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パメラさんでもいいよね?

前回「暫くほのぼのなんてクソクラエ!」などと、ほざいておりましたが、今回もほのぼの?です!ごめんなさい!


最後に、これは自分事なのですが…。

この【いいよね?】に、な、な、なんと「続きはまだか?」との御意見が!グハアー!そこまで期待?されていると思うと感謝で目から涙g--

はっ!泣いてなんか無いんだからね!



「さて、今日も愛しのレイお嬢様のために頑張りましょう。」



私、パメラ・ルーネカンヌが、この御屋敷に勤めて、もう4廻りが過ぎてしまいました。


最初は憧れの【白き戦姫】リディア様に弟子入り志願するために御屋敷に近づいたのですが。

その時リディア様は【轟鬼】ガイン様と御結婚なされていて、既に御子息もいらっしゃった事もあり。

『わたしはぁ、もう家族のため以外では戦わない事にしたのよぉ、弟子を取ることもまたしかりねぇ』

と、みごとに玉砕したのです。

しかし、お優しいリディア様は。

『師に連絡をとってみるからぁ、そっちに弟子入りしたらいかがぁ?』

と、ありがたい御言葉を、私になげかけて頂いたのですが、私はリディア様以外に弟子入りする気はさらさら無く、これをお断りして帰ろうとしたところ。

『今日は泊まっていったら?』

の御言葉に甘え、その日は御屋敷に御世話になることになりました。


………内心、隙あらば何らかの技能を引き出せないだろうか?との考えが、ほとんどでしたがね。







……

………

………







「グギー!!グキョーーー!!!!」



その次の日はプポル鳴き声で普段よりも早く眼が覚めてしまい、屋敷内を宛もなく歩いていると、廊下で倒れているリディア様を発見しました。

すぐに駆けつけるも、あまりの予想外の事に慌てふためくだけの私をリディア様は優しくさとし。

『赤ちゃんができたみたいねぇ』

とのことでした。


私がその一言で別の意味で慌てふためいたのは、今は恥ずかしい思い出ですね。


そして、この事をガイン様に伝えると、すぐにリディア様は御自身の自室に運ばれ、ベッドの上へ。

それから暫くガイン様とリディア様と私で談笑していたのですが、今日という日に運命的な何かを感じた私は、ある一言を言ってしまいました。

「この御屋敷で使用人として働かせてほしい。」と。

この言葉に、お二人は少し驚いたように。

『本気なのか?』

と聞いてこられました。


それもそのはず、この世界において誰かの下で働くと言う事は、姓を持たない者にしか出来ないこと…。

つまり姓を持つ私が、このヴォルヘイム家で働くとしたら、ルーネカンヌの姓を棄てなければなりません。


普通、姓という物は、貴族や英雄か、それに準する者、またはその方の伴侶になる者にしか名乗る事を許されてはおらず、それは絶対的な誇りであると共に強力な後ろ盾なのです。


そんなものを自ら放棄すると言った私は、周囲からするとさぞかし愚か者に見えた事でしょうね。


そして、お二人もそう思われたのか、私の申し出を、お断りになられましたが、私の3夜にわたる説得の上、ようやく了承して頂いたのは、今でもありがたい事です。


そうして私は姓を棄て、ただのパメラとなり暫く働いていたのですが、時折「何故こんな事をしたのだろうか?」と、考える時がありました。

しかし、そんな愚かな考えは1廻り後、レイお嬢様が、お生まれになられたさいに吹き飛ぶ事になったのです。


あの日は静寂の月の終わり頃だったため、まだ寒さが残っていました。

おそらく今日がリディア様の御出産になるだろうと、医師でありガイン様の姉君であられるナルハ様がおっしゃった事もあり、朝からピリピリした空気が漂っており、その時を今か今かと待っていた時、リディア様の体調が急変し破水がおこったのです。


私はすぐにナルハ様をお呼びし、お湯などの準備をしていた後にガイン様を呼びに行ったのですが、その間にレイお嬢様がお生まれになられた様子で、戻って来た時には扉の外で既にナルハ様がお待ちになっていらしたのです。


何事も無くて良かったと思いながら、ガイン様の後に続いてリディア様の部屋に入り、産まれたばかりのレイお嬢様のお姿を拝見したその時私は全てを納得しました。







あぁ…、私はこの方にお会いするためにここに来たのだと。







そう感じた瞬間、涙が溢れ出し今までの疑問やルアズのクソガk---ゲフンゲフン、ルアズ坊ちゃまの我が儘による苦労等を洗い流されたかのように感じたのを、今でも思いだせます。


