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第七層 episode.5

はい、いつもの創作意欲がマシマシな状況です。どれくらい続くか分からないですけど頑張りますー

「第一班、側面へ回るぞ。俺が10時方向から突撃する。他のメンバーは東へ火力を集中してくれ。最小露出を心がけて射撃。一人一人射撃して隙を絶対に作るな」


 現在、第8層の防衛をしている。この都市は最下層に突如出現したゲートから溢れ出るアグレッサーと呼ばれる異界の生物達に攻撃を受けている。上層部が言うには世界中でこの現象は発生しており、世界に多々存在する階層都市は攻撃を受け、その殆どと連絡を取ることができなくなっている。

 ここもいつまで持つかわからない。もしかしたら自分たちのいる場所が人類の中で最後に残った階層都市かもしれない。

 そんな不安を抱えながら俺たちは毎日毎日いつ終わるかもわからない、もしかしなくても自分が死ぬ方が終戦よりも早いかもしれないアグレッサーとの戦いに明け暮れていた。

 相手はコボルドが百数十。そこまで頭が良くないが奴らは軽い魔法と道具を使い、素早い動きでこちらを翻弄しながら複数でこちらの浮いた駒を刈り取ってくる。

 基本的にゴブリンなどの主力級に前線を張らせて、自分は主力に気を取られたこちらの部隊を攻撃してくる。

 今回この小隊に命令されたのは第八戦線第二大隊による敵への奇襲攻撃。できるだけ主力級よりも後衛にいる準主力級に打撃を与えるのが目標だ。

 しかし、こちらの大隊の非戦闘員を除いた百数人は主力級を釣り出すために半数以上が囮になっている。つまり、今準主力級を攻撃しているのは第二大隊から選ばれた精鋭の俺たち一班から四班だ。 


「カズト隊長!第四班甚大な被害です!もう私しか残ってない!……いやだ……死にたくないよ…みんな……たすけ…」


 第四班隊長のアヤミからの無線機の通信がが劈くようなノイズ音と共に消滅する。

 彼女は入隊した時から優秀ですぐに班長になるほどだった。しかし、実践経験が足りずに実践である急な状況の変化などに弱かった。

 今回の相手は彼女にとっての初めての敵であるコボルドだった上に彼らの奇襲も相まって彼女とは相性が最悪だった。なので軽い作戦に参加させて徐々に学んで貰うつもりだったが……この様だ。俺が死なせてしまった。

 しかし、一人一人の死について考えている場合ではない。戦況は刻一刻と変わり続ける。

 腕につけてる戦況をリアルタイムで見ることができるミニマップを見ると四班のいた所にあった友軍を示す青色のマーカーは消えていた。

 戦闘区域を全体的に見てももう青いマーカーは一桁程しかなかった。

 準主力級攻撃隊は一我らが第三小隊五班で構成された計25名。第四班は先程全滅した。他の隊も被害が出ているだろう。

 潮時か。これ以上の攻撃は悪戯にこちらの戦力が無くなるだけだ。


「撤退する。殿は第一班と第二班が担当する。第二班へ、ポイント1221.224にて合流、殿だ、死ぬ覚悟はできたな?。第三班は殿の後方より撤退。本隊と合流したのち速やかに戦闘区域外へ。援護はいらない、本隊にも援護には来るなと伝えてくれ」


「……了解」


 生き残ったのは第五班が一人。第三班が二人。第二班が三人。第一班が自分を含め三人。

 合流ポイントへと急ぐ。第三班は殆ど後衛で前衛であった第一班と第二班を援護する形だったため、すぐに撤退できたようだ。

 問題はここからどうやって本隊へと合流するかだ。

 敵からの追撃は止まない。マップを見ると本隊も押されており、囮で引き付けていた主力級が引き付けられずにこちらに向かってきているようだった。

 挟まれた。第三班はほぼ撤退している本隊と合流できたみたいだ。

 殿隊は弾薬も人員ももう殆ど残ってない。さっき、独立して動いていたコボルドに第二班が奇襲を受けた。第二班は全滅。残っているのは第一班だけだった。


「…みーんな居なくなっちゃったよ」


「いいから早く逃げるぞ!」


 アサミはリクを励ましながら走る。しかし、そんな励ましの言葉もどこか疲れと悲しみが混じっている。


「……俺が前に出る。敵の気を逸らせば少しは時間が稼げる」


「ダメだ、アンタが居なくなったら一番困る。この大隊で一番大事なのはお前さんだよ」


「………わかった」


 背負っている大きなライオットシールドを構えるのをやめてまた走り出す。

 まだ死んでない。逃げて、逃げて、逃げていればいつかは仲間と合流できる。そう信じてひたすら本隊へと向かう。

 


 一時間ほど走っただろうか。コボルドは追撃を諦めたのか追ってこなくなった。ミニマップを見てもアグレッサーを示す赤いマーカーは一つも見当たらない。どうやら逃げ切ったようだ。

 擱座した戦車に背中を預け、一休みする。

 もう太ももが攣ってしまいそうなくらい痛い。乳酸が足に溜まってまともに歩くのも難しい。二人も相当辛いらしく地面に寝転がっていた。


「逃げ切った……はぁはぁ…」


「……本隊まで…あと1キロ。ゆっくりでいいから行くぞ」


「「了解」」


 それから三十分かけてようやく前線の基地へと戻って来れた。

 今日こそ本当にダメかと思った。

 これが今の日常。戦って、戦って、仲間を何度も何度も失う毎日。それにすら慣れが来てしまっている。酷い日常だ。




「第一班、帰投しました」


「被害を報告しろ」


 ようやく基地に帰ってきて損害の報告をする。

 結局追撃もあって生きて帰って来れたのは八人だった。


「わかった。戦死した仲間の装備は取っては来れなかったか?」


「……はい」


「了解。あとでスカベンジ部隊に回収させておく。残ってないだろうが一応確認のためだ」


 この軍ではドッグタグと呼ばれる死亡したことを確認するために付けるネックレス上の札のことである。だが、この軍にはドッグタグは存在しない。

 軍では基本三割損害が出たら全滅扱いらしいが、それを大きく上回る損害が出たため、今度補充が入ると兵站部隊の奴らは言っていた。

 基地のキャンプに戻って皆と合流する。

 皆は完全に疲弊し切っており、今にも膝から崩れ落ちそうだった。

 

「……よし、今日はもう仕事は終わりだ。風呂の入って飯食って寝るぞ」


「…うん」


 こうして今日も束の間の休息を得る。

 これが日常。どれだけ倒しても倒しても無尽蔵に増え続ける敵と戦い、疲弊し、失って泥のように硬いベットに寝る。

 いつか報われると信じて、いつか終わりが来て戦いから解放されるまで。

 ただ、ひたすら生き延びる。


ミリタリー が濃ゆくなりました〜。色々考えていることはいっぱいあるんですけど書くとなると大変ですね

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