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第二層 episode.3

「第2階層中央総合病院」と書かれた看板が病院の無駄に大きい入り口に貼り付けてある。だが、その看板には血の飛び散った跡が見え病院という物の不気味さをさらに増幅させている。


「さっさと行くぞ。じゃねえとショウマがゾンビになっちまう。私は別に構わないけど」


「お前は本当に人間か確かめたくなるほど冷徹だなお前」


「躊躇なく私の喉笛掻き切ろうとしてたやつの言う事じゃねえな」


それから3人で病院内へと入っていった。入った瞬間消毒液の匂いがツンと鼻を刺激する。しかしそれは大きな波の様にやってきた腐臭に掻き消された。

 ムッとくる腐臭に眉を寄せつつおそらくカウンターであろう場所へと足を進める。


「……一体どこでワクチンを作ってたか分かるか?」


「多分地下だったはず」


「そうか。どうやって地下に行くか分かるか?」


「大体はな。だが行く方法しかわからない。つまりどこに治療薬があるかは知らないってこった」


「なるほど。まあ地下で探すのはやぶさかではないが取り敢えず行かないと話が始まらない。どうやって行くんだ?案内板には地下ってのはなさそうに見えるんだが」


「地下で極秘に製造されていた治療薬だぞ?そんなところに人間を入れるようなことは絶対にねえって」


「……早くしないと間に合わなくなります。あと2時間ないんですから…」


「ん?あと2時間?あと3時間じゃないか?」


「……ショウマさんが……残り1時間になったら撃ち殺せと………」


「そういうことか。じゃあ早くいかねえとな。着いてこい。こっちだ」


「やっとか」


それから何故か非常階段に連れて行かれた。

 緑の走っている棒人間が書いてある光る看板がついたり消えたりと点滅しながらそこが非常階段の入り口だということが教えていた。その看板の下には鉄製の壁が重く佇んでいた。


「………シャッター閉まってんぞ?どうすんだこれ」


ブレンダ曰くこの上への階段の反対側にあるシャッターの奥に下へと続く階段があるらしい。だが、閉まったままでこのままでは進むことができない。


「……ぶっ壊すか」


「やめとけ脳筋男。ゾンビが音に反応して近づいてくる可能性がある」


脳筋という言葉に少しムッとした表情をしたが無視された。


「だな。だがどうする?ここを突破しないと先に進めないぞ?」


「確かこの階のコントロールルームで開けれると思うからさっさと行くぞ」


「そういうのは早く行ってくれ。俺がゾンビ化したらエルに俺を撃たせることにもなるz…」


「急ぐぞ」


なんだかコイツの使用方法がわかってきた気がする。エルが悲しむと言う単語を出せばこいつは間違いなく言う事を聞いてくれる。

 それから先ほどのカウンターの場所へと戻ってきた。ブレンダはそのまま正面入口から左側の廊下へと向かう。やはり病院と言うだけ気味が悪い。


「ショウマさん…なんか右目が紅くないですか?」


「ん?自分じゃよくわからないんだが」


するとエルは背伸びをして俺の前髪を片手でかきあげてきた。

 蒼く透き通った目が俺の目を覗き込んでくる。

 じっと見つめられていると気まずくなり目を逸らしてしまう。


「目を逸らさないでください。こっちを向いてください」


「何やってんだお前ら!さっさと行くんじゃねえのかよ」


「す、すみません……」


「悪かった」


「エルはいいがお前は許さん」


「理不尽極まりないなお前」


それから紅くなっているらしい目のことには一切触れずにコントロールルームへと到着した。白いペンキで塗られていたのだろうがそれももう塗装が剥がれ赤茶色に錆びた鉄が剥き出しになっていた。


「ここか?」


「そうだ。とっとと入るぞ」


それからコントロールルームに入る。そこには簡素なパソコンが何台かオフィスのように並んでいた。


「さてとどこだっけなー」


それから3人で部屋の中のお目当てのパソコンを探した。ここにも死体や血痕が飛び散っていたりするのでおそらくゾンビが入ってきたのだろう。

 そんなことを考えている場合じゃなかった。パソコン……パソコン……


「あった。これじゃないか?」


「よく見つけたな。えーなになに?パスワード………」


「分からないのか?」


「………」


「どうした?」


急に神妙な顔をし、キーボードを叩き始めた。カタカタと手早くタイプできることを見るとどうやらブレンダはパソコンを使う仕事でもしていたのだろうか?


「開いた!」


エルが歓喜の声を上げパソコンの画面を覗き込む。そこには前に使っていた人間が残してままのシャッターのアンロックのボタンがあった。


「っしこれで行けるぞ…」


「どうした?さっきからなんか変だぞ?」


先ほども食い入るようにパソコンの画面を見入っていたが今は身体に心あらず状態だ。


「………なんでもねーよバーカ」


「うるさい。心配した俺がバカだった」


「やっぱりバカじゃねえか」


「もう否定しない」




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