3.かまい過ぎは嫌われますよ!
なぜだ?
ぷっくりした頬、ムチムチの手足、ポッコリお腹。
完全なる幼児である。
おそらく三歳?
いやもしかしたらもっと小さいのか?
せめて某超有名推理漫画の、組織の薬で小さくなった主人公みたいに、小学生程度にしてほしかった。
「ルコさん、今日も可愛い」
「ルコ、本当に可愛いっ」
「・・・・・・」
今朝も目が覚めたばかりの私を、左右から二人の男が覗き込んでいる。
その二人の正体は、この世界では「漆黒の騎士ウォレン・アセロ」と「白銀の魔導士シリウス・レンドール」と呼ばれている。
今世間で話題の二人である。
今、この二人が「傾国の美女」を巡って恋の火花を散らしていることになっているらしい。
だが、現実は――ある意味、もっと酷い。
「ルコさんの頬、ぷにぷに」
「ルコのもちもちの肌……たまらない」
「・・・・・・」
私は無言で二人を睨みつけ、短い腕を精いっぱい伸ばす。
「頬をちゅちゅくな、二の腕をもむな!」
ぺちん!
まず右のウォレン。
ぺちん!
次に左のシリウス。
怒りの限りを込めて力いっぱい抗議する。
しかし。
「怒ってるルコさん可愛い」
「確かに」
まるで効いていない。
「シェクハラでしゅ!」
私の渾身の訴えは、今日も虚しく部屋に響いた。
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