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なんの動物だ?

「…………猫?」


足音が目の前で止まった。

が、私にはもうほとんど動くことが出来ない。かろうじて片目と尻尾は動いた。

人が来たことで、期待でふりふり左右に揺れたが力無く落ちた。


「……………じゃない。犬か?」




目の前の人は私の頭にそーっと触れる。

私が動かないと分かったらゆっくり撫でてくれた。

私はそのリズムにうとうととし、意識を手放した。





口元に湿り気を感じる。下を出して嘗めてみると甘い。

砂糖水?

スポンジみたいな物に浸けて口に当てているみたいだ。


美味しい。


私はスポンジを嘗めた。嘗めまくった。

ペロペロ、ちゅうちゅう、ペロペロ。

ペロ、すぽん。

あ!盗られた!



私は顔を前へ出して取りに行こうとするが、なかなか口に入らない。

はぐっ、はぐっ!


あれ、あれ、こなくそう!


目をつむりながら、顔をチョロチョロ動かしていると頭を押さえられてしまった。

「むぎゅ。」

ぬ。何だ。邪魔をするのか。この私の邪魔をするとは初やつよのぉ←。その顔見てやる!


目をパチリと開けると前にいたのは、イケメンだ。

たれ目の優しげな目をこちらに向けている。茶髪、焦げ茶色目だ。鼻が高くて薄い唇。イケメンの微笑みって後光見えるよね。

って違う!誰だこいつは!離せえぃ!


「にゅうっ!」


また私はじたばたするが、全く抵抗にもなってない。片手で頭を抑えられてそのままだ。

こいつ!見た目によらず意地悪そうだ!


「ふにゅー!」


「あははは!可愛いなぁ!こいつ。なんの動物だ?」

私は精霊だ!

…じゃない!離せったら離せぃ!こいつは危険だ!私の本能が危険だって叫んでるぅ!


「ぅにゅーー!」


私は何とか手から抜け出して噛もうとしたが、手から逃げられた。


くそぅ。

「ふにゅぅ。………ぅにゅ?」

キョロキョロ周りを見渡すと見慣れない光景。誰かの部屋だ。

ん?

またしてもここはどこだ?


目の前にはイケメン、すぐ左隣には机と椅子…の柱。ちびは辛い。

後ろを見るとキッチンやら廊下やら。壁にはクローゼットとか色々。


イケメンの向こう側には扉があってベッドが見える。外への窓も。

このイケメン茶髪の家か?


「それにしても、鳴き声が犬じゃないよな。にゅうにゅう言ってるし。」


犬じゃない、精霊だ。しいて言うなら狐と狼と猫混ぜちゃった感じだ。

私の容姿は前の世界で聞いたのだが、白金色の毛皮に尖った狼耳、太い筆の様な狐の様な尻尾、猫の様な鳴き声。目はぱっちり青目。

こう聞くと、立派な動物を想像するかもしれないが、小さい。子供である。全然立派じゃない。


もふもふした子供である。



実を言うと、尻尾は根元白金色で先っちょは白銀色である!ここ!私の自慢!テストに出るよ!←



で、何度も言うが、もふもふした子供である。



「かーわいいなぁ。」


結果、もふもふもふもふナデクリマワサレマシタ。

こやつの大きい手が何とも快感。。。違う!止めろ!私はお前には屈しない!


「にゅっ!にゅっ!ぅにゅぅ~~~!」


不意に、イケメンの手が私の額の結晶に当たった。


「ん?なんだこれ。」



私の額には青と赤を混ぜた結晶がある。角?に近いが、其処らの動物のような白い奴ではない!絶妙な色をした結晶なのである!


で、こんな結晶を持つ動物、地球上には存在しません。



………どうしよ。



イケメン茶髪は私の前足の脇に手を入れて持ち上げた。ワタワタ足を動かすが浮いた時点で落ちるのは怖いのでピタリと足を止める。


イケメン茶髪の焦げ茶色の目と私の碧眼が合わさる。


じーっ。


「宝石?こんな宝石見たことないけど。くっついたのかな。」


え、違う。

イケメン茶髪は私を下ろすと押さえ付けてあろうことか私の額の結晶を引っ張って取ろうとしやがった!

「ぅにゅ!?」

とれるわけないだろ!


痛い痛い!


「ぅにゅにゅにゅにゅ!!!」


前足を奴の手にぽすぽす当てるが、一向に額の力は弱まらない。

「取れないか。」

私は爪を出してまた引っ掻こうとしたが、奴は額の宝石を諦めて手を離した。


「ぅにゅ………。」

……痛かった。

私、涙目である。


「にゅー。」

こいつ、強引な奴目!

成敗してくれる!

「にゅ!」

私は引っ掻き攻撃をしようとしたが、また頭を抑えられてしまった。

「むぎゅ。」


早い。

こいつ、できる!


イケメン茶髪は私を一なでしたら立ち上がった。

え、大きい。背の高いイケメンは小動物的には迫力あるなぁ。有りすぎるくらい。


怖くなって尻尾が足の間にまた挟まってしまったよ。


イケメンはそのまま歩いて冷蔵庫に行ったら牛乳?の入った哺乳瓶と皿を持って戻ってきた。

皿の下にビニールと新聞紙を敷いて、皿に牛乳を入れてくれた。


それは美味しそうだ!!!


「はい、良いよ。」


イケメンは笑顔で私に皿を促してくれた。


…い、良いんだな?飲んでも良いんだな?後で怒ったら逃げるぞ?


私は本能が怖がっているものの、恐る恐る皿に近づき、匂いを嗅いで危険がないかを確認した後、下を浸けてみた。


甘い。美味しい!


無我夢中でペロペロ嘗めた。

ミルクうましミルクうまし、イケメンめ、分かってるな!ふふふん。


ペロペロ。


「んー、やっぱりなんの動物か分かんないや。ダチに聞くか。」




となにやら不吉な言葉を聞いたような気がするが、無我夢中の私には気づくことは出来ませんでした。


何かパシャリと聞こえた気がするが、無我夢中の私はやはり気づきませんでした。




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