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第六層 episode.7

あとヴァルグスさんの口調を変えました〜。なんかこっちの方がしっくり来るなと……。

「ショウマさん!」


「エル!?なんでここにいるっ……くっ……」


 危ないから病院に居させておいたエルが戦車の残骸達を乗り越えて走ってきていた。


「誰だあの小娘は……。まあそんなことはどうでもいい」


 一瞬ヴァルグスの手が緩んだがそれも束の間。すぐさま猛攻が再開される。


「オラオラどうしたよ。前はもっと強かったぞ?今のお前は貧弱だなぁオイ!」


「ぐっ…」


 ヴァルグスは思っているより圧倒的に強かった。相手の攻撃を凌ぐので手一杯だ。ナイフはもう次受けたら折れてしまいそうなたけ受けることはできない。それに加えて。一撃でも避けきれなければ身体が真っ二つになるのは明白だ。

 このまま戦い続けてもいずれ攻撃を避けきれない時が来る。ならばどうするか。

 一か八かの博打に出るしかない。


「あああああぁ!」


 今までずっと避けていたのをやめ、相手に突進する。自分の身体なんてどうでもいい。なんとしてでも致命傷を与えねば勝てない。


「バカだな小僧。さっきまではマシだったんだがな…。死ね!」


「っ……!」


 縦、いや横だ。伏せてすんでのところで斬撃を躱す。

 ヒリヒリとした感触が肌に伝わる。

 チャンス。今しかない。この至近距離で発砲すれば間違いなく当たる。過去の記憶では障壁はそんなに自分の近くに貼ることはできない。


「おっと……。その手はもう食らわんぞ」


 発砲。しかし、銃弾は無慈悲にも障壁の阻まれた。

 

「なっ……」


「前に同じことをされて不覚にも撃たれたからな。ゲームオーバーだ小僧。今度こそ終わりだ!」


 ヴァルグスは大きな剣で俺の肩を斬り飛ばす。

 その瞬間右腕の感触が一瞬で消えた。何かに吹き飛ばされたような感触と熱がじわじわと伝わってくる。


「ぐああ!!……クソっ……」


 なんとかヴァルグスの懐から離れる。

 肩から熱湯のように熱い血液が流れ出る。


「手加減してやったとはいえ、やり切れないか……。しっかし弱くなったな小僧。前の方が今の10倍は強かったぞ」


「………」


「まあいい。これで俺の復讐は終わる。屈辱的な死に様を晒せ」


 ヴァルグスはトドメを刺すために剣を振り下ろす。

 ここまでか。今までの、ここまで登ってきた記憶が走馬灯のように頭をよぎる。


「もうやめてっ!!」


 そんな走馬灯は一人の少女の声と目の前が真っ白になるほどの強い光によって遮られる。

 横を見ると声の主の少女が。否、少女ではなかった。そこに居たのは天使だった。

 頭の上には光の輪。背中には大きな白い翼。その姿はこちらの世界ではあり得ないものだった。

 ヴァルグスは光の渦に巻き込まれると急にもがき苦しんだ。


「ぐああああ……。あぁ!?天使だと?なんでこんなところに……あっちの世界の神の使いである天使がいる?あっちの世界との扉は…今閉まってるはずだろ?」


「あれ……?私なんでこんなことに…」


「エル……?」


 あれは天使のように見えるが違う。あれはエルだ。それは違いない。しかし、その姿はいつも知るエルの姿とは全く違っていた。


「隊長!早く下がって下さい!」


 タクミとカスミが隙を見て俺の撤退の援護をしてくれた。


「ちっ。おい、そこの天使。どうやってこっちの世界にきたが知らないが、邪魔するな。邪魔をしなければ今回だけは見逃してやる」


「一体なんの話かが全くわかりませんが、彼を、ショウマさんを殺すというのであればその条件は飲めません」


「そうか。じゃあお前から先に殺してやるよ!」


「そうはさせません!」


 彼女はヴァルグスと同じ障壁を張って彼の剣を受ける。

 そして何処からともなく炎を放出し、その形を弓に変形させる。


「お前は……。そうか。まさか四大天使のウリエルがこんなところにいるとはなぁ!」


 ヴァルグスは人間には見えないほどの速さの連撃を繰り出す。

 その全てを彼女は受け切り、弓で反撃する。

 その攻撃を大きく跳び下がって避けるヴァルグス。


「もうやめてください!」


 彼女は基本防戦一方だったが、ヴァルグスの攻撃を全て防ぎ切っている。その上に攻撃をしていないため、エルはわざと攻撃をしていないように見える。


「ちっ。まさか四大天使がまさかここまで硬ぇとはな……。いいだろう。お前を倒せない以上ここは引くしかなさそうだ。だが、忘れんぞ。大天使ウリエル。お前はいつか必ず俺が倒す」


 ヴァルグスはそのまま何処かへと去って行ってしまった。

 彼女はそれを見送ると俺のところに走って来た。


「………エル?」


「はい。エルです」


「……本当にエルなのか?」


「はい、本物です」


「そっか……」


 俺はどんどん暗くなる視界の中彼女を見つめる。あまりにも神々しい彼女の姿を見ながら俺は気を失ってしまった。

これからは本当に頑張ります……

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