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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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法則を探ろう

 結局、私のミキちゃんのデートの最中に、主人公・朝倉翔太は現れなかった。

 じゃあ、デートの後に何かが起こるのかと思ったら、特に何も起こらない。ミキちゃんの好感度数値は、上がりも下がりもせず、現状維持。つまり、私とデートしたことで、朝倉くんとの関係に、何か変化があった訳じゃない。

 だったら、何が原因なのか。考えても分からない。

 考えて分からないなら、検証するしかない。

 どうやって検証するかと言うと、前に桜子ちゃんが消えた時と同じように、こっそり尾行するのだ。

 それで、どういうパターンの時に消えるのか、消えないのか、その条件を調べていく。

 問題は、誰を尾行するかなんだけど。

 桜子ちゃんは、前に尾行したから、ひとまず今回は後回し。

 さやかちゃんは、空手仕込みの勘で、尾行してる私の存在に気づきそうだから、やめとこう。

 マヤちゃんは警戒心薄そうだけど、車で迎えに来てもらうから、そもそも尾行が出来ない。

 となると、ミキちゃんか、このみちゃんだけど………ミキちゃんは、私が好きすぎて気配を察知してくるんじゃないかという気がする。実際どうかは知らないけど。

 となると、このみちゃんか。

 このみちゃんなら、例え気づかれたとしても『情報屋として、情報収集をいたしております』とでも言えば、笑って許してくれそうだし。

********

 という訳で、放課後。

 都合の良い事に、さやかちゃんは朝倉くんと一緒に帰り、ミキちゃんは兄のケンジロウが迎えに来て、一緒に帰っていった。

 検証には、もってこいのタイミングだ。

 このみちゃんに、何もイベントが起こらないなら、因果関係が分かりやすい。何かイベントが起きたなら、それはそれで参考になる。

 このみちゃんが、校舎から出るのを見計らって、後をつける。

 付かず離れず、一定の距離を保ちながら、物陰に隠れたりしながら、こっそりとついていく。

 気分は探偵、あるいはストーカー。

 下手したら、お巡りさんに見咎められかねないけど、その時は友達とおふざけをしてたとでも言って、誤魔化そう。

 そうこうしてるうちに、描画範囲の境目、学校から500メートルあたりに差し掛かった。

 私の予想が正しければ、このみちゃんの姿は、ここで消えるはず。

(あっ!)

 案の定、このみちゃんは描画範囲外の境界を越えた途端、越えた部分から消えていく。多分、どこでもドアに入る人を傍から眺めたら、こんな感じなんだろうな。

 物陰から出て、このみちゃんが消えた辺りを確認するけど、なんにもない。

 このみちゃんが消えた境界に、私が行っても、何も起こらない。桜子ちゃんの時と同じだ。

 よし、これで検証の第一段階は終わり。それじゃ、帰るとしますか。

「あ、佐伯さん」

「うえっ!?」

 踵を返した途端、後ろから声をかけられて、変な声が出てしまった。

 後ろを振り向くと、今しがた消えたはずの、このみちゃんが立っている。

 その位置は、描画範囲の境目から、更に進んだ位置。あのまま歩いてたら、だいたいその位置にいたであろう位置だ。

「ん? どうしたの、そんなに驚いて」

「い……いえ、特に何もございません」

 このみちゃんからしてみれば、本当に何も無い。帰り道で、たまたま友達を見かけたから、声をかけただけなのだ。

「そう? あ、もしかして、情報収集?」

「おや、バレてしまいましたか。いかにも、情報屋として、色々調べておりました」

「うふふ、わざわざ後をつけなくても、聞けば教えてあげるのに」

 なんとか誤魔化せた。というか、このみちゃんが上手い具合に、勘違いしてくれたから、助かった。

「申し訳ありませんが、これが性分なものでして」

「そうなんだ、ふふふ」

 このみちゃんは、面白そうに微笑んでいる。友達が、面白い事をしてる、くらいの感覚だろうか。

「バレてしまったので、本日はこれにて退散させていただきます」

「うん、またねー」

 私は、このみちゃんに会釈をして、その場から去った。

 なんとかこの場は誤魔化せたけど、法則はますます分からなくなってしまった。

 イベントが無いヒロインは、姿が消えてしまう。ここまではいい。

 だけど、一度消えたこのみちゃんが、また現れた理由が分からない。

 私と会った事がイベント? いや、そんな訳は無いよなぁ。

 だって私はモブだし。モブ娘とヒロインが会った所で、イベントになんてなりようが無いもん。 


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