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 交換品のポイントを下げる事が出来ると判明してからは、以前よりなお一層精力的に神の力を貯めている。オレ以外のメンバーもやる気マンマンだ。


 それにただの草原とはいえ景色が変わったのもいい。リクライニングチェアーに寝っ転がって川の流れを見ていると癒される。アレってなんだろうね?波打ち際とかさ~永遠に見てられるよね。単調な通路に囲まれて休憩するより、造り物とはいえ自然の中で休んだ方が何倍も気持ちいい。


 同じ作業をこなしながら瞬く間に日が過ぎていく。気が付けば1週間以上経っていてレベルは49に。そこまでの間には多少のイベントがあった。




 まずは狩猟組合の定期狩りだ。

 やる事は大して変わらない。今回もオレが誘導役だ。この作戦も2回目だから変な緊張はもう無いし、もともとオレにとっては余裕の内容なんだ。

 前回と少し変えたことがある。前は誘導時にグレートボアの体力や足回りをかなり消耗させたけど、今回はそうしてない。オレがいなくても安定して狩れることは今後にとって必須条件なので、できるだけオレの力を落として参加したほうがいい。

 組合長のヴィルさんにも参考になるように人間として限度のある動きを見せている。ヴィルさんだって何十年も培ってきた経験があるんだ。オレの動きを見て理解して自分流に落とし込むことぐらい難しい事ではないだろう。

 そして問題なく狩りは終了した。前回と同様で皆の笑顔が弾ける。




 次に語るべきは新ダンジョンの情報発表と課長補佐とのやり取りだ。

 オレが新ダンジョンの情報を一気に渡して発破をかけた日からきっかり8日後の3月4日、課長補佐の名前を以って大々的にキールのダンジョンが生まれ変わったことを内外に向けて発表。あまり歓迎できないがオレの名とパーティーも売り出し中らしい。知りたくなかったので詳しくは聞かなかった。

 その発表の中でこの新ダンジョンに関して対応や調査をする専任チームの発足も通知。従来の管理業務とは分けて新規項目に関しての諸々を取りまとめるらしい。

 課長補佐は昇進してこの専任チームの課長に就任。またこのダンジョン管理施設の副施設長を兼務することも決まる。

 まだ情報を発表しただけの段階なのにいきなりの大出世だ。何かありそうなので課長補佐に、いや専任課長に聞いてみたところ、



「一番大きな要因はアルル様です。アルル様が所属しているパーティーの対応が現在私に一任されているので私自身にある程度の地位と権力が必要と判断されました。次に同じ理由でリク様の対応です。最後にこの新チームの意志決定と判断を即時くだせるように副施設長の権限が与えられました。

 そしてこれはリク様に話してはいけないことですが、リク様から頂いた金貨100枚相当の魔石が非常に効きました」



 ということだったよ。




 あとは細かい事になるが何点か。


 武器の再作成が終わった。ドワーフもどきによると合金ぽくして比重を重くしたらしい。オレがもっと重さが欲しいって言ったからだろう。正直そこまでの差はなかったがありがたく受け取っておいた。ダンジョンの最下層に保管しておく。


 管理ゲート課とホテルの受け付けにオレ宛ての面会要望が複数来たようだ。忙しいとの理由で全部断っている。地位が高くて権力のある奴がくると断れなくて面倒だな。あ、しまったこれフラグか。


 斡旋所から通達。オレを含むオレのパーティー全員の人頭税が免除されたらしい。年に2回払うことになっているアレだ。そりゃそうだろう、その税の何万倍も既に支払っているんだしそんな小さな金額は今更どうでもいいだろう。手間がかかるだけだ。


 税で思い出したがダンジョンの受け付けで騒ぎを起こした罰である税ペナルティも終了した。魔石の換金額が一定に達するか、または全部で10回探索した分に追加税が掛かる仕組みなんだ。オレの場合は1回あたりの額が大きいので1回で終了した。管理ゲート課は潤ったようで『また騒ぎを起こしてください』と顔に書いてあった。




 さて些事はもういいだろう。他にも色々あったがつまらない話ばかりだ。いよいよメインイベントに移ろう。貯めた力をどう使ったかだ。

 貯金を再開して3日、まずは当然ダンジョンの改装に神の力を大量投入だ。何を変更するか散々悩んだが、最下層のフィールド層に外界との出入口を3つ設定した。たった3つでとてつもない力を消費させられたよ。設定しただけでまだどことも繋がってない。

 力を大きく消費したことで交換ポイントも下がる。かなり下がったよ!やったぜ!それからも飽きもせず毎日毎日神の力を貯めて、せっせと欲しい物を交換していく。


 何に換えたか気になる?

