第四層 episode.5
皆さん驚いたでしょう!まさか僕が1日後に更新するなんて思わなかったでしょう!………すみませんこれからは少しずつ早くする事を善処してみます…
「………朝か。ほらみんな起きろ!」
「隊長〜…あと十分だけ〜」
「うるさいさっさと起きろ。じゃないとお前のレーションスミカにやっちまうぞ」
「おはようございます隊長!」
「よろしい」
「おはようカズト」
「……ぉ…おはようございます…」
「最近よく喋るな」
全員ようやく起きてきた。セルフィーがいないと思っていたらずっと朝ごはんを作っていたらしい。
「みんな!テーブルとイス持って来たから座って食べよ!」
ナナセとセルフィー、カズトがイスと机を持って来ていた。
「久しぶりのパン!ちゃんとしたご飯だ!食べられる消しゴムじゃない!」
こんなに喜ぶスミカを見るのは久しぶりだ。確かに従軍する前はお菓子作りが趣味だったとか。
「食べられる消しゴムって……まあそんな味だけどさ〜」
「タクミ。ゆっくり食べるんだぞ。一気に食べると胃に悪いからな」
優雅にパンを食べるアサミの姿はやはり絵になる。なんか絵画でありそうな表情だ。
「わはっは!」
「食べるか喋るかどっちかにしろ。何言ってるのか全然わかんない」
「………」
カズトはやっぱり喋らないが目を見開いてキラキラさせているので多分すごく美味しいのだろう。
「そう言えば君たち急いでるところを引き止めてごめんね?」
「いや俺たちが急いでたのはいつもは暗くなる前に層間のエレベーターのところで野営してるんだけど…そこに暗くなる前に行かないと面倒なことが起きるんだ」
「そうなの……じゃあ怒ってない?」
「ああ、怒ってない」
セルフィーはじぃっと俺の目を覗き込んでくる。
こう見るとやはり顔立ちはかなり良い。蒼い大きな目は海を連想させられるし、ピンクの髪にふっくらとしたくちびる。
ダメだ、これ以上は見てられん。
俺は羞恥に耐えられずに目線を逸らせる。
「………本当に怒ったりしてないから気にするな」
「そっか……良かったぁ…」
先ほどの上目遣いからほっとしたのか胸を撫で下ろした。
いや、突起物のおかげで撫で下ろされてはいないが。
「ん?」
「いやなんでもない。しかしこのパンの焼き加減はちょうど良いな」
「そう?よかった〜」
黙々とパンを食べ続けていたカズトはもう3つ目に突入していた。
身体がでかいだけに今までのレーションは足りなかったんだろう。
「ちょっと待て!スミカ!それ俺が目付けてたパンだから!」
「はあ?私が先に取ったの!目をつけてたぐらいで取らないで!」
「はぁ……お前らパンで喧嘩するなよ……」
「……楽しそう」
「「楽しくない!ってまたカズトがしゃべった!?」」
「朝ぐらい静かに過ごさせてくれ……」
「………うるさい」
「ナナセ。お前もそう思うか」
「隊長も?」
「ああ……まあたまにはこういう朝も悪くないかもしれないな」
「…そうだね」
でもこんな楽しい時間もすぐに終わってしまう。今までだってそうだ。こうやってわいわいして仲良くなっても次の日にそいつが隣にいるとは限らない。
そう…あいつもまたその1人だった。
「どうしたの?」
「いや……なんでもない」
最後のパンのかけらを口に放り込んで出かけた言葉と一緒に水で流し込む。
「ごちそうさまでした。美味かった」
「ねー美味しかった!」
タクミもセルフィーのパンにご満悦のようだ。
今まで食用消しゴムと名高いレーションばっかりだったのでパンが美味しく感じるには当たり前なのかもしれない。
「さてと……そろそろ行くか」
「そっすね〜まあ無線はもう上と繋がってないからだらけて行っても良いんだけどね〜」
「もう行っちゃうの?」
「ん?ああ…さっさと任務を終わらせたいしな」
「………ねえ…どうして?」
急に俯き、初めて会ったときの暗い顔になった。
いきなり雰囲気が変わったのでなにがあったのかと聞く。
「君たちは……上の層の人たちに捨てられたんだよ?なのにどうして……」
「ああ……そういうことか。確かにその通りなんだが……まあそうだな。仲間のところに行ってやらないといけないからな」
「仲間の……ところ?」
「ああ、死んだ仲間のところに行ってやらないと…多分寂しがってるんじゃないかと思ってな」
「………そっか。そうだよね…」
野営の片付けをして荷物をまとめる。テーブルとイスもセルフィーの家に戻して出発の準備は整った。
「楽しかった〜また会えたら会いにくるよ!」
「………またな」
「顔赤くない?カズトはやっぱり可愛い子に弱いなぁ……まあとにかくじゃあねセルフィー」
「楽しかったよ!セルフィーちゃん!」
「うむ、またパンを食べにきたいな」
「………じゃあ…また」
「みんな…またね!」
それぞれが別れの言葉を口にしてセルフィーの前から立ち去っていった。
「さて…俺も行くか。じゃあなセルフィー」
また今度。なんて言葉は出て来なかった。もう会う事も出来ない可能性が高いからだ。
セルフィーに背を向け歩き出す。
「……ショウマくんは………」
すると後ろ手を急に掴まれた。
「……どうした?」
何かを言いかけたので振り返ってみる。するとセルフィーの目には涙が溜まっていた。大粒の涙がポロポロと流れ出す。
「おい……」
「ショウマくんは!……ショウマくんは…また会いにきてくれないの?」
「………」
言葉に詰まった。俺だってまた会いにきて話したりしたい。パンだってまた食べに来たい………でも…
「………わかった。これをやる」
「………?ナイフ?」
「そうだ。俺が大事にしているナイフだ。それを預かっててくれ」
「どうして?大事なものなんじゃ……」
「大事なものだからだ。絶対に取りに来る。約束」
「約束してくれるの?」
「ああ、その時はみんなでまた来る」
「本当に?」
「ああ……」
「そっか……じゃあ待ってるね…絶対来てね…またお話ししよう?」
「分かった」
セルフィーは左手にナイフを抱えて右手の小指を差し出して来た。
「約束!こっちの世界の人たちのおまじないでしょ?」
そっと自分の小指をセルフィーの差し出して来た小指に絡ませる。
「約束げんまん嘘ついたら針千本のーます!指切った!」
ゆっくりと小指を離す。少し寂しそうな表情をしたがすぐに花が咲いた様な笑顔になった。
「またね!ショウマくん!」
「じゃあな、セルフィー」
「………このナイフ……名前が書いてある」
「なんて書いてあるんですか?」
「ウマ」
「馬ですか?」
「最初に2文字くらい書いてあった後があるんだけど読めない」
「びっくりしました。まさか馬なんて言う名前の人がいらっしゃるのかと」
「まあ最初の2文字を合わせたら本当の名前になるんだろ」
ナイフに書いてあった名前について話しながら塔へと続く道を歩く。
急いで書いたので誤字脱字変な言葉遣いが多いと思いますが割愛してくださいまし……




