番外編 幕間 海路/神奈川支部。
東京湾海上。
春馬からの連絡を受けてからしばらくの後。
海上を移動しながら、晴明と太一は話し合っていた。
「あれ以降、春馬から連絡あったか!?」
「いや、来てない。
定期連絡が来てない以上、おそらく想定外の出来事が起きてるはずだ。」
太一の問いに晴明が答える。
太一は状況の悪さに舌打ちを漏らす。
「ちっ。春馬のことだ、俺の能力を知ってるから沿岸部に向かうはず。」
晴明は海沿いの陸地に視線を移し、太一の推測に同意する。
「だろうな。
春馬なら事前に話した場所に来れなくても、ワープで何回かに分けて沿岸部に飛ぶだろう。
だから、このまま海沿いを進みながら、戦闘の痕跡を探すしかない。
その想定で動きつつ、連絡が来たら進路変更しよう。」
「ああ、わかった。このまま直進する。」
春馬、茉琴……待ってろ。絶対助けてやる!!
二人は内心の焦りを飲み込みながら、海上を進んで行った。
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神奈川支部 情報解析班 通信指揮室。
時は少し経ち、春馬たちの戦闘が激化している頃。
警察本部の通信指令課から、異能対策課の通信指揮室へ通報内容が伝達された。
オペレーターの女性は、すぐさま指揮官へ報告する。
「川崎市内の住宅街で、異能者同士の戦闘が行われているという通報が入りました!」
「何っ!?こんな時に…。主力は鎌倉に向かわせたぞ!?……今、何級がどのくらい残ってる?」
「確認します。……現在、五級が40名、四級が20名、三級が7名残ってます。」
「戦闘規模は!?」
「不明とのことです。ですが、すでに民間人に死傷者も出ている模様。ただちに応援を向かわさないといけない状況です。」
「わかった!五級は最終まで待機!!四級10名と三級5名を向かわせろ!それと、人選は隊長たちに任せろ。」
「はい!」
通信指揮室のオペレーターの女性が、支部で待機中または、休憩中の隊員に放送で連絡を入れる。
指揮官はその後、巡回警備に出ている現場近くの隊員にも、急行するよう要請した。
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同時刻
神奈川支部の近くにある建物の屋上。
見晴らしは良くないが、神奈川支部から人員が出入りするところは確認できる位置に、チンピラ風の男が居た。
チンピラ男は、神奈川支部が動いたことを確認した後、ポケットから携帯を取り出し、傘下の犯罪者グループの下っ端に連絡をいれる。
「おい、先方が動いたぞ。お前ら、配置についたな?」
通話口から、責任者らしき男の「はい。すでに配置に付いてます。」という返答が聞こえた。
「よし、行動開始だ。しっかり働けよ?じゃなきゃ、俺がぶっ殺す。」
その掛け声と同時に通話を切り、チンピラ男は屋上から飛び降りる。
ボスの計画通りだな。
着地したあと、自身の持ち場に向かうため、移動を開始した。