 いいでしょう。公開しましょう。いくぜ!




 ルル、ロロ

 ちゅるちゅる大量、将棋盤と駒

 キャットタワー



 アルル

 魚獲り用の網(実際は虫取り網しかなかった)

 釣り道具、金魚のキーホルダー



 ミューズ

 たこやき器、食材(本当に作る時に交換)

 化粧品、歯ブラシ、歯磨き粉



 アイ

 棚各種、衣装ケース

 辞書、百科事典、他書籍



 オレ

 キャンプ用品(机、椅子、調理器具、

 カセットコンロ、ガス缶)



 共用品

 みんなで意見を出し合い、オレが最終決定

 大テント、極小テント、簡易ベッド、簡易トイレ

 ソーラーパネル一式、冷蔵庫、清涼飲料水

 タオル各種、シーツ各種、クッション各種

 その他小さい雑貨



 本当は全員家を欲しがったんだけど、下がったとはいえ家の交換ポイントは未だ莫大だったので保留。かわりに大きなテントを用意した。この交換リストはキャンプ用品が変に充実してるな。

 川沿いのキャンプ地にテントを設置して家具類やその他全てを中に運び込む。みんなの居住スペースの完成だ。テントの前にはオレのキャンプセットが一通り並んで憩いの場に。テントの入り口と反対側の背面にソーラーパネル関連を設置して電源を確保。

 最後に極小テントを簡易トイレと一緒に川下へ大きく離れた川沿いの場所に設置。自分で川の水で綺麗にするか、時間が経てばダンジョンの地面に吸収されるような構造にしておく。ちなみに生理現象があるのはオレとミューズ、アルル、ロロ。つまりルル以外だな。


 大テントの中の配置はこうなっている。

 入り口から入って真正面の最奥にキャットタワー。ルルロロの定位置になる。向かって右手の壁には各種棚があり収納スペースだ。棚には雑貨が満載されている。予備に作った魔杖やミューズの前世の服なんかもある。棚と同じ並びに積み重なったプラスチックの衣装ケース。最後に冷蔵庫と大きなゴミ箱。

 向かって左手には簡易ベッドが2つ壁沿いに縦に並べてある。中央は空いているがクッションが散乱していて主にアルルが暴れている。


 オレとミューズはテント前のキャンプセットでゆったりくつろぎながら、冷蔵庫で冷やした飲み物を飲む。16年ぶりに飲むコーラは刺激的すぎたよ。


 これが交換を進めて配置した現在の状況だ。前に比べたら天国と言っていい。ホテルに帰りたくなくなってくるがそういうわけにもいかないのがつらい所だ。

 どうかな?夢とロマンがあるだろ?とりあえずの欲望を満たしたので、いまは前ほど神の力貯めに積極的ではない。せいぜい受け付けに魔石を出す用の討伐をちょこちょこだ。しばらくはこれでいい。ちょっとゆっくりしようと思う。


 心に余裕が出来たのでいままで気にしてなかった事に興味が湧く。この交換リストの出自だ。だれがどんな経緯で始めたのか。ベースとなっている日本の家庭は一体なんなのか。

 ルルにお願いしてヒマな時に大神に聞いてもらったら、ざっくりとこんな説明が返って来た。


 ダンジョンが初めてできた時と同じころ。つまり超大昔だな。その頃にはダンジョンのアイデアを出した転生者が居た筈だが、それとは別に『転移者』が居たらしい。

 転移者とはオレとは違いこの世界に生まれ直した存在ではなく、前世からそのままこの世界に引っ張られた者らしい。つまり前世で死んだわけでもないのに無理矢理ここに招待されてしまった存在だ。おっそろしく悲惨な話だな。

 レア中のレアな存在で後にも先にもその1例だけだろうってさ。んでこの世界に引っ張られる際に周りごと全てこの世界に顕現したんだと。

 つまり()()()ってことだろうな?リスト見る限り一般家庭だし、明らかに子供もいるしペットもいたはず。家族とかどうなったんだろうね。

 詳細はもう不明なんだけど、とにかくその転移者と初期ダンジョンのアイデアを出した転生者と神々が結託してこの交換システムを産み出したんだってさ。ここが飛躍しすぎだよね。わけわからん。


 背景はわかったが、ぶっちゃけ何もわかってないに等しいな。

 それでもこれからもせっせと交換するだろう。


 転移者にひとつだけ言っておく。



 キャンプにドはまりしてくれててありがとう!!

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