竜①
竜種
それは龍の劣化個体である。
ただ、侮ることなかれ。
時に火を噴き、猛毒を浴びせ、水を支配し人々に恐怖を与える。
そんな竜種がたくさんいるのがこの森だ。
以前見たのはいつだったかと記憶を遡りつつ、意識を現実に向ける。
そこには最初に出会ったユニークのオークさんと龍が戦っているのである。
拳で一撃一撃を与えるオークに、単純な質量攻撃で粉砕する竜。まさに地獄である。
時は遡ること30分前、僕は水魔法で遊んでいた。魔力消費量によって水の量や、水を出す位置を変えれるためつい夢中になっていた。
そんな時、重量級が戦っているような音を僕の「ウサギ耳」は拾う。
僕は興味本位でそっちの方向に歩くのであった。
高い木の上からその戦いを見守る。そこには圧倒的な気配をまとう2匹の魔物がいた。
若干オークが押されており、このままでは負けそうだ。
オークは果敢に攻め込むが尻尾のなぎ払いで吹っ飛ばされる。それでもオークは立ち向かう。
オークは尻尾の軌道を読み、躱すが今度は翼によって空へ打ち上げられる。それでもオークは立ち向かう。
オークはめげない。オークはどんな傷を受けても倒れない。
いつしか僕はオークを応援していた。
「がんばれー!!オーク!!!!」
僕の声援に応えるように攻めれるがあっけなく失敗する。
そして、
「GUUUURRRYYUUUUUUUUUUUU!!!!!!!!」
「あ、やべ」
竜は僕を睨むように咆哮する。
さすがに調子に乗っていたと反省し、僕は急いで逃げるのであった。




