第七層 episode.4
5ヶ月……?そんなに書いてなかったっけ?すみませんでした
「ショウマ?おはよう、起きて。一緒に学校行こ?」
見知らぬ小学生ぐらいの女の子が困ったような嬉しいような表情で俺に話しかける。顔にはモヤがかかっており、よくわからない。彼女が一体何者かも分からない。でもとても親しい仲のような気がして思わず「今行くよ」と相手に完全に気を許した気の抜けた声が溢れた。
「おはようございます。今行く?どうされました?」
「………寝言だ。なんでもないよ」
目を覚ますとまたもやベッドに眠っていた。そしてエルがこちらを覗き込むこの状況。もう何度目だろうか、6層で怪我はしないと言ったはずなのに次の層でこれである。なんのために怪我をしないと誓ったのか……。
目がだんだん光に慣れてきたので辺りを見回す。ベッドの横にはエルが座っている。その奥には男女が数人座って談笑していた。
ここはビルの中だろうか。先ほど戦ったビルとは全然違って生活感のある一室だ。
「よかった……。ごめんなさい、また私ショウマさんに迷惑をかけてしまいました。何度あなたを失いかければ……何度あなたに助けられたら気が済むんですかね…私」
彼女は俺の生存を喜んだと同時に酷く自分を責め立てた。
彼女は毎回自分が怪我をすることに気を病んでるのか落ち込んでいた。
俺は上まで行かなければならない。自分の事を全て思い出すために。
彼女はそのためにも絶対必要だ。最下層で彼女は自分は必要とされてないと言っていたが、俺には彼女が必要だ。実際、彼女がいなかったらここまで来れてない。
それにしても、彼女が必要とされてないと言った理由は何なのか。誰から言われたかは未だ不明のままだ。いつか彼女から聞くことができれば良いが…。
「何か勘違いしてるぞ。俺がエルを助けるにはエルがいないと上に上がれないからだよ。自分のためだからエルが気にする必要はないし、ここまで来れたのは全部エルのおかげだ。改めて礼を言わせてもらう。本当にありがとう。もう少しだけ力を貸してほしい」
彼女は面を食らっていたが、何かに耐えられなくなったのか強張っていた表情をいつもの無表情に戻った。彼女は俺の手に彼女の小さくて血が通っているかも怪しいぐらい白い手を乗せた。
「……そうですか。私を必要としてくれたのは貴方が初めてです。それだけは…少しだけ嬉しいかもしれません」
「………」
彼女に一体何があったのか。なぜ最下層にひとりで居たのか。まだ彼女のことを何も知らないことを痛感した。
「お、目が覚めたか隊長」
エルと話していたのに気づいたのか、先ほどベッドから見えた男女のグループの中でガタイのかなりいい片目に傷跡がある男がこちらが起床したのに気付いたのか声をかけてきた。
「……隊長ってことは…もしかして」
「そうだ。しかし…その感じだと本当に記憶がないんだな…」
俺はエルに目をやった。彼女が俺の記憶がないことを伝えたらしい。
そうか、彼らは俺のことを知っているから顔を見ればわかる。それから少し遠くにいた男女数人ベッドの近くに集まってきた。
「何この子可愛い!ウチで飼っちゃダメ!?」
「ダーメ!隊長が飼ってるんだから勝手にしちゃダメでしょ?」
「ちぇ」
こちらに向こうに座っていた面々が騒ぎながらベッドの近くに来る。
「覚えてないか?。まあいい、自己紹介といこう。俺はカズト。隊長…貴方の部下だ」
それからその場にいた面々が自己紹介を始めた。
長い黒髪の気の強そうな美人はアサミ。見た目通りの活発さと凛々しさを兼ね備えている女性だ。
背の小さい黒髪のボブの少女はナナセというらしい、表情が乏しく何を考えているかわからない。カズトも寡黙な男だが彼女は筋金入りのようだ。
やたらめったらテンションの高い小柄な少年はリク。カズトにちょっかいばかりかけてよく困らせていた。彼が最年少のようで皆に可愛がられているみたいだ。
全員何処かで見たような気がするが、彼らに対しての記憶が一切ない。
「……みんな俺のことを知っているんだな」
そういえば、6層ではタクミ達の話を聞いて記憶を取り戻した。もしかしたら今回も彼らから話を聞けば何かを思い出せるかもしれない。
「よかったらいいんだがみんなが俺とのエピソードみたいな……その…昔話をして欲しいんだ。そのおかげで記憶が少しずつ戻ってる」
「そうなんですか!?じゃじゃじゃうちの昔の隊に隊長が入ってきた時の話をしましょうよ!あれはインパクトでっかかったから隊長も思い出すはずです!」
「あ、あぁ…。そこまで言うならその話をしようか。じゃあ、少しばかりご清聴頂こうか。これは一年前くらいの話だったか……」
今度こそコンスタントに書くと言って何度目か……。もう宣言するのはやめます。また数ヶ月空くかもしれないです…