そして私は基本的に、レイお嬢様専属として働かせていただく事になり、今に至るのです。







……

…………

………………







「…少し(ふけ)ってしまいましたね。」



私はすぐに着替えて、朝食作りのためキッチンに向かうと、そこには既にリディア様がいらっしゃり、朝食を作っておられました。



「おはよう御座います、リディア様。」



「あらぁ~、おはようパメラ。」



「朝食の御準備ありがとう御座います、しかし家事等は私の仕事で御座いますので、リディア様はゆっくりして居て下さいませ。」



この方は稀にこうやって、御自身の立場を良い意味で無視した行動をとられるので、私としてはいささか困ってしまいます。



「確かに家事はあなたの仕事だわぁ。」



「はい、それでh-」



「でもぉ、私はあの子達の母親よねぇ、母親が子供にご飯を作るのは当たり前の事だとは思わないかしらぁ。

ねぇ、パメラ?」



「しかしですn-」



「えぇ~?」



“グッシャア!”



「…」



「あらあらぁ、木ベラが粉々にぃ…、やっぱり安いのは駄目ねぇ。

ねぇ…、パメラ?」ニコリ



「はい、そうで御座いますね…。」ガクガク



リディア様の目が『これ以上色々言ったら……コロスヨ?』と、おっしゃっている気が致しますね…。



「パメラ?」



「は、はい!」ブルブル



「レイちゃんを起こして来てくれないかしらぁ?」



「お任せ下さい。」



私は足早にその場を立ち去りました…。







……

……







そんなこんなで私は今、レイお嬢様のお部屋の前に居るのですが、中から『ていや』などのお声がする事から、既にレイお嬢様は、お起きになられている様ですね。



(「まだ、ねみゅいな…」)



おや?もそもそとベッドに戻るような音が…。

どうやら二度寝なされるおつもりのようですが、そうはいきませんよ?


“コンコン コンコン”



「レイお嬢様、パメラで御座います。」



“シーン…”



おや…、無視されましたね。



「レイお嬢様、朝で御座います。」



“シーン……”


また、無視ですか…。



「レイお嬢様、お起きになって下さいませ。」



私はレイお嬢様のお側に立ち、ゆさゆさと揺らし起こそうとするのですが…。



「レイお嬢様?、レイお嬢様ー?」



なかなか、お起きになってくれません…。


〔幸せそうな狸寝入り〕!



「レイお嬢様…。」



なんなのですか、そのバレバレな演技は!

で、ですが………、なんていう可愛らしさでしょうか……。

くっ………、しかし、ここは心を鬼にするしかありません!



「ふぅ、仕方ありませんね…。

失礼します!」



「っぴゃあ!!!!」



レイお嬢様の弱点である、脇腹をキュッとつまんだのですが素っ頓狂ながらも、とても可愛らしい悲鳴が。

くふぅ!萌ますわ…。

はっ!いけませんね!平常心平常心…、よし。



「お早う御座います、レイお嬢様♪今日もいい朝ですよ。」



ふぅ、…少し声が上擦ってしまいましたが、何とか耐えれましたね…。



「ぱめらしゃん!こーゆーふーに、おなかをつまみゅのはやめて!!」



するとレイお嬢様がキッと睨みながら抗議をなさってきました。

やばいです…、あまりの可愛らしさに私のS心がくすぐられていきーーー



「レイお嬢様、失礼かもしれませんが言わせて頂きますが、レイお嬢様はベッドから、お出になられませんでしたよね?それが原因かと。」



「もーちょっと、やさしゃしくおこしてっていってりゅの!!!」



「…狸寝入りをなさられているのにですか?」



「!…うぐ…。」



「それに私が言うのも何かと、お思いになられると思いますが、最初は優しくやっておりましたよ?」



「うぐぐぐ…。」



「それなのにレイお嬢様はベッドからお出になられなかった。

でしたら少々手荒な手段を取るしかないなという考えにいたり、このような方法を取らさせて頂ました。」



「ぱめらしゃん…。」



「…?、なんで御座いましょう、レイお嬢様。」



「ご………しゃい…。」



「!」



私は、レイお嬢様の、その一言で、ハッと感情的になっていた事に気づきました。



「お気になさらないで下さいませレイお嬢様!私が言い過ぎてしまったが故に、レイお嬢様を不快にさせてしまい、申し訳ありませんでした!。」



あぁ…、私とした事がなんて事を、調子に乗りレイお嬢様に謝らせるなんて…。



「いや…ボクがわrーーー



「レイお嬢様。

今回の私の失言をお許し下さい。」キリッ



「……わかった。」



「ありがとう御座います、レイお嬢様。」



もう2度と今回の様な失態をやらないように心に刻み込んで、この話を終りにすることに。



「レイお嬢様。」



「…なに?ぱめらしゃん。」



ちょっと涙目のレイお嬢様…、かわいい!

