情実と穴埋めの人事・4
勿論 豊氏とて、何の考えも無しに、一時の感情任せで『待った』をかけた訳ではない。
そもそも豊氏は、このまま広が戻らない時は、いずれ仙台の四郎丸家へ、アキラを連れて行くつもりで来たのである。
近くに頼れる親戚も居ない以上、未成年のアキラの身の安全の為にも、それが最も正しい方策であると豊氏は信じて疑わなかった。
それ故 アキラの社長代行就任の話は考え直してくれないか、東京に着いて早々、豊はK.K.リングの常務・内藤に電話で申し入れたのである。
これを受けた内藤は、もう1人の取締役の承認も必要になるとして即答を避け、この際アキラくんの今後の為、どうするのが1番よいか、本人も交え、明日にも話し合いを持つことで豊氏の合意を取り付けた。
――そこで野木は呼び戻され、翌日を予定としていた工場長を交えた会議は一旦取り止めとなり、これに どう対応するか、電話を受けた事務室で、内藤と野木、2人は再び話し合いを持ったが、それは ものの数分で終わった。
――結局のところ、社内政治云々より、優先すべきは1人の少年の今後の人生であり、彼にとり、最善の道は何処にあるか、忌憚無く意見を出し合い、誠実に話し合うより他無いと内藤は言い、野木も それに同意した。
それでも、これからアキラには、トキオの『仮ボディ』を作るという『仕事』が有ると知る野木だったので、――おそらく、アキラの決断が覆ることは無い筈――と彼は内藤に語り、事態は楽観視されていたのであるが――…。
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今回は これまでで最も字数の少ない回になったと思われますが、一足遅れの盆休仕様としてご笑納賜れば幸いです。(※今回も、前回同様、『なろう』様先行公開の内容となっております。)
引き続き、次回も お楽しみいただけますよう頑張ります。




