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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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ステータスオープンドアー!

(朝倉くんは、上手くやってるみたい)

 桜子ちゃんの頭上に浮かぶ、好感度数値

を見ると、12%まで上がっている。

 たかが2%、されど2%。距離感を間違えて、RTA走者みたいな恋愛をしようとしていた朝倉くんが、コツコツと好感度を上げる事を覚えたのだから、情報屋冥利に尽きるという所だ。

(その情報屋としては、やれる事がこれ以上無くなっちゃったんだけど………)

 好感度を見る事は、相変わらず出来る。その数値を元に、アドバイスも出来る。

 しかし、それ以上の情報は得られない。学校から離れ、朝倉くんと一緒に居ないヒロインちゃん達は、ゲームが描写する範囲の外に出ると、姿を消してしまうのだ。

 日常を探ったりするのは、不可能に近い。

 だけど、情報屋としてドヤ顔したのだから、朝倉くんが頼りにしてくれているのだから、もうちょっとこう、何とかしたい。

(ゲーム内でも、異世界と言えば異世界だし、ステータスオープン! とか、出来ないのかなぁ)

 異世界に転移する系の作品だと、特に前触れが無くても『ステータスオープン!』と叫ぶと、自分の能力が事細かに書かれたウインドウが出てくるのが定番だ。

 なんなら、現代日本に魔物が現れたとか、ダンジョンが出来たみたいな作品でも、ステータスオープンしちゃったりする。……それは流石に、どうして出せるのか説明してほしいけど。

(私も、出来たらいいのに)

 ヒロインちゃん達のステータスが見れたら、こんなに楽な事は無いのになぁ、なんて思いながら、同じクラスの桜子ちゃんに目を向け、心の中で唱えてみる。

(ステータスオープン!)

 声に出すのは恥ずかしくて、心の中で叫ぶ。もちろん、顔は平静のまま。

 声を出さないのに、顔だけギンギンでは意味が無いし、下手をしたら不審者だ。

 しかし、桜子ちゃんの頭上のウインドウには、なんの変化も起こらない。

(まあ、世の中そう上手く行くわけないか……)

 そう思って、桜子ちゃんに向けていた視線を、正面に戻す。

「えっ!?」

 顔を戻した瞬間、思わず声が出た。

 そこに、マ◯ノリティレ◯ートに出てきたような、半透明のウインドウが浮かんでいたからだ。

「佳奈ちゃん、どうかした?」

「な……なんでもない………」

 モブ仲間(仲間という訳ではない)の女子が、気遣わしげに声をかけてくれる。

 自分以外には、このウインドウは見えていないらしく、私の驚いた理由を理解していない様子だ。

 だけど、それなら逆に都合がいい。

 この情報は、私だけの物という事だ。じっくりねっとり、隅から隅まで見てやろう。


藤原桜子 高校一年生。

性格:物腰柔らかく、礼儀正しい。ただし、厳しく躾けられたので、男性に対して過剰に警戒心が強い

好きなもの:家族(ペットの猫含む)、和菓子、ピアノ、読書。

嫌いなもの:ナメクジ、押しが強すぎる人、セロリ。

身長:158センチ。

体重………は見なかった事にしよう。うら若き乙女の体重を見るなんて、デリカシーが無さすぎる。あと、スリーサイズも見ないでおこう。

放課後の予定:習い事(ピアノと華道)。

デート可能エリア:学校、図書館、公園、ショッピングモール。

 ………などなど。更に行くと、母子手帳かと言うくらい、詳細に生い立ちまで書かれていた。

 桜子ちゃんの情報、丸裸。

 これはもう、ステータスオープンというより、岸◯露伴のヘ◯ンズドアーだ。

 流石に、本と化した相手に命令を書き込んだりは出来ないけど。

 もし出来たとしても、やらないけど。

 たぶん。

 まあ、その話は置いといて。

 ウインドウの最下部には、情報を保存というボタンと、削除というボタンがあった。

(これもしかして、本人が居なくても、情報を見られるようになる……?)

 何にせよ、保存一択だ。

 削除を押して、桜子ちゃん本人の記憶が吹き飛んだりしたら、洒落にならない。

 保存を押してから、ウインドウを開き直せば、保存の意味が分かるはず………あれ、これどうやって閉じるんだろ?

 異世界モノで、ステータスオープンする場面はあっても、閉じる場面は無い。

 ステータスクローズ? 閉じよゴマ? なんて思ってたら、右上にバツボタンがあった。こんなところだけ現実的。

 そして、ウインドウを開きなおすと、そこには藤原桜子の名前と、他のヒロインの名前が入るであろう空白があった。

 よし、そうと決まれば情報集め再開だ。 

 学校内で見つければいいんだから、難しい事は何もない。

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