無能者
三ヶ月後の学院生活を書きました。
そして、ついに色欲の魔王娘との対面!
あれから、三ヶ月が過ぎた。俺は今順調に無能者を演じている。シウのおかげで疑われずに無能者を演じられるから助かったな。もちろん、序列が書かれているライセンスも細工してあるから絶対にバレない。
「おい!聞いているのか!ルシリア・ノートン!」
ルシリア・ノートンそれが、この学院で使っている俺の偽名だ。だが、いまだに慣れないな。その呼び方は。だから、反応が遅れてしまう。
「何ですか?先生.........?」
「はぁ〜、貴様はいつになったら人の話しを聞くんだ!今は授業中だぞ!ちゃんと、集中しろ!」
「はい........。」
「先生〜、コイツに言っても意味ないですよ?序列最下位ですよ?なんで、最下位の為に授業を止めるんですか?放って置けば良いじゃないですか。」
「ははは!確かに!ていうか、何で最下位が学院に入れたか聞いてみたいくらいだしな?」
「どうせ、裏口編入だって!」
とまぁ、いろいろな悪口を言われている。もちろん、興味ないから全て受け流しているが.........。
だが、肝心の監視対象が見当たらない。もう、編入して三ヶ月経っているが全然見当たらない。色欲の魔王の娘だから確実に目立っていると思ったんだが.............?完全に安請け合いし過ぎたな。簡単だと思っていたのにな。
俺が簡単と思っていた理由は2つある。まず、魔族だから目立っていると思ったからだ。それに加えて、色欲の魔王の娘だ。完全に噂が出ていて見つけやすいと思った。
二つ目は、容姿だ。色欲の魔王の娘だから完全に色欲と同じで容姿が整っていると思ったからだ。だから、分かりやすいと思ったんだがな。
まあ、まだ2年以上あるから問題はないんだがな。
ていうか、眠い。.......よし、授業サボるか。
そうして、俺は透明化して教室から出て寝床を探している。
「確か、ここら辺に寝心地が良さそうなところがあったんだが.........?」
「誰!?お前、何者?」
「俺はここの学院生だが?というか、お前こそ誰だよ?見ない顔だが?しかも、一年だから同じ学年だよな?だが、見た事ないな..........。」
「それは、そうでしょうね。私は違う校舎だから。私は優秀な成績なんだから当然ね。」
「へぇ〜、で?だから、お前、誰だよ?」
「え?本当に知らないの?私よ?入学式に生徒代表を務めたセルディア・ヘキドールよ?」
へぇ〜、こいつが色欲の娘か.........。全然、似てないな。特に性格が。
「ふぅ〜ん、あっそ。じゃあ、おやすみ。」
「へ?は?え!ちょ、ちょっと待ってよ!そ、それだけ?」
「何が?」
「私と会ったのよ?それだけ?言う事それだけ?」
「まぁ、興味ないからな。聞いても意味ないし。」
「わ、私は色欲の魔王の娘なのよ!?だ、だから、もっと、私を見なさい!」
「無理。いくら、親がすごくても自分が凄くなきゃ見てもらえない。みんなから.........そして、親からも。だから、お前は頑張りな。.........俺みたいに後悔すんなよ?それじゃあ。」
「あ!ちょ、待っ!」
何であんな事を.........?俺がアイツに同情したから?それとも、アイツが色欲の娘だから?
いや、ただ昔の俺に少しだけ似てただけだからか........。俺も親に見てもらいたかったからな。分からなくもない。
?待てよ?それじゃあ、色欲はアイツの事を見てないのか?まさか、ずっと遊び惚けているのか?あの、色欲の事だから有り得なくはないな。
..........本当に嫌になる。これ以上昔を思い出したくないのに........!
だが、良い機会だな。俺もちょうど色欲をボコボコにしたかったところだし。良い理由が見つかったな。
「じゃあ、行くか..........。色欲のところに転移。」
..........最悪。最悪のタイミングだった。よし、帰るか.........。そういえば、俺は寝てなかったよな。
帰って寝ないとな...........。
「てん..........!」
「やっぱりか.........。何でここにいるんだ?」
「.........別に。」
「ははは、相変わらずだな?そんなに、俺に会いたかったのか?だが、悪いな。今はコイツらの相手をしていたからな。」
「........理由は?」
「さぁな。忘れた。」
「........ごめん。俺のせいで........。」
俺の為に殺したんだよな.........。情けなさすぎ。
自分が弱過ぎて嫌になる........。いくら、力があっても精神面が弱かったら意味がない。
「気にしてないさ。それより、顔はまだ隠してんだな。良い加減に、前髪切るとか上に上げるとかしたらどうなんだ?」
「嫌だ.......。」
「何でだ?昔はそうじゃなかっただろ?」
「.........瞳の色が不気味らしい。それに、俺も自分の顔嫌いだし.........。」
「不気味........?何処がだ?綺麗だと思うがな。で?誰がそんな事言ったんだ?」
「.........覚えてない。いちいち、覚える必要ない。」
「という事は結構な人数に言われたって事か?」
「..........知らない。」
「はぁ〜、本当にお前は.........。」
「何故、俺を学院に行かせた?」
「........何の話だ?」
「シウから聞いた。お前が俺に指名依頼をしたと。俺に勉学は必要ない。だから、学院に通う理由が分からない。シウに何かあったらすぐに行けないし........。」
「はぁ〜、シウの事心配しすぎだろ?シウなら大丈夫だって。」
「..........お前の娘必死だった。」
「は?.........セルディアの事か.........。アイツはよく分からないんだよな。何故か俺と話してくれないし。」
「........お前に見てほしくって必死だった。一体、お前は何をしていたんだ?何故、セルディアを見てあげないんだ?」
「.........見てる.........つもりだったんだがな。本当につもりだったらしい。」
