2.お泊まり会(隔離)
燦然と輝いて見えた。
明るいとか眩しいとか物理的にではなくて、その次なる舞台の背景を脳が勝手に自動補完した。
住宅街に律儀に並び立つ一軒家達が突然不自然に途切れ、更地が続く、視線を進ませると両サイド更地でアミューズメントパークさながら広大な土地が鋳物門扉から広がる塀で覆われていた。
学校帰りの放課後、その土地の主である大豪邸を前にしていた。
「改めて来ると本当に目立つ家……流石たつみや家――略してさすたつ、つってね!」
「今後の予定なんだが……」
わたしの自称キレキレのボケをさらっと流され、たつみやはある提案を投げかけてきた。
「天海は私の家で隔離――もといお泊まり会をすることで皆、いいな?」
こくりとわたし以外で頷き、すでに決定事項みたいに話は進んでいく。
「定期的にする買い出しの当番は?」「見守り役は?」「抜け駆けするなよ?」とか、最後のはよく分からなかったけど、お泊まり会は決定らしい。
全生徒(女の子)から告白を受けた事件から、日も跨がず対策を立ててくれたのは嬉しいんだけど……。
できれば当の本人も仲間に入れて欲しいという気持ちは胸に秘めて押し黙る。
だが、抵抗はさせてもらおう。
「ど、どうした天海、そんなに頬を膨らまして……」
「……ムムム」
食べ物をほっぺにめいいっぱい詰め込んだハムスターばりに頬を膨らませてかまってアピールをする。
しかし、たつみや達は怯まない。
「レアだな」
「レアだ」
「レアですね」
「レアです」
かえで、さみみ、たつみや、なのはの順で軽く返される。
レアレアレアレア、こちとらソシャゲのガチャ引いてるわけじゃないんだぞ! レア以外の感想は出てこなかったのか!
「もういいよ! 時間かかるんだしさっさと中入ろ!」
「そうだな、積もる話もあるだろう」
この時のわたしは気づいていなかった。
先頭を切るわたしの後ろでニタニタと笑うみんなの思惑に。




