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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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ヒロイン尾行with後輩ヒロイン

 ヒロインが、学校から一定距離離れると姿が消える法則を探ろうと、このみちゃんを尾行したけれども、謎は深まってしまった。

 だからと言って、謎を放置しておくのは、どうにも気持ちが悪い。

 だから、また別のヒロインを尾行してみて、データ集めなきゃいけない。


 休み時間、廊下で目ざとく私を見つけたミキちゃんが、駆け寄ってきた。

「あのあの、佐伯先輩」

「はいはい、なんの御用でしょう。恋愛相談、ケンカ騒動、お悩みはこの情報屋佐伯佳奈が___

「もーっ! おトボケは無しですよ!」

 ミキちゃんは、私の事務的な対応に、ぷくりと頬を膨らませる。こういう可愛い反応が見たくて、わざとからかっちゃうところもある。すまん、許せミキちゃん。

「ふふふ、冗談ですよ。それはそうと、私に何か用事がございましたか」

 私が聞くと、ミキちゃんは急に周りをキョロキョロと確認して、横から私の頭掴んで引き寄せた。

 まさか、キスでもする気? と一瞬思ったけど、耳打ちでのひそひそ話だった。そりゃそうか。

「佐伯先輩の情報収集に、ボクも連れて行ってほしいんです」

 マヤちゃんが、私の情報収集(尾行)の事を知っているという事は、このみちゃんから聞いたんだろうな。

 連れて行くか、という所は、まあ、連れて行ってもいいか。姿を見られても、連れ立って歩いてる友達、という姿に見えて、怪しまれないかもだし。

 描画範囲から出たヒロインの近くに、別のヒロインが居た場合、どうなるかも見たいし。 

「ええ、構いませんよ。ただし、あまり騒がないように、という条件付きではございますが」

「はい! 分かってます、静かにしてます」

 ミキちゃんは、満面の笑みでうなずく。

 大丈夫かな、割と不安だぞ。ええい、なるようになれ。尾行相手はさやかちゃんだ、見つかっても友達として許してもらえるだろう、多分。

********

 という訳で、今日の標的は、さやかちゃん。

 このみちゃんを尾行したのは、昨日の今日だから、警戒されてるかもしれない。

 なんなら、気づかないフリをしてくれるかもしれない。このみちゃん、優しいし、案外ノリが良いからなぁ。 

 マヤちゃんは不可、ミキちゃんは一緒に居るから除外。桜子ちゃんは見つかった時のリスク(主に法的)が大きい。少なくとも、友達のじゃれ合いで片付けては貰えない。

 そんな訳で、さやかちゃんを尾行することにした。

 さてさて、今日は朝倉くんは一緒じゃないみたい。徒歩で校門を出る、さやかちゃんを後を付かず離れず、徒歩で追っていく。

 校門を出てすぐ、一回振り返られたけど、私がミキちゃんに絡みつかれてるのを見たら、軽く笑って、また前を向いて歩いて行った。

 尾行するには都合が良いけど、さやかちゃんは私達をどう思ったのか、変な勘違いされてないといいな。  

 そのまま歩いていくと、描画範囲外の境目にたどり着いた。

 緊張の一瞬。マヤちゃんが居る事で、緊張感は無いけど緊張の一瞬だ。

 さやかちゃんは、描画範囲外の境界に差し掛かると、案の定、境界を越えた部分から消えていく。前と同じだ。

 一緒に物陰に隠れてる、ミキちゃんに目を向けると、特に不審がってる様子は無い。という事は、ミキちゃんには見えてるって事かな。 

「ミキさんは、どう見ますか?」

 なんとなくそれっぽい、いかにも熟練者が新人に教えるような質問をしてみた。

「どう見ましたって言われても、普通に歩いてるようにしか見えません」

「でしょうね。まあ、聞いてみただけですので、お気になさらず」

「も〜っ、からかわないで下さいよ」

 とりあえず、ヒロインが描画範囲外に出ても、他のヒロインや主人公の目には見えているという事は確定した。

 うーむ、やっぱりモブは辛いなあ。男性モブよりはマシだけど、範囲外だとヒロインの姿を見る事も叶わないとは。

「ミキさん、お手数ですが、橘さんをここに呼んできてもらえませんか?」

「ん〜? どうしてですか、あ、またからかってます?」

「いえ、からかっておりません。至極真面目にお願いしております。よろしくお願いいたします」

 ミキちゃんは、怪訝な顔をしながらも、消えたさやかちゃんを追いかけていく。

 さて、ミキちゃんが描画範囲外に出た時どうなるか。私と会ってるから消えないか、それともモブと一緒程度じゃ消えるか。

 そうこうしてるうちに、ミキちゃんは描画範囲の境界を超えた。けど消えない、私とでも、イベントとして処理されているのか、それとも、さやかちゃんとのイベントが始まってるのか。

「橘先輩!」

「あ、ミキちゃん、佐伯さんと一緒じゃないの?」

 ミキちゃんが声をかけた瞬間、さやかちゃんの姿が現れた。さやかちゃんに、後輩とのイベントが起こったから、見えるようになったと。そういう事なのかな。

 はー、私もヒロインだったらなー。ステータスオープンして、その情報でセコセコ立ち回らなくても、みんなと交流が出来るのにな〜。

 日曜に昼間からゴロゴロ〜、ゴロゴロ〜。あ〜、親父がディカプリオだったらな〜。

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