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アルジキミヒト  作者: ユッキング加賀
第5章、昆楽戦姫アドレディ編(甘口版)「……ふふっ。お兄さんなに見てんの、きも」

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第26.5巻、A white lightning bolt tearing through the darkness/白いアンドロイドは発明家との夢を見るか(甘口版)

前回のあらすじ3行。

「01010100 01100001 01101100 01101011……語る」

「01010011 01110100 01110010 01110101 01100111 01100111 01101100 01100101……窮する」

「01000011 01100001 01110101 01110010 01100001 01100111 01100101……奮い立つ」


※注意:一部描写の整合性のため、バージョン分けをしております。完全版をご覧になりたい方は某外部の姉妹サイトにて同名タイトルもしくは第26.5巻、A white lightning bolt tearing through the darkness/白いアンドロイドは発明家との夢を見るか(辛口版)からご覧いただけますと幸いです※

 ……ふと、オレは目が醒めると世界は黒く塗り潰されていた。



「01010111 01100001 01101011 01100101 00100000 01010101 01110000」

オレは……心ゆくまで満足(サティスファクション)した、のか?

確かあの時、ネガフォルテに背中を滅茶苦茶に解されて、そのあまりの快楽から意識がブッ飛んじまったのか。


「01010111 01100001 01101011 01100101 00100000 01010101 01110000」

生きた心地のしない真っ暗な世界に先程からぼんやりと繰り返し浮かび上がる、緑のデジタル数字。

「ゼロワンゼロワンゼロワン……。これはもしかして、二進数……なのか?」


「01010111 01100001 01101011 01100101 00100000 01010101 01110000」

ブックワールドで働いていた頃は読書以外に腕試しと言わんばかりにプログラム作りを趣味にしていたこともあり、PC言語の読み方を知っていたことが功を奏した。

点滅していても目に優しそうな色合いの数字の並びを目で追い掛け、それを脳内で変換していく。


「えーっと……、W、a、k、eと空白。それと、Uとpか。わ、わーけ……、そうか!ウェイクアップ、ウェイクアップだ!」

直後、モニターにでも表示されたかのように0と1の羅列が視界で波打つと、その背後から白い人影のような何かが現れた。

挿絵(By みてみん) 

――――いや、違う。()()()()()()()

「オレはたぶん、お前を知っている」


彼は。

『彷徨えるまま。ただ、彷徨えるままに行くんだ。最期まで辿り着くことがなかった、楽園を求めて』


「白い、アンドロイドだ……」

顔?いいや、頭部パーツの造りを見てオレはハッとした。


――思い出した、あの夢だ。

「まさか、改変されたブレーメンの世界からヘンゼルとグレーテルの世界に引き続いて、ここでもその姿を見ることになるとはな」

展望台までの坂を登るボロボロだったそいつの姿が、モノクロだった記憶が鮮明に色を得ていく。


「……そ、そうだ。キネシス、綾瀬……。なあ、アンタ!オレに手を貸してくれないか!オレの大切な仲間が襲われて苦しんでるんだ!」

此処はきっと深層心理の世界なのだろうか。


現実でネガフォルテに奪われていたことが影響しているのだろうか、腰にキャストドライバーが巻かれていなければこの手にはキャストパスすらない。

相手は二進数でコミュニケーションを図ろうとしているようだが、それならばドライバーの自動翻訳機能無しでも理解出来なくはなかった。


(オレの言葉が通じるかは分からない。けれど、それでも、オレは早く目覚めてこの世界を脱し、ネガフォルテに痛めつけられているキネシスと綾瀬を助けないといけない。だから――)


「01000011 01100001 01101100 01101100 00100000 01101101 01100101」

先程とはまた別の並びだ。

これまでの反応を見る限り、矢張りこの数字列は8ビット表現の二進数で間違いない。ASCII文字であればこれもきっと……。


01000011(C) 01100001(a) 01101100(l) 01101100(l) 00100000(ここが空白で……) 01101101(m) 01100101(e)"自身を呼べ"」

(キャストドライバーが手元に無い以上、オレの発音した言葉はブック語の筈……。目の前のアンドロイドは何故ブックワールドにしかない言語を理解出来るんだ?夢みたいな世界だからそういう補正でもあるのか?だが、それでは展望台の英語文が理解出来なかったのが不可解じゃ……)

そんなことを考えていると、続けて新たな二進数分が表示された。


01010010(R) 01100101(e) 01100010(b) 01100101(e) 01101100(l) 01101100(l) 01101001(i) 01101111(o) 01101110(n)

Rebellion、反逆を……何だ?