「アイツは........頑張ってる。だから、褒めてあげるくらいはしたらどうだ?」
「.........そう、だな。これからは、そうするか........。」
「それと、バイスが怒ってた。魔王なら、他の魔王も止めろって言ってた.........。」
「あ〜、めんどくせぇな。無理に決まってんだろ?色欲の権能は、魅了だぞ?闘ったら俺が完全に負けるつーの。」
「闘う前提.........。魔王は戦闘狂なのか........。」
「いやいや、俺は違うからな!?アイツらと一緒にするなよ!?」
「魔王の権能に覚醒した奴は?」
「ん〜と、俺の色欲の権能とシウの暴食の権能だろ?後はお前の憤怒と怠惰、傲慢の権能。それから、嫉妬と強欲だ。で、厄介な事に憤怒と怠惰と傲慢、暴食の権能を持っていると言っている魔族がいるんだよ。」
「権能は二つもないはずだが?」
「あぁ、だから、ソイツらが嘘言ってるんだよ。けど、ソイツらが本当に権能を使いやがったんだよ。」
「.........異能じゃないのか?」
「.........異能に大罪シリーズがあるのか?」
「........ある。けど、異能の方が使い勝手が悪いし危ないから一部の奴らしか知らない。」
「........そうだったのか.........。ちなみにだが、シウとお前が実は異能の大罪だったとかは.........?」
「それはない。シウはちゃんと暴食の権能を持っている。そして、俺も.........。」
「そうか.........。ややこしくなって来たな。」
「仕方ない。俺たちが権能を持っている事は絶対に言えないから.........。」
「まあ、そうだよな。人間が魔王の権能を持っているのはただ事じゃない。それに、ただの人間が魔王の権能を3つ持っているなんて言った日にはお前は絶対に殺されるだろうな。」
「大丈夫.........。どうせ、死なないから。」
「そういえばそうだったな。で?我等が神様は一体何を考えてるんだ?」
「知らないし。興味ない。アイツの事なんて........。」
「お前も随分厄介な奴に好かれたな。同情するぜ。」
「別に.........。普通.........。」
「アレが普通なら俺たちへの態度はどうなんだよ............。お前、異能は大丈夫なのか?また、異能増えたのか?」
「........押し付けられた。また、言いくるめられた。」
「あはは、まあ、お前じゃ無理だろ?ていうか、何でバイスはお前に異能を与えているんだ?」
「知らない。.......だいたいは代償で貰ってるから。」
「ふぅん。じゃあさ、何でバイスはお前を死なせたくないんだ?」
「.........どういう意味?」
「そのままだよ。異能を与え続けてるならそういう事だろ?それに、死者蘇生を与えてる時点でそうだろ?」
「........そうだったのか.........。てっきり、俺にもっと強くなれって言ってるのかと思った.........。」
「お前な.........。マジで恋愛になるとポンコツになるよな。」
「何故、そこで恋愛の話しになる?」
「.........いや、マジか.........。まあ、俺が言わない方が良いよな。」
「よく分からないけど俺は帰るから.........。」
「はいはい、どうぞお帰り下さい。」
そして、帰ろうとするとスマホが鳴った。
.........討伐任務.........。近い........。まさか、俺が近いから討伐任務が.........?
「何だ?帰らないのか?」
「討伐任務が来た..........。帰りたい。眠い。」
「はぁ〜、相変わらず怠惰だな。けど、早く行かないとシウが怒るぞ?何で早く行かなかったんだって。」
「..........シウなら言いそう...........。」
「それに、お前最近戦闘してないだろ?だから、なんじゃねぇの?序列1位が最近戦闘してなかったからって魔王に負けましたじゃシャレにならねぇし。」
「お前が序列1位になれば良い。」
「嫌だよ。それに、俺が一応魔王だぞ?無理だろ。」
「俺も魔王で序列1位だけど?」
「そうだったな.........。大変だな。まあ、頑張れよ。」
「お前はもう序列に入ってるから.........。」
「はぁ!?何でだよ!?俺、抜けただろ!?」
「お前は序列3位.........。シングルスだって........。」
「序列3位か.........。中途半端な数字だな。」
「お前なら序列2位になれる。だから、今度は会議に来い。シウが怒ってる。」
「うわ、マジか..........。シウは怒るとおっかないからなぁ。...........ちなみに、その会議はいつだ?」
「.........明日。ついでに、セルディアに会いに行けば良い。」
「そうか........。明日か.........。休んで良いか?」
「シウが次来ないとお前の顔を食べるって言ってた。」
「おいおい!暴食の権能を持っている奴が言ったらマジでシャレにならないぞ!?それに、この俺自慢の顔を食べるとかなんて恐ろしい事を言うんだ!」
「.........顔が自慢.........。お前らしい。..........シウに食べられたくなかったら明日の会議来れば良い。ただそれだけ。そして、討伐任務手伝って?」
「お前........。嵌めたな?だが、断ったらシウに怒られるよな?はぁ〜、仕方ないか.........。まあ、いいぜ?」
「じゃあ、転移。」
「うわっ、ビビった。いきなり、転移使うなよ。」
「いた、けど..........。」
「ドラゴンじゃねぇか!?俺、やっぱ帰って良いか?ドラゴンはめんどくさいからあんまり闘いたくないんだよ。」
「倒せないとは言わないんだ。」
「俺を誰だと思ってるんだ?俺は色欲の魔王セルテシア・ヘキドールだ!だから、ドラゴンなんて楽勝に倒せる!」
大声でドラゴンに向かって言ってドラゴンを挑発していた。
次回もお楽しみに!




