表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
某国大統領、異世界転生する。  作者: シンジ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/61

第34話『激闘の果てに』

 闘技場は、地鳴りのような轟音と閃光に包まれていた。

 闘技場の中央、カードとサンズの激突が繰り広げられている。

「ほう、やるじゃないか! 」

 サンズは笑い、背中から生えた黒い異形の腕を振るう。

 ……バシュッ!

 その腕は生物のようにしなやかに動き、四方八方からカードに襲いかかる。

 カードはジャブを打ち、ローキックを入れ、プロレス技で締めにかかろうとするが……

「甘いな! 」

 4本の腕が、まるで未来を予知するかのように動き、カードの技を封じていく。

 チョークスリーパーを試みれば腕が首を引き剥がし、スープレックスを狙えば背中から逆に押さえ込まれる。

(くそっ……! )

 カードの額に汗が滲む。

 鍛え抜かれた肉体でも、次第に疲労が積み重なり、息が荒くなっていく。

「ほら、どうした!セルフファーストじゃなかったのか!? 」

 サンズの嘲笑が響く。

 観客席では、スラムの住民たちが声を枯らして叫んでいた。

「カードさん、負けるな! 」

「あなたならやれる! 」

「私たちに希望を見せてくれ! 」

 ……その声が、届く。

 カードはゆっくりと、しかし確実に立ち上がる。

 拳を握りしめ、顔を上げると、わずかに口角を上げて笑った。

「そうだな……私は、私のために戦う。だが……私を信じた者(支持してくれた者)を裏切るのは、私の流儀じゃない」

 サンズの黒い腕が、最後の一撃を振り下ろそうと迫る。

 ……だが、その瞬間。

 カードの体が一閃した。

 腰を落とし、低く潜り込み、両脚で地を蹴る。

「はああああっ!! 」

 両腕でサンズの体を抱え上げ……

「なんだとっ!?」

 サンズの巨体が宙に舞う。

 闘技場のライトが照らす中、サンズは高く、高く放り投げられた。

 そして……

「これで終わりだ……! 」

 カードは地面を蹴り、急上昇。

 落下してくるサンズを空中で逆さまに抱え込み、急降下に転じる。

 ……ズドォォォォォン!!

 地面が砕け、闘技場に巨大な亀裂が走る。

 観客席が揺れ、悲鳴と歓声が混じり合った。

 カードの必殺技、セルフファースト・パイルドライバーが決まったのだ。

 リング中央、粉塵が舞う中、カードは立ち上がり、サンズの意識を失った顔を見下ろした。

 ゆっくりと口を開き、宣言する。

「……サンズ。お前は、クビだ」

 その瞬間、会場全体から歓声が爆発した。

 スラムの住民たちが泣き笑い、互いに抱き合い、勝利の瞬間を讃える。

 VIP席の金持ちたちは逃げ惑い、カジノの従業員たちは動揺し、黒い霧はスッと消え去っていく。

 カードは拳を高く掲げ、叫んだ。

「……覚えておけ!セルフファーストの意味を! 」

 粉塵の中で、カードの笑顔はどこまでも誇らしげだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