おっといけませんね、仕事をしなくては。



「今日のお召し物はこちらになります。」



レイお嬢様のお召し物は、毎日私が選ばせて貰っているのですが、今日は少し…、いえ結構大胆な物を選択いたしました。

あとはレイお嬢様の御機嫌をとり、抵抗感を少なくするだけで御座いますね、クフフフフ…。



「それと今日の朝食なのですが…。」



「?」



「プポルと春野菜のスープで御座います。」



「!」



このプポルと春野菜のスープは、レイお嬢様の大好物な御料理ですので、これでレイお嬢様は御機嫌になられるはずです。

先程、リディア様がお作りになられていたのを拝見しましたので間違いはありません!



「ほんとーに?」



「はい、私が先ほど確認いたしましたので間違いありませんよ。」



「やった♪やった~♪」



はしゃぐレイお嬢様が眩しくて直視できません!

な、なんて恐ろしい攻撃でしょうか!



「きがえを!」



「はい、こちらで御座います。」



ハアハア…、わずかに顔がにやけてしまいたが、なんとか平静に渡せましたね。



「…」



「…?、レイお嬢様?。」



「…いつもより、ろしゅつがおーい、きがしゅる。」



…っち、やはり誤魔化せませんでしたか、ここはとぼけてやり過ごすとしましょう。



「?、そうで御座いますか?。」



「うん…。」



「ですが、お似合いになられるかと思いますよ。」



「…わかった…。」



ぃよし!上手くいきましたね、後はレイお嬢様のお着替えを私が手伝うだけで御座います!

ですが、その前に………、少しばかり目に栄養が必要ですね。


私は、なんとか服を脱ごうとしてらっしゃる、レイお嬢様をガン見します。



「んしょ、よいしょ。」



………………萌えますわ。



「レイお嬢様、私にお任せ下さいませ。」



「…おねがい。」



これ以上、レイお嬢様が奮闘なさっている、お姿を眺めていると萌燃えしますからね、しかたありません。



「…ボクのしにざま、くだりゃない。」ぼそぼそ



「レイお嬢様?」



「!、なんでもないよ。」



「?」



レイお嬢様が、お着替えの間、考え事をしてらしたようで、何か呟いていらしたようですが、それ程たいした事ではなかったようです。

そうこうしている内に着替えは済んだのですが…。



「レイお嬢様、たいへんお似合いで御座いますよ。」



「…うん、ありがとー。」



赤面症であられるため、とても、お顔を恥ずかしそうに赤らめるレイお嬢様…。


ハアハア…、じゅるり、たまりませんね…。

しかし平常心でいなくては、大変賢くあられるレイお嬢様に感づかれてしまいます!

平常心、平常心。



「レイお嬢様、いかがなさいました?」



「え?、うーんと、いつものやつじゃだめー?」



くっ、そうきましたか…!ここは何と言えばいいでしょう?うーん何と言えば---



「今日は特別な日だからとの事で、1綴り程前から奥様からこちらをとの事でして。」



「じゃーはおるものが、ほしーな。」



「其れでしたら、こちらに。」





………………すいませんリディア様。





と、少し罪悪感を感じながらも、私はレースで出来た薄い紫の上着をレイお嬢様に。

レース製なのは、私のささやかな抵抗で御座います。



「ぱめらしゃん。」



「はい。」



まさか、着替え直したいとおっしゃるのでは…?

っち、この服は急すぎでしたか…、やはり焦らずに徐々に布面積を減らしていった方が、良かったようですね…。



「きょーが、とくべつってのは、なんでー?」



あ、違いましたね。

ふぅ、良かったです…、2夜程かけて選んだ服を否定されたなら暫く立ち直れませんからね。

ですが、ガイン様もリディア様も、今日からルアズのクソガkーーーゲフン、ルアズ坊ちゃまの入学式で暫く不在になされる事を、レイお嬢様に御伝えになられていないのかしら?



