色欲の魔王セルテシア・ヘキドール
氷龍視点とセルテシア視点が入ります。
「うるさい.........。ドラゴンを刺激するなよ。ただでさえ、うるさいのにもっとうるさくなる。」
「悪りぃ悪りぃ。ちょっと、気分が高揚してな。久しぶりに手応えがありそうなドラゴンと闘うんでな。」
「ちゃんと、倒して。俺はアッチのドラゴンを討伐するから.........。お前は親玉と闘っといて。」
「へいへい。そんじゃ、行くぜ!」
相変わらず戦闘狂だし。はぁ〜、めんどくさい。
早く寝たい。だから、早く終わらせる。
「このドラゴンは赤いから火竜?なら、水か氷.......。俺との相性は最高に悪い。なら、早く終わらせる。
異能:神獣召喚―――氷龍!」
『何だ?ここは何処だ?我は確か天界で朱雀を殴っていたはずだが.........?』
「神獣召喚を使った。だから、ここは今人間界.......。」
『ふむ........。其方が我を呼び出したのか。なるほど。確かに強いな。あの神が言っていた通りだ。よし、召喚者よ。我に何を望む?』
「アレを倒してほしい.........。」
『ふむ。火竜か........。だが、召喚者なら簡単に倒せるであろう?何故、我を呼んだ?』
「倒すのが面倒だから。それと、セルを助けないといけない。アレはセルじゃ相性が悪いから.........。」
『ふふ、ははは!良いだろう!我が此奴らを倒そう!召喚者は色欲を助けに行くと良い。』
「知ってるんだ.........。」
『まあ、いつも見ていたからな。」
「そうか.........。じゃあ、よろしく。報酬は、何でも言って..........。」
そう言って俺はセルを助けに行く為に氷龍の下を去った。
♢♢♢
氷龍視点
『そうか!それなら、我は決めたぞ!我は召喚者........いや、ルウと契約をする!ふふ、ははは!まさか、此奴らを倒すだけで契約出来るとはな!他の奴らには悪いが我が最初の神獣契約だ!』
『グルル。ジャ、マ、スルナ!オレ、タチハ、コロ、サナケレ、バ!アノ、オカタ、ノ、タメニ!ル、ルキウス・レインバーグ、ト、シリウス・アルノルド、ヲ!』
『あぁ”?今、何と言った?我の契約者を殺すだと?貴様はただでは、殺さないぞ!氷龍の息吹き!』
『ナ、ナンダ、ト!オ、オレの、ハ、ハイカ、ガ!オ、オマエハ、ナニモノダ!?』
『ふん、我を知らない竜とはな。やはり、ただの雑魚だな。だが、ただの雑魚の分際で我の契約者を殺すなどと許さんぞ!』
そう言って我は雑魚を殴った。殴り続けた。殴り続けて何分か経った頃には雑魚は死んでいた。
まだまだ、物足りなかったが契約者が闘っている気配がしたのですぐに飛び立った。
♢♢♢
セルテシア視点
「くそっ!この竜、耐性持ちかよ!?これじゃ、ジリ貧だ!あ〜、くそっ!やっぱ、シウの依頼を受けんじゃなかった!アイツ、生きて帰れたら絶対にぶん殴る!まあ、本当に生きて帰れたらだがな。」
ヤバいな。体力ももう限界だ。魔力も底をついた。
こりゃ、死ぬな。覚悟はしてたが、死ぬとなると心残しが多いな。ルキウスは、悲しんでくれるだろうか?いや、その前にあの竜を殺すかもな。結局は俺の方が助けて貰ってたんだよな。
「はは、情けないな。まさか、死ぬのが怖くなる日が来るなんてな..........。ぐはっ!うっ、くそっ!」
身体がもう動かない........!これまでか.........。
はは、俺も長生きしたもんだ。いや、そうでもないか。アイツの笑ってる顔をもう一度見たかった。
それに、セルディアとも話し合いたかった。
「悪いな。ルウ.........。」
「何をやっている?」
「っ、ルウ!?」
「久しぶりに聞いた。お前が俺の事ルウって呼ぶの。」
「い、いや、そんな事よりな、何でここにいるんだ?アッチは?どうなったんだ?」
「氷龍に倒してもらってる。」
「ははは、神獣呼ぶとか反則だろ........。」
「大丈夫か?」
「いや、死にかけてるよ。」
「そうか.........。」
ははは、あんまり心配してないんだな。まあ、アイツが怒る訳ないか.........。何期待してんだよ俺は。
アイツは、感情を表になんて出す訳ないだろ。
『ジャマダ!イマスグニソコヲドケ!ソノゴミヲショブンスル!』
「ゴミとは誰の事を言っている?」
『ソコニナサケナクシニカケテルヤツシカイナイダロ?ソノハンパモノモノヲコロス!ハンパモノハイラナイ!』
半端者か.........。確かにそうだな。
俺は半端だ。人間でもあり魔族.........。
簡単に言って半人半魔だ。半人半魔は異端。そして、半端者と呼ばれている。だから、居場所がない。
そんな、居場所がない俺を受け入れてくれたのはルウだけだった。俺は嬉しかった。ルウは俺を拾ってくれた理由は言ってくれなかったけど、俺は嬉しかった。利用されても、俺はルウの側にいたかった。だから、今もルウの側にいたいのは変わらない。けど、俺は半端だからルウの下を去ってしまった。そんな俺を見つけてまた受け入れてくれた俺は柄にもなく泣いた。