01000100(D) 01101001(i) 01110110(v) 01100101(e) 00100000(律儀に空白入れてんな) 01101001(i) 01101110(n)

Dive in、なんかに潜るとかか?ごめん、やっぱキャストドライバー要るわこれ。


「……、01010101 01101110 01100100 01100101 01110010 01110011 01110100 01101111 01101111 01100100 00101110 00100000 01001001 00100000 01110111 01101001 01101100 01101100 00100000 01101100 01100101 01101110 01100100 00100000 01111001 01101111 01110101 00100000 01101101 01111001 00100000 01110011 01110100 01110010 01100101 01101110 01100111 01110100 01101000 00101110(了承、君に力を貸そう。)」

二進数が通じるからって通信量を増やしたんだろうか?とりあえず翻訳を……。


「01000010 01110101 01110100 00100000 01101001 01101110 00100000 01110010 01100101 01110100 01110101 01110010 01101110 00101100 00100000 01110100 01101000 01100101 01110010 01100101 00100000 01101001 01110011 00100000 01100001 00100000 01100011 01101111 01101110 01100100 01101001 01110100 01101001 01101111 01101110 00101110(だがその代わり、交換条件がある。)」

…?……???


「01010011 01100001 01110110 01100101 00100000 01101101 01111001 00100000 01100110 01110010 01101001 01100101 01101110 01100100 00101100 00100000 01000010 01101111 01101001 01100100 00101100 00100000 01100110 01110010 01101111 01101101 00100000 01110100 01101000 01100101 00100000 01101110 01101001 01100111 01101000 01110100 01101101 01100001 01110010 01100101 00100000 01100110 01110101 01110100 01110101 01110010 01100101 00100000 01110111 01101001 01110100 01101000 00100000 01101101 01100101 00101110(私の友人、ボイドを悪夢の未来から共に救ってほしい。)」

「待て待て待て待て落ち着け!文章切り替わるの早過ぎて翻訳が追い付かねえって!」


「01001001 00100000 01100001 01110111 01100001 01101001 01110100 00100000 01111001 01101111 01110101 01110010 00100000 01100001 01110010 01110010 01101001 01110110 01100001 01101100 00100000 01100001 01110100 00100000 01000011 01111001 01100010 01100101 01110010 00100000 01010000 01101111 01101100 01101001 01100011 01100101 00100000 01101001 01101110 00100000 01000001 00101110 01000100 00101110 00100000 00110011 00110000 00110010 00110111 00101110(西暦3027年のサイバーポリスにて、君の到来を待っている。)」

「分かった分かった!も〜うギブです。ギブアップなんでもっと短いやつをくれ!」


「01000111 01101111 01101111 01100100 00100000 01101100 01110101 01100011 01101011 00101110(健闘を祈る。)」

「此処に来て急に何がGood luck.じゃ!……あっ、読めた。――――うわっ、眩し!?」

訳も分からないまま健闘を祈られたところで、胸に『SB1-TR001』と刻印されている夢のアンドロイドに見送られるまま遠ざかり、黒い世界が白一色に染まっていく。



「待ってろよ。キネシス、綾瀬!」

01001110 01101111 01110111 00100000 01101001 01110011 00100000 01110100 01101000 01100101 00100000 01110100 01101001 01101101 01100101 00100000 01110100 01101111 00100000 01100111 01101111 00100000 01100010 01100101 01111001 01101111 01101110 01100100 00100000 01111001 01101111 01110101 01110010 00100000 01100100 01110010 01100101 01100001 01101101 01110011 00101110

(今こそ、夢を超えろ)

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