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体を入れ替えられて聖女では無くなったけど何も問題ありません  作者: アイ氏
3章真実の愛の結末は?

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ベルシュタイン侯爵家②

突然、持ち上がった、セインフォード殿下の婚約と、フレイヤ公爵の継承。


本来なら、私の息子がフレイヤ公爵を継承するはずだったのだ。


それが我が家に何の相談もなしに決まった。


私は当然、フレイヤ公爵に抗議した。


だが既にフレイヤ公爵の継承は国王陛下から正式に許可を頂き議会でも承認された為に覆す事は出来なかった。


それならばと、私は娘のオリビアを次のフレイヤ公爵夫人にするべく国王陛下や政治の中枢にいる方に働きかけた。


だが、国王陛下を、はじめ閣僚の方々は残念ながら誰一人として私の味方にはなった下さらない。


それならばと私はセインフォード殿下に直接会って説得を試みた。


そして私は王宮の応接室でセインフォード殿下にお会いする。


「若き太陽。セインフォード殿下にご挨拶申しあげます」


そう挨拶が終わればセインフォード殿下は私にソファーへ腰を掛ける様に促し、そして自身も座ってから間髪入れずに話を切り出す。


「それでベルシュタイン侯爵のお話とは?」


そう言って、余裕のある笑みを見せる。


(私の用件など分かっているだろうに…)


それでも私は苛立ちを堪えて、セインフォード殿下に用件を話した。


「殿下の婚約の件でございます」


「婚約の件とは?」


(とぼけられるか…)


「ピラカンザ伯爵令嬢が殿下を懸命に看護され病が回復された事は知っています。しかし失礼ながら、ピラカンザ伯爵令嬢では、殿下と釣り合いません。彼女はフレイヤ公爵家の血引い無いばかりか、殿下は感情にとらわれて、大切な道理をないがしろにしています。いえ、社交においても、ピラカンザ伯爵令嬢では殿下の為になりません。婚約をお考え直した下さい」


私はそう訴えた。


「ベルシュタイン侯爵。貴方の意見は分かりました。ですが私は例え、この身分を捨てる事になってもマリアを諦めるつもりはありません。貴方がベルシュタイン侯爵令嬢と私の結婚を望んでいて国王陛下や閣僚達に訴えているのも知っています。最も誰1人賛同を得られてないと思いますが…」


セインフォード殿下はそう自信を持って答えた。


「そ、それは…」


私は言葉に詰まった。


セインフォード殿下て取って見れば我が家もピラカンザ伯爵家も政治的な影響は無いと言いいたいのだろう。


だからベルシュタイン侯爵家との結婚に得られるメリットが無いと…。



「それに貴方もアデライン叔母上との婚約を破棄して、ご令嬢の母親となる、今のベルシュタイン侯爵夫人を妻に迎えたではありませんか?今なら貴方の気持ち良く分かります」


「くっ…。殿下のお気持ちは良く分かりました。御前失礼致します」


そう言って、私は引き下がるしかなかった…。



◇◇◇

ーベルシュタイン侯爵邸ー


今日は占い師のプロディを屋敷に招いた。


プロディは貴族の夫人達に人気の占い師だ。


主人は占いの類は信じ無い人だけど、私は信じているし占いが好きだった。


何故なら昔、一番苦しかった時に母が良く私を励ます為にカード占いをしてくれたから。


特に私の将来を占った時は好転を暗示する『運命の輪』と豊かさを象徴する『コイン』のカードが出たと喜んでいた。


『エレナ。これは、きっと貴女は将来、経済的にも恵まれた相手と巡り会う運命なの』


そう言っていた。


私はクリーガァ王国の隣国ラシール共和国の出身だ。


ラシール共和国は昔は王政だったが私が幼い頃に革命が起こって王政が廃止になった。


私の両親はラシールの貴族だったが革命のせいで私達は身分や財産を失い、隣国のクリーガァ王国に亡命した。


遠い親戚の伝手を頼ってクリーガァ王国へとやって来たが生活はとても貧しく苦しいものだった。


私は年頃になると家族の生活を支えるべく貴族の屋敷でメイドとして働いた。


それにラシールは今でこそ独立国家だけど帝国時代は属国だった。


だから、今でもクリーガァ王国では属国の人間を下に見ると事があり私はそんな差別にも苦しんだ。


だけど今の主人と出会って全てが変わった。


侯爵夫人として豊かな生活を手に入れたし子供にも恵まれた。


最初に娘が生まれ事で、周囲は女腹と蔑んだが、二人目は跡継ぎとなる待望の男子だった事もあり誰もが認めるベルシュタイン侯爵夫人となった。


そんな順風満帆な日々だったけど突然のフレイヤ公爵家の継承問題が我が家取って不運な出来事になった。



昨日だって散々だった。


久しぶりに出かけたオペラハウスでは、セインフォード殿下の婚約の話題で持ちきりだった上に、周囲は私にわずかに聞こえる様に噂話をする。


『ベルシュタイン侯爵夫人よ。なんでも御息女をセインフォード殿下の婚約者に望んでいるとか…』


『確かにフレイヤ公爵家血筋だが、夫人は亡命貴族だったはず。身の程知らずね」


そんな声が聞こえてきて声の方を睨み付けたが酷い屈辱だった。



主人は懸命にセインフォード殿下とオリビアとの婚約を働きかけているけど芳しく無い。


目下の我が家の問題はオリビアの嫁ぎ先。


セインフォード殿下との婚約が叶わなかった時の為に一応は国内の貴族や国外も視野に入れて探しているけど、有力な貴族の子息は既に婚約者がいる者がほとんど。


候補には伯爵家の跡継ぎとか、外交官の息子とか今一パッとしない者しかいない。


(オリビアには何としても良い嫁ぎ先を見つけてあげないと…)


そんな事を思っていたら、メイドが客を連れてきた。


「ごきげんよう。エレナ奥様」


そう挨拶するのはプロディという占い師だ。


「プロデイ。残念だけど機嫌は良くないわ」


プロデイは上流階級の間では当たると評判の占い師だった。


その上、巧みな話術もあって相談相手や愚痴を吐く相手にもぴったりの人材。


「そうですか?でしたら占いの前に、こちらの精神を落ち着けるハーブティーはいかがでしょうか?」


そう言うとプロディはハーブティーが入った缶をカバンから取り出した。


私はメイドにティーセットの用意をさせる、


「良いわね。入れてちょうだい」


「はい」


プラデイが入れるハーブティーには確かに心を落ちつかせる作用がある。


最初に飲んだ時は、その何とも言えない甘みを含む苦味ばしった味が少し苦手だったけど、今ではこのハーブティーが無くては心が落ち着かない。


そうして私は今日もプロディがくれたハーブティーを飲んで気を紛らわしてから、プロディに悩みを話した。



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