がくがくブルブル。
「ただいま~!」
廊下の向こうの扉が開く音が聞こえた。
入ってきたのは二人。
一人はいつものイケメン茶髪。
もう一人もイケメンである。
黒髪で黒目。少しつり上がった切れ長の目。
直毛の無造作ヘアー。小顔に高い鼻。勿論細マッチョ。
こいつら何なの。後光さしてるよ。何なの?芸能人なの?マジで。
で、私はというと震えた体は止まっていた。さすがイケメン。尻尾はそのままだけど。
「ん?何であんなとこにいるんだ?」
「あれが?」
「そーそー、さっき拾ったペット。でも何の動物か分からん。」
「ん。」
二人が近づいてきた。また私の震え発動。
がくがくブルブル。
「ってかこの部屋寒いな。クーラー消し忘れてたっけ?いや、消えてるわ。」
ってイケメン茶髪がんー?といっている間に、イケメン黒髪が近づいてきた。
「にっ。」
イケメンだからって私は心を許さないんだから!来るんじゃない!と本能は叫び通しです。実は私自身はイケメンに助けられて嬉しかったりする。だって気持ち悪いおっさんとかだったらやだし。でも本能はどっちでも嫌みたいです。
ってことで、私はボフッと膨らんで威嚇する。
「暑い。」
イケメン黒髪はぽそっと呟いた。
茶髪の方は黒髪の意見を聞いて疑問の表情である。
黒髪は汗をぬぐった。
「嘘だ~。今めっちゃ寒いじゃん。この部屋。」
「いや、こいつが暑い。」
「ん?どういう意味?」
とイケメン茶髪が近づいてきた。私は益々膨らんでいく。
「え、暑!なにこれ暑!サウナかよ!え、この子の仕業なのか!?」
「じゃね?」
私は氷と炎の精霊である。氷と炎である。何度も言うが。ってことで氷付けや火事にならなくて良かったな。
私はまだ子供だからこれだけしか気温も変わらない。まだ炎も出せて火花である。氷も雪の結晶一粒で終了である。
ちーん。
と膨らみながらショボンとしてると黒髪がわしっと抱き締めてきた。
ぎゃー!
「にゅー!」
「ヤバい、湯たんぽだ。」
違う!私は精霊だ!湯たんぽじゃない!
黒髪はホクホク顔である。凄い嬉しそうな表情である。そのままもふもふ撫でられる。私はというと始めは抵抗してじたばた暴れていたが、全く相手にならず大人しくされるがままだ。両手が挟まって動けない!くそぅ。
大人しくしているとちょっと気持ちいい。
「にゅ。…ふにゅぅ。」
ふ、ふん、いつも私が思い通りになると思ったら大間違いだ!ふんふん。
とか言いながら微妙に尻尾がゆらりと揺れているのは内緒である。
「ところで、こいつは何だ?」
「分かんないからお前呼んだんだよ!」
「いや、俺も分からん。」
「犬か狐か猫か狼か。なんだろな。ってかこんな動物この世界にいるっけ?」
居ないんじゃね?
「図鑑には居ない。想像上のものの一つな気がするが。」やっぱりか。ってか凄いな、覚えてるのか。
想像上とか、私の存在ドラゴンみたいだな。
「ユニコーン狐番!☆キリッ」
え
「何言ってんのお前。」
ほんとにな。私もそう思った。
「いや、角が有るからさ。しかも一番狐に近くね!?」
まぁ、角はあるが。狐かなぁ。でも手足黒くないよ?
「狐か。まぁ、確かに近いかも。」
え、これ狐に固定されそう。
「だろ!?まぁ、この子狐ちゃんをこれからどうしようと思ってさ。そういや、暑いの無くなったな。」
え、
「ん。落ち着いたか?」
んー、お前達の会話にな、怯える必要も無くなるわ。呑気すぎて。
「にゅぅ。」
黒髪はまたわしゃわしゃ撫でてくれた。
気持ちいい。
私は目を細めてされるがままだ。ついでに片腕でだっこされている。私は腕に伏せの状態で首をマッサージされている。首って四足歩行だと人間時代より凝るのよ。
あぁ、気持ちいい気持ちいい。
と尻尾もふりふり揺れている。




