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第六章 中編 初クエスト【白霧山で水晶石を採取せよ!】

中編後半と 6章後編前半、内容がダブってしまっていたので修正しました。

ズゥン――……。


地面が揺れた。


霧の奥から、重たい何かが動く音が響いてくる。


木々が軋み、

白霧山全体が低く唸っているみたいだった。


「……っ」


ユウトは思わず息を呑む。


霧の向こう。


ぼんやりと、巨大な影が見えた。


異様に長い腕。


岩みたいに膨れ上がった身体。


そして。


ぎょろり、と。


暗闇の中で複数の目が光った。


「な、なんだあれ……」


「……最悪」


コハクが低く呟く。


その声には、初めてはっきり焦りが混じっていた。


「“岩喰らい”……」


「知ってるのか?」


「本来、この辺りには出ない妖魔よ」


ルゥも眉をひそめる。


「確かに妙じゃの……。こんな上位種、初心者区域におるはずがない」


岩喰らいは、ゆっくりとこちらへ顔を向けた。


次の瞬間。


ドゴォッ!!


巨大な腕が地面を叩き砕く。


「うわぁっ!?」


衝撃でユウトが吹き飛びかける。


ルゥが即座に腕を掴んだ。


「下がれ!」


「い、いや無理無理無理!! なんで初心者向け依頼でこんなの出るんだよ!?」


「初心者向けとは言ったが、“安全”とは誰も言っておらん!」


「詐欺だろそれ!!」


その間にも、

岩喰らいが低いうなり声を上げる。


霧の中で、その巨大な身体がじわりと動いた。


「……来る!」


コハクが剣を抜く。


銀色の刃が、霧の中で鋭く光った。


「ルゥ! 右!」


「分かっておる!」


次の瞬間。


岩喰らいが突進してきた。


地面が揺れる。


巨体とは思えない速度だった。


「っ!」


コハクが前へ飛び出す。


ガギィン!!


盾で攻撃を受け止めた瞬間、衝撃で周囲の霧が吹き飛んだ。


「重っ……!」


だが止める。


その隙に、ルゥが上空へ跳んだ。


「龍火!」


轟ッ!!


紫色の炎が炸裂する。


岩喰らいの肩が爆発し、巨体がぐらりと揺れた。


「おおっ!」


ユウトが思わず声を上げる。


「ルゥ強っ!」


「当然じゃ!」


得意げに言った直後。


ズガァン!!


振り回された腕で、ルゥが吹き飛んだ。


「ぬわぁぁぁっ!?」


「全然当然じゃなかった!!」


「うるさいのじゃーっ!!」


その時。


たぬぷぅがふらふらと後ろへ下がった。


崩れた岩場。


小さな足が、端を踏む。


ぱき。


嫌な音がした。


コハクの瞳が見開かれる。


「……っ!」


その瞬間だった。


彼女の脳裏に、

“見えてしまう”。


崩れる足場。


落下するたぬぷぅ。


鋭い爪。


血。


何度も見た未来。


避けられなかった未来。


「だめ――!!」


コハクが叫ぶ。


だが。


ガラッ!!


岩場が崩れた。


たぬぷぅの身体が宙へ投げ出される。


その先には、

岩喰らいの巨大な爪。


「触るなァッ!!」


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