第七層 episode.1
何層だったかまーったく思い出せん。取り敢えず今書いてるやつが正しいやつです。
episode.41
「さてと、じゃあ行くよ。また上層のどっかで会おう」
持ち物を全部揃えたのを確認し、次の層へのエレベーターに向かい合う。このエレベーターに乗ったら彼らともしばらくお別れだ。でも、本当の別れではない。いつかまた会える。彼らは強いから。
そんなことを思いながら彼らに別れの挨拶をした。
「えぇ、私たちもここの敵を殲滅しだいそちらへ向かいます」
「んじゃ上まで頑張って下さい。俺たちもすぐ行くんで。一緒に隊長が昔行ったっていうカフェとやらに行きましょう」
「あぁ、懐かしいな。絶対行こう。じゃあ」
軽く手を振って彼らに背を向け、エレベーターへのボタンを押した。
彼らからエレベーターまでわざわざ送ってきてくれるとの申し出があったので好意に甘えさせてもらった。別に送ってもらわなくても行けたが、彼らと1秒でも長く一緒にいたかったというのが本音だ。
どうやらエレベーターまでの道は制圧済みの様で安全に来ることができた。それから、上層にもし行けたら軍に第5層の病院に援軍を送る様に申し出ることも約束した。
いつもの大きなエレベーターに乗り込んだ。この層のエレベーターは二つ稼働していた。しかし、片方は中のケーブルをやられたらしく電気がついているだけだとタクミは話していた。
「長い時間登ってきた気がするけどまだ6層だったのか」
「そうですね。次でようやく7層です。次の層では何事もなく次の層に行けるといいのですが……」
「全くだ。もう死にかけるのはごめんだ。おもちもまだ起きない、多分負担をかけてしまったみたいだ。怪我はできるだけ気をつけなきゃな」
「……おもちさんまだ起きないんですね」
「あの日から全く反応がないんだ。心配だけど呼吸はしてるし、身体も暖かかったから大丈夫だとは思う。病院食のナッツを取っておいたんだ。起きたらあげようかと思ったんだけどなかなか起きない」
「あら、早く起きて欲しいですね」
それから2人の間には沈黙が流れた。
この前のエルの天使化現象からなんだか気まずい。いつも通りに接しているはずなのにいつもとどこか違う。
しっかりしよう。このままでは彼女との関係に天使化現象如きで亀裂が入ってしまう。何か気の利いた話をしなければ。
「あの」
「えっとさ」
2人同時に話し始めてしまった。お互い会話の譲り合戦が始まり、その合戦中に次の階層へと到着した。
気まずい空気は解消されないまま次の層へと来てしまった。
その階層は特に下の第6層と違いはなかった。
「……行こうか」
「……はい」
第6層は街のど真ん中からのスタートだった。ここから目測で3、4キロくらいだろうか。いつもと同じくらいの距離だ。本来なら都市のインフラで移動するのだろうが、もちろん鉄道も車も何も動いていなかった。
静寂が町を支配していた。この場所だけ時間が止まってしまったかの様だ。破壊されて完全に沈黙した戦車や車。軍服の白骨死体などが散見された。
そんな中を歩き続けているとビルのジャングルから抜けた。
そこには都市の大きな交差点に出た。交差点は幾つもの通路に分かれており、どの道も同じ様な景色がその先に続いていた。
「右か」
右方向にエレベーターのある塔が見える。そちらに歩みを進める。
行こうとしたらエルにパーカーの裾を掴まれた。何事かと思い、エルの顔を見ると酷く青ざめた表情で別の方を見ていた。
何事かと彼女の見ている方向を俺も見てみる。
「……誰だ?」
大きな道路のど真ん中で彼はポツンと突っ立っていた。
遠くてよく見えないが、ピエロの格好をしている少年の様に見えた。まだ年端もいかない容姿だ。10歳そこらかもしれない。
なぜここにいるか。大抵ろくな理由ではないことはわかる。こんなところにピエロなんているわけがない。あいつはアグレッサーの人型に違いない。
裾を掴んでるエルの手をそのまま握り返して走り出した。
大通りを抜け、裏路地をジグザグに走る。裏路地には大量のゴミやら得体の知れない黒い物体などで走りにくかったが、走るしかない。
どんどん大通りから離れていく。もう先ほどの景色とは全く違うものとなったところでようやく裏路地を飛び出す。
辺りを見回す。大通りに突っ立っていたピエロの気配はない。よかった、あんなのに関わっていたら何をされていたかわかったもんじゃない。
「やあやあ、数日ぶり。いきなり逃げるなんて酷いことするなぁ」
その声は俺の直ぐ後ろからした。その声は見た目に相応のまだ声変わりのしてない少年の声だった。
エルの腕を引っぱり、少年ピエロから距離を取る。彼女はよろめきながら後退りした。
近くで見ると一段と幼い印象を受ける少年だった。しかし、仮面をつけているため素顔を見ることは叶わなかった。身長は遠くで見た時よりもかなり小さい。140cm程度だろうか?。エルとどっこいどっこいである。
「誰だ」
「ひどいなぁ。5層の遊園地であったじゃないか。あぁ……覚えてないか。直接は会ってないもんねぇ」
「……まさか。あの時襲ってきた着ぐるみたちを動かしてたのはお前か?」
彼は大袈裟に手を広げ、高らかに声を上げる。
「大正解!よく気付いたねぇ!。僕はペドロ。あの時はただ人間がいたから殺そうとしてみただけだけど、今回はちょっと違うんだ」
「違う?」
「そう、今回はそこの金髪……。いや、四大天使のウリエルに用があるんだよ。なぜこんなところに四大天使がいるのか気になってね。あわよくば殺しておきたいんだよね」
四大天使……。確か六層でヴァルグスが言っていた用語だ。それが何なのか未だわからないが、アグレッサーにはよく知る単語なのは間違いないらしい。確かに彼女の背中から生えてきたガラスに様に透き通った羽根の様なものは天使の羽と言って差し支えないものだろう。
そして、彼らの反応を見るに四大天使とアグレッサーは敵対している様だ。
ヴァルグスも天使になったエルと敵対している様に見えた。
「……私はウリエルなんて名前じゃないです」
「へぇ、六層で感じたのは確かにウリエルの力だったと思うけどなぁ。まあいい、取り敢えず、そこの人間。用があるのはウリエルモドキだから邪魔しないなら特別に殺さないでおいてあげるけど……」
「答えは分かってるだろ?エル!逃げろ!」
エルは一目散に別の路地裏に入って行った。
六層にいた時、彼女には「逃げろ」と言われたら素直に逃げる様によく言い聞かせていたのだ。その甲斐あって、彼女はジグザグした路地裏にすぐに逃れた。これなら俺がやられてもそうそう見つかることはないはずだ。
「あーあ。せっかくチャンスをあげたのに無駄にしちゃうか」
「悪いな。こっちも上までいかないといけない理由があるんでね。そのためにはあいつが必要なんだよ」
「ふーん。僕が連れてってもいいんだけど?」
「そんな提案に誰がyesと答えると思う?」
「まあそうだよね。しかし、たかが人間1匹に僕の足止めができるとでも思ってるの?」
「やってみせる。勝たなきゃ先に進めない」
「僕相手に人間のくせによく言い切ったね。いいよ、格の違いとやらを君に見せてあげよう。あの子を捕まえるのは君を殺してからにしてあげる」
昔のやつ読み直したけど今と全然違くてびっくり。全部書き直したいけどめんどくさい……




