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体を入れ替えられて聖女では無くなったけど何も問題ありません  作者: アイ氏
2章シオン聖国の異端審問官

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イザベルの自白


私はフレイヤ公爵邸から逃げる事に失敗してしまった。


暫くは、小部屋に閉じ込められて閉じ込められていたが、突然、騎士達が部屋に入って来たかと思うと、私の両腕を掴み拘束して部屋を出された。


どこに行くのか、何をするつもりなのか、私は何も関係無いと訴えても、騎士達は無表情のまま、私はひたすら拘束されて歩かされた。


そして地下階段がある場所へやって着いた。


薄暗い地下室へ入れば複数の牢屋や部屋がある。


そしてレンガの壁がむき出しの粗末な牢屋へ入れられた。


そこには体や腕、足が革のベルトで拘束出来る様になっている椅子が置かれている。


その椅子を見て、私は、これから自分の身に起きる事態を想像した。


私は声を上げて必死に抵抗したが騎士達に抑え付けられる。


「いや!いやよ!こんなところに座らないわ!離して!やめて!」


そうして無理矢理に椅子に座らされて拘束された。


この後の事を考えるだけで震えが止まらない。


そして牢屋の外から男性の声がした。


その声の主を確認すればセインフォード殿下だった。


間近で殿下の顔を拝見したのは、これが初めてで王妃様に良く似た美しく整った顔立ちに魅せらせた。


だけど、そのセインフォード殿下は酷く冷たい表情で私を見ているので、私は怖くなった。


「君がカロリーナで無い事は分かっている。何故、フレイヤ公爵邸に侵入者して、マリアやシオン聖国の審問官に毒を盛った?」


そう聞かれて私は焦った。


今、冷静になって考えれば私はとんでもない事をしたのだと思う。


例えロザリアが憎くても、今のロザリアの身分は公爵令嬢だ。


しかも義父のフレイヤ公爵は国王陛下の実弟。


言うなれば、ロザリアも王族に近い存在なのだ。


そんな人物の命を狙って、いくら私が貴族の令嬢でも、ただで済む筈がない。


下手をすれば私は極刑だし、ピラカンザ伯爵家は爵位の取り消されてしまうかも知れない…。


そう考えると今更ながらに自分の引き起こした事態に震える。


だから私は必死でカロリーナのフリをする事にした。


「私はカロリーナです。毒の事なんて何も知りません。セインフォード殿下は誤解されてます。私は無関係です。公爵邸を出ようとしたのは、その、か、買い忘れを思い出しただけです。信じて下さい。本当に何も知らないんです!」


だけど私の必死の言い訳も、セインフォード殿下には何も届いていなかった。


その表情は酷く冷たいまま、私に向かって言った。


「そう。素直に話せば、こんな手間は掛けなくて済むのだが…。これで真実を話す気になって貰おうか?」



そう言うとセインフォード殿下の後ろに控えていた騎士か、殿下に小さな箱を渡す。 


その箱を受け取ると中から大きくでも細い針子を取り出した。



私は恐怖で冷たい汗が滲むのを感じた。


「何を…するつもりです…か?」


「この針子を君の爪の中に突き刺す」


「そ、そんな…」


「君は何本まで耐えられるかな?それでも話さないなら、他にも話したい気分にさせる方法なんていくらでもある…」


冷たい表情のまま残酷な事を言ってくる殿下に私は恐怖した。


そして牢屋へと入り私の前に立つセインフォード殿下から殺気を感じる。


私は恐怖で声がでなくなり黙っていると人差し指に針子が当たった…。


その瞬間に、私はパニックになって真実を話すしかなかった。


「嫌ー!痛いのは嫌ー!お願い!やめて、そんな事しないで!なんでも話すから!私は、イザベルよ。ロザリアの姉のイザベル・ピラカンザ!」


私はそう泣いて懇願した。


「イザベル・ピラカンザ?本当だろな?」


「本当よ。今は、プロディから貰った魔道具のブレスレットで姿が変わっているけど…。だからお願い!もう許して。私は悪く無いわ。悪いのはロザリアよ!あの子が歌劇場で、私を無視するから!ロザリアのくせに!だからちょっと痛い目に合わせ様と思ったの!それにプロディが言ったのよ。ロザリアが、これから私に復讐するって、そして私は不幸になるって!だから、全部、悪いのはロザリアよ!私を唆した占い師のプロディよ!私は何も悪くないわ!ここに潜入出来たのだって、プロディがくれた姿を変える魔道具があったから…」


「姿を変える魔道具はどれだ?」


「左手に嵌めてるブレスレットよ!本当の事を喋ったんだから拷問は止めて!」


「最後に本者のカロリーナはどうした?痛い思いをしたく無いなら素直に話せ」


「プロディとその仲間が拉致したわ!王都から少し離れたスラム街の古民家に居るわ。私が公爵邸から逃げたら、本者のカロリーナを解放する予定だったから…」


「郊外の古民家か?本当だろな?」


「本当よ。だからお願い許して」


私は必死に懇願するが、セインフォード殿下は無視して牢屋を出て言ってしまった。


そして白い軍服を着た騎士達だけがこの場に残った。


数人の騎士達が牢屋へ入って来て私の左手に石を触れさせる。


その石が私の肌に触れた瞬間、手から猛烈な痛みと熱が伝わってきた。


「きゃー!あっ熱い!!手が痛い!何をしたの!」


私の左手には真っ黒な、黒百合の紋章が浮かび上がる。


私の左手を見て騎士が、報告する様に、外にいる女に声を掛けた。


「地底の魔王の紋章です。ラインベルト審問官!」


そう言うと、女が牢屋越しに私の前に立ち見下した様な視線で話す。


「左手に黒百合の紋章を確認した。イザベル・ピラカンザだったな?私はシオン聖国の審問官、エステラ・ラインベルト。異端審問官の権限により、お前を地底の魔王と取り引きした異端者として逮捕する!」



「異端審問官?!何故そんな人が、ここに?!」



「偶然だ。いや、これも神のお導きだな。さて次は闇の魔道具を外せ。慎重にな」


そうして、騎士によってブレスレットが外され、私は元の姿に戻った。


だけど皆が私の姿に驚いた様だった。

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