訳だ。

 このままでは新兵たちに大損害が出る。こちらの損害だけを考えれば今すぐ撤退したい所だがそうも言ってられない。

 北部戦線は一番基地に近い戦線だ。補充は早いが突破されたらすぐに基地に敵が来る。

 どうする?このまま射撃を続けていたら結局敵は塹壕まで到達し、こちらを蹂躙するだろう。かといって撤退しても敵の障壁を破ることができなければ基地に戻ったとて状況は変わらない。

 八方塞がりだ。いつもの人型なら取り巻きを撃破した後に皆で囲んで叩けばギリギリ倒せない事もなかった。敵も360°を警戒して障壁を貼るのは難しいらしい。

 しかし、今回は敵部隊全員を囲める程の障壁を貼れる人型だ。まず取り巻きをやれない上に囲んだところで敵部隊全員を囲める障壁を貼れる敵だ、自分の周りを360°囲むことなど造作もないはずだ。

 さて、どうするか……。今ならギリギリ撤退できるかもしれない。前回の作戦ではトラックは陽動部隊の方に使われていたが、今回はこっちが使えるはずだ。

 ……撤退か。これ以上撃っても戦果を得られないなら撤退して爆薬を使って敵を不意に爆破するとのが一番の策だ。でも、撤退には少し時間がかかるかもしれない。トラックもまだ近くに居るだろうが来るまでには少し時間がかかる。

 そうなると、また殿が必要になるみたいだ。無線機を手に取る。


「これより第一小隊は撤退を開始する。第二小隊、撤退だ。トラックをこちらに呼ぶ。ベテランを残して新兵を撤退させてくれ」


「隊長……。分かりました。皆さん撤退しましょう。ベテランの皆さんの武運を祈ります」


「隊長、私も残っていいですか?近接戦闘には少し自信があります」


 そうか、ナナセは新人でも軍に所属していたから射撃も近接戦闘もできるように設計されているのか。予想外の頼もしい戦力に少し希望を見出す。

 しかし、状況は厳しいのは変わりない。

 アヤミら新兵は素直に支持に従い、撤退のを始めた。もうそろそろ敵の攻撃がこちらに届く。

 ベテランの皆は各々武器のチェックに入っている。

 自分も準備する。今回俺が近接用に持って来たのは身長ほどもあるライオットシールドだ。これを構えつつ拳銃で射撃、いざとなれば殴り倒そう。一番使い慣れた盾だが念入りにチェックする。

 チラリと横を見るとショウマがナイフの手入れをしていた。

 彼はナイフを使うのか…。射程が短い代わりに取り回しは他の近接武器と比べて一番良い。なかなか良いセンスをしている。


「さあ、もうそろそろで塹壕に到着する。準備はいいか?」


 狭いトーチカの中で皆は頷く。

 敵は塹壕の中に足を踏み入れた。地の利はこちらにある。上手くやれば長いこと時間を稼げる。


「総員……突撃!」


なんかカズトが主人公みたいな感じですが主人公はショウマくんです()

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