「…旦那様か奥様から何もお聞きになられてないので?」



「なにも、きーてないよ?」



な…!お二方共『大事な事だから自分達で伝えるよ。』と、おっしゃっていらしたのに、今日まで伝えずにいるなんて…(怒)。



「(あの糞夫婦め…)」ボソボソ



「え?」



「いえ、何でも御座いません(怒)。」



おっと、怒りのあまり口に出ていましたか、これは失態ですね。

はぁ…、仕方ありません私からレイお嬢様にお伝えするとしましまsーーー、…いや、そんな事をした場合レイお嬢様から嫌われないでも、悪い印象になってしまうじゃないですか!

あ、危ない所でした…。

レイお嬢様に嫌われた私………、くはっ、考えただけでも心が砕け散りそうになります…。

仕方ありません、ここはお二方に任せましょう!



「今日の事に関しては旦那様か奥様に直接お聞きになられた方がよろしいかと。」



「うん、そーする。」



話が一段落した所ですし、そろそろ出ますか。

と、考えたその時。


“くぅー”


と、とても可愛らしい音が…。

…今の音はレイお嬢様のお腹の音では?


そう思いつつレイお嬢様を見ると。



「…」



案の定お顔が真っ赤になられていました。


赤くなるレイお嬢様で、ご飯5杯はいけますね、クフフフフ。



「クス、それではレイお嬢様、お腹も抗議なされている事ですし、旦那様もお待ちnー」



私が、ほんわかした気持ちでレイお嬢様と話しをしていると。



「ギ、ギー!! グキー!! グキー!!」



プポルが急に鳴きだし、話を遮ってきやがりましたので私は。

…ギロリ。

と視線をプポルに向けて、魔力を押し付けるように放出しプポルを黙らせます。

ついでに「このクソ鳥風情が殺すぞ…。」と、意思を込めながら。



「グッ!!」



よし、静かになった所で。



「旦那様もお待ちになっておりますので、そろそろリビングの方へ向かいませんか?」



「…うん。」







……

…………







「ム、レイにはどんな風に言えば良いだろうか…。」



「大丈夫よあなた、レイちゃんならあなたの言いたい事ぐらいは理解出来てるわ。」



レイお嬢様と御一緒にリビングの扉の前につくと、中ではガイン様とリディア様が話し合っているようです。


………今更ですか。


と、そう思いつつも、このままでは時間の無駄ですし、何よりもレイお嬢様がお待ちになっていらっしゃるのです。


という訳で、行きますか。


“コンコン”



「はぁい。」



「パメラで御座います、レイお嬢様のお着替えが、お済みになられましたので。」



「ム、入るがよい。」



「失礼致します。」



「おはよーごさいましゅ、おとーしゃま、おかーしゃま、おにーしゃま。」



「ム、お早うレイ。」



「おはよぉレイちゃん。」



「オハヨー、レイ。」



家族全員が朝の挨拶を御済みになられた事を確認し、私はイスを引いてから、レイお嬢様にそこに座ってもらうため、軽く抱き上げました。



「レイお嬢様、失礼致します。」



「ありがとー。」



…レイお嬢様の、いい香りが一、ハアハア。

ハアハア………はっ!…し、仕事をしなくては!



