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【4000view感謝】恋愛ゲームの世界なのに私は攻略対象キャラじゃないので情報屋になろうと思います  作者: フユめん


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CHOROINE-CHOROINE

「佐伯さん………」

 さやかちゃんが、私の机までやってくるのは、これで三度目だ。でも、今回は前回までと違って、鬼の形相では無く、恋する乙女の表情だ。

 そして、頭上の好感度数値が63%まで上がっている。

 おい、何があった。

 それはもう、恋人同士でもいいレベルの数値だぞ。

 アナタは一回、主人公とデートしただけでしょうが。進みすぎ、明らかに進みすぎ。

 中国大返しを決めた、秀吉もびっくりのスピード感。

「な……なんの御用でしょうか………」

 怒りを向けられた時以上に、困惑した気持ちで返事をした。

 好感度が上がるようにセッティングしてやったつもりだけど、ここまで跳ね上がるとは思ってなかった。

 その件について言われる話は、何になるのか。分からないけど、確実に『デカい』。観客に死人が出るぞ。

「佐伯さんのおかげで、アタシは自分に素直にれたの。本当にありがとう」

 素直になれたとは、是如何に。

 話が掴めない、と戸惑いながら、続きを促すように頷き返すと、さやかちゃんはにっこりして話し始める。

「アタシ、本当はカワイイ物が好きなのに、空手をやってるから、男より強くならなきゃいけない。女らしい所を見せちゃ駄目だって、ずっと思ってたの。

 けど、佐伯さんは小鳥遊さんと一緒に、アタシをフリフリのドレスで飾り付けて、可愛いって褒めてくれた。アタシは、佐伯さんのおかげで素直になれたの」

「さ……左様ですか………」

 好感度の変遷を見るに、私とこのみちゃんがロリィタを着せた『後日』の方が、さやかちゃんの心境に影響してる気がするけど、そこは突っ込まないでおこう。

「自分に素直になれたから、アタシは朝倉君にも、気持ちを伝えられる気がするの。だから、佐伯さんのおかげ。佐伯さんが居てくれたから、アタシは勇気を出せたの」

 両手を、さやかちゃんの両手で包まれ、グイッと引き寄せられる。真剣な眼差しで見つめられ、頬が紅潮していくのが見て取れる。

「そ……それはなによりで……」

 素直になったから、朝倉くんへの気持ちに気づいたみたいに言ってるけど、アナタが恋したのは、昨日ですからね? それまでは、仲の良い男友達程度でしたからね?

「これからも、佐伯さんにはお世話になりたいなって。いいかな?」

「え……ええ、もちろん。わたくしで良ければ、いくらでもお力になります」

 情報屋としては、いくらでも協力しますけど、この結果を招いたのは、ほとんど私の力じゃない。

 さやかちゃん、アナタがシンプルにチョロかったのよ。

 このみちゃんもチョロかったから、これじゃチョロインが二人になるじゃない。さやかちゃんが幸せなのはいいけど、ギャルゲーとしてはバランスが悪い。

「ありがと、これからも友達でいてね」

 さやかちゃんが、両手を差し出してきたので、こちらも両手で握り返す。空手で試合した後も、こんな感じで握手してて、その癖が出てるのかな。

「こちらこそ、よろしくお願いいたします」

 ああ、また友達が増えてしまった。

 いや、友達が出来るのは嬉しいんだけど、ギャルゲーの情報屋がこれでいいのか。

 多分ダメなんだけど、女の子(ギャルゲーヒロインなので自ずと美少女)と仲良くなるのは楽しいから、距離を取る気にもなれない。

 ああ、女子に(男子にも)手を出しすぎて、嫉妬に狂ったヒロインに刺された某主人公よ、今なら君の気持ちが分かるよ

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