嬉しくて.........。
「セルはゴミじゃない。セルは強い。お前なんかよりずっとな。だから、その口を閉じろ。そして、セルに謝れ。セルは強い!そんな、セルをお前が貶し良い相手じゃない!」
ルウ.........。怒っている、のか?まさか、俺の為に?あんなに、感情を表に出さなかったアイツが?俺の為に........?はははま、マジで今日は柄にもなく泣きそうになる時が多いな。だが、嬉しい。ルウが俺の為に怒ってくれる事が.........。
『ニンゲンゴトキガチョウシニノルナァァァ!』
「黙って消え失せろ。氷華の舞!」
『ナ、ナンダコレハァァァ!ギャァァァァ!』
そう叫びながら消え去った竜..........。
「ルウ........!無事か!?怪我はないか!?」
「大丈夫だ。お前は大丈夫じゃないみたいだけどな。ごめん。来るのが遅くなった。本当にごめん。」
「大丈夫だっつーの!気にしてないからな。ははは、情けないぜ........。アレだけ大口叩いてこのザマだ。情けなさすぎるな。」
「いや、セルは強い。アレだけ、持ち堪えんだから凄い方だ。あの竜、お前の魔力を吸収してた。」
「だから、あんな早く魔力が尽きたのか..........。」
「あぁ、それにアイツ急に魅了耐性をつけていた。多分、お前を殺す為に耐性を持たされたんだろう。だから、お前は凄いんだよ。言っただろ?お前は強くなれるって..........。」
「そう、だな.........。こんなところで、クヨクヨしててもしょうがないしな。」
『終わったか?』
「あぁ、おかげ様でな。で?報酬は?何が良い?」
『我と神獣契約をしてほしい。』
「そんなんで良いの?良いよ。やろうか、神獣契約。」
『そうか!では、我の名前を考えてくれ。』
「了解..........。名前..........。アスラ.......。アスラは?」
『ふむ。良い名だ。では、我の名前はこれからアスラだ!』
「契約完了。アスラはこれからどうするの?」
『無論、契約者について行くぞ?』
「契約者はやめて。ルウで良いから。」
『ふむ、分かった。』
「でも、その姿じゃ無理だろ?擬態とか出来ねぇの?龍なら出来るだろ?」
『まあ、出来なくはないぞ?ルウが言うならばだがな。』
「じゃあ、擬態して?目立つし。」
『分かった。』
アスラが擬態して人間の姿になった。
「お前、めっちゃイケメンだな?しかも、身長俺より高いし.........。許さねぇ。」
「貴様の嫉妬は見苦しいな。見よ、我の完璧なる擬態を!貴様よりカッコイイだろう?」
「チッ、うぜぇ。なぁ、コイツ殴っていいか?」
「ボコボコになりたいなら。」
「いや、確かになりそうだな。やめとくわ。」
「ふわぁ〜。眠い........。早く帰りたい。」
「じゃあ、帰るか.........。」
「ふむ。ルウは本当に怠惰だな。」
「いつもの事........。」
「だな。んじゃ、飛ぶぜ?転移。」
「使えるようになったんだ........。」
俺が転移を使うとルウが話しかけてきた。
「そりゃあ、便利だしな。」
「ふぅん。そう........。」
本当は褒めて欲しくて死にもの狂いで練習したなんて言えねぇし。
「それだけではなさそうだがな。」
「チッ、うるせぇ!余計な事言うんじゃねぇ!」
「........よく出来てた。さすがセル.........。」
「え?.....あ、当たり前だっつーの!」
び、びびった。ルウが俺を褒めるなんてな。珍しい。
でも、嬉しい。練習したかいがあったな。
「素直じゃないな。素直に嬉しいと言えば良かろうに。」
「.........セルは、素直。すぐに顔にでるから分かりやすい。」
「は?お、俺ってそんなに顔に出てたか?」
「いや、さっきはそこまでだったから嬉しかったのかは分からない。」
「な、なら、良いか.........。」
「ついた.........。寝よう。おやすみ.........。」
「は、したらダメだからね?」
「し、シウか.........。俺は眠いから寝たいんだが?」
急に流暢に喋ってやがる。俺たちへの態度が嘘みたいだな。
「ダメだよ。ちゃんと、報告書を書きなよ?嫌なら僕がバッサリ切ってあげるよ?その邪魔な前髪を.......。」
「わ、分かったから!か、書くから前髪絶対に切るなよ!?」
「はいはい。分かったよ。」
そう言って、ルウは逃げるように自分の部屋に転移した。
「で?何で俺は序列3位になってるんだ?俺は抜けたはずだが?」
「ムカついたから。逆にそれ以外に理由ないでしょ?君は相変わらずバカだね。ちょっとは、学習しなよ。」
「相変わらずだな。その態度........。ルウに見せてやりてぇよ。」
「そんな事したら君を殺すよ?ルキに知られる訳にはいかないからね。」
「急に黒くなったな。さっきまで、真っ白だったのに。今では真っ黒だ。びっくりだ。」
「君、誰?見た事ない顔だけど?」
「ふ、よくぞ聞いてくれた!我は神獣氷龍のアスラだ!ルウと神獣契約をしてルウの配下になった!」
次回もお楽しみに!