「それでは朝食の準備に取り掛かりますが、よろしいでしょうか?」



「ム、頼む。」



「かしこまりました。」



私は朝食の準備のため、キッチンへ向かいました。


準備と言っても、既にリディア様がほとんどの事を済ませておられて下さいましたので、本当に〈準備〉だけなのですがね。


立ち去るさいに、ちらりとガイン様、リディア様に視線を向けるとお二人共ばつが悪そうなお顔をしていらっしゃいました。


レイお嬢様を軽んじるから、この様な事になるのですよ。


ふと、そのようなことを考えてしまったのは秘密です。







ちなみにクソ坊ちゃまが、私のレイお嬢様を蔑ろにあつかいになりやがる事に殺意が湧いたのも秘密です…。







……

…………







「ム、では行ってくる。」



「はい、道中御気を付け下さいませ、旦那様。」



「レイちゃん、何かあったらパメラにねぇ。」



「うん、わかった。」



「ちちうえ!ははうえ!早く行こうよ!」



「ム、そう急かすなルアズ、パメラ何かあったら、すぐ連絡を入れてくれ。」



「かしこまりました。」



「ム、では行こうか。」



「いってりゃっしゃーい。」



と、小さな腕を、ふりふりと振りながら、お見送りになられているレイお嬢様を、目で愛でながら、私もお二人〈プラス1人〉を見送りました。


これで、暫くはレイお嬢様と2人きりになれます。

…レイお嬢様とあんな事やこんな事を、クフフフフ…、ジュルリ。

………はしたなかったですね。

けれど、伊吹の月で暖かくなってきたとは言え、まだ肌寒いですね、レイお嬢様の小さなお身体には良くないので早く中に戻らないと。



「さ、レイお嬢様、伊吹の月とは言えまだ四綴れの早朝です、お身体が冷えてはいけませんので、そろそろ中に戻りましょうか。」



そう言いながら、レイお嬢様に視線を移したのですが…。

レイお嬢様はどこか上の空で、肩が少し震えていらっしゃいました。

おそらく寒さの所為では無いでしょう。


…いくらレイお嬢様が賢くあられると言っても、まだまだ幼いのです、暫くの両親不在は、やはり堪えるに違いありません………。


ですが、こうやって私が沈んでいても駄目ですね、私がレイお嬢様の寂しさを埋めてさしあげないと!



「レイお嬢様。」



「えっ?」



私はレイお嬢様の震える肩に手を置き、いつもより優しく優しく口を開きました。



「…、伊吹の月とは言え、まだお寒う御座います、お身体が冷えてしまいますので、もうお屋敷の方へ戻りましょう。」



「あ、うん、そーだね。」



そうおっしゃいながら私と視線を合わせる事なく御屋敷へと向かうレイお嬢様…、その後ろ姿からもお顔が赤くなっていらっしゃるのが良く分かりました。


今すぐ泣き出したいのを必死に堪えていらっしゃるのでしょう…。


そんなレイお嬢様のお心の強さに胸がチクチク痛み、逆に私が泣きそうになります。



「ぱめらしゃん。」



「はい、何で御座いましょう?レイお嬢様。」



「おねがいが、ありゅの、きーてくれりゅ?」



!…、レイお嬢様が、この様な感じで、お願い事をなされるなんて…。

先程も言いましたが、沈んでいる場合ではありませんね、私がしっかりとレイお嬢様をお守りしなければ!



「私がレイお嬢様のお願いを、聞かなかった事は無いでしょう?

何でも仰って下さいませ。」



「うんとね、ボクおひるに、かぼぶれんがたべたいな…。」



「カボブレンですか?」



「うん。」



「ですがカボブレンは静寂の月に旬の野菜ですので、月外れの今は質が良いのはあまり無いかと思われますが。」



「…じゃあ、がまんしゅりゅね。」



「いえ!そのような意味で言ったのでは御座いません、月外れですので、味の期待があまり出来ない可能性があるかもしれません、との意味で言ったのです。

私が言葉足らずなため、レイお嬢様に誤解を招いてしまって申し訳ありませんでした。」



「じゃー、よーいしてくれりゅ?」



「お任せ下さい!」



と、言った所である問題が浮上いたしました。

私が買い物のため御屋敷を離れると、レイお嬢様を1人きりにしてしまうではないですか!という事です。


グラリエルス殿は、はっきり言って信用したくありませんしね。

…あんなレイお嬢様を亡き者にするために雇われた奴など(殺)…。

そもそもガイン様もガイン様です、レイお嬢様の中に【奴】が潜んでいる可能性があるからと言って、この様な方法をお選びになるなんて…。

………許せません。


はっ!良い案が出ました!



「!、レイお嬢様。」



「な、にゃに!!?」



くふぅ、かみましたね?萌!

…じゃありませんね。



「旦那様も奥様もいらっしゃらない事ですし、御一緒にお買い物に行きませんか♪」



我ながら、これは名案でしょう!レイお嬢様のお側に居ながらにして、レイお嬢様を愛でられます!クフフ。

後はレイお嬢様次第で御座いますね!


………。


そんな私の提案に、レイお嬢様は暫くお考えになられていましたが。



「ボクは、おるすばんしてりゅ。」



と、断られてしまいました。



「そうで御座いますか…。」



少しショックですね…。



「うん、それと、きがえが、ほしーな。」



くはっ、さ、更に追い討ちとは…、し、しかたありません、レイお嬢様のお願いなのですから…。



「では、先にレイお嬢様の部屋着をご用意致しますね、それから買い物の方へ向かいたいと思います。」



「うん、わかったー。」



その後、レイお嬢様に季節や野菜の事を説明させていただきながら御屋敷へと帰りました。


嘘ですリアルで若干泣きました。


あと、「姓が無い者しか誰かの下で働けない」と、ありますが。

それは、姓を持っている者=貴族階級の者達が裏で徒党を組むのを、なるべく防ぐためです、はい。


そしてパメラさんは続きます。

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